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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2008.6
- 出版社: 徳間書店
- サイズ:20cm/326p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-19-862553-5
紙の本
日本経済を襲う二つの波 サブプライム危機とグローバリゼーションの行方
著者 リチャード・クー (著)
豊かさを維持するために日本が最優先すべき課題とは何か? 戦後最悪の世界経済危機と、中国・アジアからの追い上げに挟撃される日本経済の諸問題を総点検する。【「TRC MARC...
日本経済を襲う二つの波 サブプライム危機とグローバリゼーションの行方
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商品説明
豊かさを維持するために日本が最優先すべき課題とは何か? 戦後最悪の世界経済危機と、中国・アジアからの追い上げに挟撃される日本経済の諸問題を総点検する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
リチャード・クー
- 略歴
- 〈リチャード・クー〉1954年神戸市生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了。野村総合研究所研究創発センター主席研究員、チーフエコノミスト。早稲田大学客員教授、防衛研究所防衛戦略会議委員等。
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紙の本
新銀行東京、日本振興銀行が示すゆうちょ銀行への教訓
2010/07/27 21:19
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:CAM - この投稿者のレビュー一覧を見る
2008年6月の刊であるから、リーマンブラザーズ証券破綻の前に発刊されたものである。著者の名は、雑誌、TV等で承知していたが、評者が著書を読むのは初めてである。
本書を手にとったきっかけは、著者が郵貯民営化の問題点について的確な主張をされていることを知り、その点についてあらためて確認したかったためである。
本書では第4章が「日本はバランスシート不況を脱却できたか」と題されており、郵貯民営化の問題点については、253頁以下で「新銀行東京が示すゆうちょ銀行への教訓」として述べられている。著者は、ここで、新銀行東京と日本振興銀行という二つの新しく設立された銀行を例にとり、「元々民間資金需要がないところに無理やり貸し出しを増やそうとしたことが(悲惨な結果となった)最大の原因であり、過去十数年の日本の現状を知る者からすれば当然の帰結であった」と述べるが(p.254)、日本振興銀行も最近この「当然の帰結」となった。
もし、郵貯銀行が「資金の流れを官から民へ」などという、現実を無視した偽網的スローガンの下に、その運用を国債から他に移したならば、(少なくとも現在の状況下であれば)郵貯もこれら新銀行と同様の帰結へと転落しただろう(ただし、国債価格暴落というような事態が起こるリスクは大きな問題であろう)。
著者が説くように、この十数年間、日本では (1) バランスシート問題で民間資金需要が激減したことが不況の原因だとする考え方と (2)民間資金需要はあるのに、金融機関が不良債権を抱えてお金を回せなくなったから経済が悪化したとする考え方があった(p.259)。
クー氏が(1)の説をとり、竹中氏、木村剛などは(2)の考え方をとった。そして、(2)の考え方が誤りであったことは、不良債権を相当に処理したはずであるのに、銀行の貸し付けは一向に増えず、上記新銀行が悲惨な結果を招いたことで明らかではないだろうか。
本日(2010年7月27日)の日経新聞は「日米欧、国債にマネー滞留、銀行保有過去最高、成長資金確保カギ」という見出しの下に、次のように報じている。
>日本では国内銀行143行の5月末の国債保有額が、前年同月末比23.5%増の138兆円となった。昨年5月から過去最高を繰り返し更新している。・・・・・・・ 背景には企業や家計の資金需要が伸びず、銀行の貸出残高が減っていることがある。日本では国内銀行の5月末の貸出残高が前年同月末比で2.9%減少した。収益の回復で企業の現金収支は改善しているものの、設備投資の拡大に慎重な姿勢を崩していない。
米欧の貸出残高も企業や家計が過剰債務の圧縮を進めるなかで伸びが急速に低下し、昨年秋にはそろって減少に転じた。足元をみても米国では2%超の減少が続き、欧州ではゼロ%近辺の伸びにとどまる。
こうした現象が続けば、経済全体にマネーが行き渡らない恐れがある。必要な設備投資や研究開発にも資金が回らず、成長分野の事業拡大に支障が生じるとの見方も出ている。
紙の本
ある意味、後の中古住宅市場の構築につながったのかもしれない
2016/03/20 14:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ホンの無視 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「フローよりもストックを重視する市場改革」に関する著者の提言は非常に興味がある。
本書が出版されたのが2008年だが、
その後2010年ほどの時期ににわかに中古住宅・マンションブームが巻き起こったのは記憶に新しい。
スクラップ・アンド・ビルドではなく、ストックを重要視するということは、
環境面でも税政面でも重要な話題であると同時に、
日本国民に新しい資産活用を促す事にもつながる。
結果論として言えば、住宅市場改革は不況そのものの解決策にはならなかったが、
新しい市場開拓、新しい視点の提供には充分貢献したと言える。
紙の本
日本の住宅市場の構造的欠陥
2009/02/10 00:07
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
二つの波とはサブタイトルにあるように、一つはサブプライム問題。この問題は戦後最悪の不況をもたらしかねない大問題だという。これは日本がバブル崩壊以降に経験したバランスシート不況と同類の問題であるため、処方箋として参考になると著者は考えている。第一章と第二章では日本の事例と対比させて述べている。
サブプライム問題によりアメリカおよび基軸通貨ドルの信用は著しく落ちたが、第三章の中で著者はアジア諸国の通貨を一斉に15%上げることを提言している。それによりドルの大暴落が防げると見込んでいる。世界恐慌を招かないための選択肢の一つになるかも知れない。
もう一つはグローバリゼーションの波だ。日本も新興国から追われる立場になった。かつて日本に追い上げられた経験をもつ欧米を分析することがヒントになるという。中国やインドの台頭はグローバルに展開できる人たちや企業には「歴史的チャンス」であるが、その波に乗れるのは中国語や英語ができる優秀な人材がいる大手や中堅企業に限られると書いている。グローバリゼーションの波をまともにかぶっているのが中小・零細・地方の企業であり、産業の空洞化が進んでいる。
そうした経済状況で日本が豊かさを維持していくためにどうすべきかについても述べている。不況に対しては金融政策は有効ではなく、財政出動が欠かせない。日本では何かとバラまきだと批判は大きいが、必要なところへの資金の投入は内需の下支えになる。
そこで著者は日本の土地と住宅に対するパラダイムシフトの必要性を説く。日本の住宅市場には構造的に欠陥があり、そのため住宅環境にはまだ改善の余地があり、良質の住宅に対する需要があると考えている。それは日本経済にとって貴重な内需を提供することになる、と言っている。詳細は本に譲るとして、政府がそうした需要を刺激する施策をとることで二つの波を乗り越えることが出来るかも知れない。住宅および住宅関連市場は大きそうだが、一方でサブプライム問題と同じように野放図な住宅ローン融資などが起きないように当局の監視も必要であろう。
本書の最後に、欧州の人々は立派な古い住宅と社会インフラのおかげで、低成長でもリッチな生活を送ることができている、と言っている。今後ますます少子高齢化で低成長の日本には欧州がモデルになるだろうと。日本は技術力を駆使して何世代にも渡って住み続けられるような住居を建てれば、現在の短期の建て替えを前提とした、資源の無駄使いも、資産としての価値の減価も抑制され、そこそこには生活していける水準を保てるかも知れない。
紙の本
住宅
2016/04/30 17:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:撫子の丘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本では住宅家屋は耐久消費財並みの扱いにたいしてアメリカではそれは資産貯蓄相当にあたるとか。
これはなんとかなりませんかね。