「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
チャイルド44 下 (新潮文庫)
少年少女が際限なく殺されてゆく。どの遺体にも共通の“しるし”を残して—。知的障害者、窃盗犯、レイプ犯と、国家から不要と断じられた者たちがそれぞれの容疑者として捕縛され、い...
チャイルド44 下 (新潮文庫)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
少年少女が際限なく殺されてゆく。どの遺体にも共通の“しるし”を残して—。知的障害者、窃盗犯、レイプ犯と、国家から不要と断じられた者たちがそれぞれの容疑者として捕縛され、いとも簡単に処刑される。国家の威信とは?組織の規律とは?個人の尊厳とは?そして家族の絆とは?葛藤を封じ込め、愛する者たちのすべてを危険にさらしながら、レオは真犯人に肉迫してゆく。CWA賞受賞。【「BOOK」データベースの商品解説】
【英国推理作家協会(CWA)賞イアン・フレミング・スティール・ダガー賞(2008年)】【日本冒険小説協会大賞(第27回)】【「TRC MARC」の商品解説】
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
人間は変われるはずという信念に裏打ちされたサスペンス小説
2009/04/03 22:11
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
1950年代のスターリン体制下ソ連。国家保安省の捜査官レオは妻にスパイの容疑がかけられていることを知らされる。妻の捜査を命じられるものの最終的にはその無実を主張したため、夫婦で田舎町の民警へと左遷されてしまう。そこで起きた児童惨殺事件が実は広範囲にわたる連続殺人であることを確信したレオは犯人を追うことにするのだが、同僚の策略と妨害の前に、その捜査は命を賭したものになっていく…。
上下巻合計で800頁近い長編サスペンス小説です。
主人公レオはソビエト社会における特権階級として物語に登場します。職場を同じくする者の息子が死亡した事件を、なんとか事故死として穏便に片付けようとする彼は、事なかれ主義を通すことで全体主義国家の中で餓えと寒さを免れた生活を安穏と送ることが出来ています。
しかし、児童連続殺人事件を追い始めた彼は、前門の虎(連続殺人鬼)と後門の狼(全体主義国家)の両方と対峙せざるをえないほど過酷な捜査活動を通じて、むしろ少しずつ人間性を取り戻していくことになります。
優れた物語とは、主人公がわずかであっても成長を遂げていく物語のことだと強く思います。この小説は、共産党一党独裁のソビエトの厳しい閉塞感を実に見事に表現し、そのやりきれない逆境の中でレオが人として、また夫として、確実に良き方向へと変わりいく姿が描かれ、それが胸に強く迫ってきます。
そしてまた彼が変わることが出来るのも、周囲の名もなき人々、貧しき人々の手助けがあるから。まかり間違えば国家に対する反逆者として命を失いかねない状況の中で彼らがとる行動もこの小説の中では決して現実離れしたものには見えません。読むものをぐいぐいと最終場面まで引っ張っていく力があります。
頁を繰る手を緩めることの難しい一級のサスペンス小説でした。
紙の本
映画は観ていたが
2023/03/07 20:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いしかわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまり覚えていなかったので、読み返してみるとまた新鮮に面白かった。
チカチーロのほうがおぞましさは上だけど、殺人犯より権力者のほうが恐ろしいという社会が何より怖い。