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商品説明
きついノルマ、長時間・過密労働、やりがいがあっても低賃金…。長期不況と労働環境の激変のもと、“正社員”とは名ばかりの厳しい働き方を強いられる、20〜30代の就職氷河期世代を中心に、若者たちが生きる現実を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- はじめに
- 第1章 “正社員”とは名ばかりの実態
- 1 やりがいを求めて
- “県職”からの転職
- 右肩上がりの派遣業界
- 「23歳~,年収360万円以上」
- 過密労働とやりがいのジレンマ
- 「体を壊すまで働いても……」
- 2 24時間営業の管理
著者紹介
小林 美希
- 略歴
- 〈小林美希〉1975年茨城県生まれ。神戸大学法学部卒業。株式新聞社、毎日新聞社エコノミスト編集部記者を経てフリーのジャーナリスト。「ルポ正社員になりたい」で日本労働ペンクラブ賞受賞。
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紙の本
氷河を融かすのは
2009/08/28 23:07
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
グローバル化とはどういうことか?
世界のどんな所からでも、簡単に手早く望むもの/必要なものが手に入ることだ。
実にすばらしい!
ところが、この「望むもの」「必要なもの」には、労働力も入っていた。
生産拠点・製造拠点を特定の海外に移せば、もちろんコストが安くなる。なら、国内でコストを安くするにはどうすれば良いのか?
かくして労働力のダンピングが始まった。
このしわ寄せをもろに受けたのが、派遣社員、そして本書に登場する就職氷河期時代の若者である。勤務時間は際限なく長くなり、給料はなかなか上がらない。挫けそうになった時に、「やりがいがあれば続けていける」と思い直してはみても、日々の労働に、その決心も挫けそうになる。
バブルや右肩上がりの頃に働いた人の論理は、全く通用しない。
「親と時代は選べない」というが、単純に、「生まれた時代が悪かった」とまとめるだけで良いのか?対岸の火事としてただ眺めるだけで良いのか?今さかんに言われている「責任力」は、この数年、どうして彼等の人生を支える力と成り得なかったのか?
激しい憤りに駆られる書であった。
やがて自分達が歳を取った時、働き盛りとしてこの国を、社会を支える若者達が、心も体も病んでしまってよいものか。我々は、この現実を変えてゆかなければならない。