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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2008.6
- 出版社: 早川書房
- サイズ:20cm/255p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-15-208931-1
紙の本
格差はつくられた 保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略
来るリベラル派のアメリカは現在の大きな格差を解消し、より平等な民主主義の国をつくれるのか。世界が注目する経済学者が道義にもとる保守勢力の横暴を暴き、真に進歩的な国への道筋...
格差はつくられた 保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略
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商品説明
来るリベラル派のアメリカは現在の大きな格差を解消し、より平等な民主主義の国をつくれるのか。世界が注目する経済学者が道義にもとる保守勢力の横暴を暴き、真に進歩的な国への道筋を照らし出す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ポール・クルーグマン
- 略歴
- 〈ポール・クルーグマン〉1953年ニューヨーク生まれ。プリンストン大学教授。40歳以下の最も優れた経済学者に贈られるジョン・ベイツ・クラーク賞を受賞。著書に「世界大不況への警告」など。
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紙の本
これからオバマ氏が何を目指してゆくのかが分かる
2008/11/09 21:32
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朝光 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1年前に書かれた本ですが、今週のオバマ氏当選が
一体どういう背景で起こったのかが良く分かります。
日本の我々もうすうす気がついている”金持ちの為
の政治”が、アメリカでは何時、どの様にして始ま
ったのか。
金持ち層(保守派ムーブメント)は共和党内で影響
力を伸ばし、レーガン、ブッシュなど政権を取って
金持ち優遇策を次々と進めて来た。
政治での勢力を得るには、どうしたのか?
それは、南部白人の人種差別意識を上手く取り込ん
で票に結びつけたという事。
元々、奴隷解放をしたリンカーンは共和党なので、
南部白人は共和党キライだったが、それを徐徐に
取り込んでいった。
又、「グローバルスタンダード」という言葉で、格差
社会はあがない難い時代の流れの様に世界を演出
したとのこと。
目的の為には手段を選ばないというやり方は、ブッ
シュとゴアのフロリダ選挙の騒動などをつい思い出
してしまう。
ただ最近のアメリカでは、さすがにその行き過ぎに
人々が怒りを持ち出しているのだろう、つい先日も
金融企業のCEO達の超高額報酬などを許したまま
での税金投入はNoと議会(国民)が突きつけたり
した事は記憶に新しい。
今週のオバマ氏当選での市民の様子をTVで見ると、
黒人は皆 涙を流して喜んでいた。「黒人でも、ラップ
歌手やスポーツ選手だけでなく、大統領にもなれる
んだ!」と少女が叫んでいたことが私には印象的だ
った。人種差別の力が逆に生んだ大統領だった。
著者のクレーグマン氏の主張は、戦前のアメリカは
今以上の格差社会だった。それを、ルーズベルト
大統領がニューディール政策と戦時下統制で数年
で格差の少ない中流社会国家に変えた。そして、
戦後の中流社会時期は、今を含めた格差社会時期
よりも、経済、国民の生活、政治とも上手く機能
していた事を数字で示している。
保守派ムーブメントはそれを”小さな政府”とい
う聞こえの良い言い方で崩していった。
クレーグマン氏はオバマ氏のブレーンの一人との
ことなので、今後のオバマ氏の政策の方向と課題
がこの本から読み取れるのではないかと思います。
今、ぜひ一読をお薦めしたい一冊です。
紙の本
アメリカの経済格差の問題について本音で語った一冊
2008/12/21 00:03
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカの経済格差の問題について本音で語った一冊。
最近、日本でも経済格差の問題が顕在化してきていますが、本家本元のアメリカではその格差が桁違いです。いままで、その格差の原因は、「グローバリゼーションの影響」とか「社会主義崩壊による資本主義の行きすぎ」とかで説明されてきました。
本書で博士はそれを否定し、その原因を明確に指摘しています。
人種差別が経済格差を生んだ、と。
アメリカは多人種国家ですが、保守派の根底にあるのは「白人優位」という思想です。そのため、あらゆる機会をとらえて、保守化を進めようとしたのが「保守派ムーブメント」と呼ばれる人々。
保守派ムーブメントは、やがて共和党を支配するようになります。
ブッシュの政策はあらゆる面で、この保守派の影響を受けていると指摘しています。
本書を読み進むと、現在のアメリカが理解できます。
また、「なぜ、いま、オバマなのか」ということも納得できます。
中産階級の幸せなくして、国家の繁栄なし、という博士の信念は、そのまま日本にも当てはまるのではないでしょうか。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
紙の本
新自由主義から、あきらかに潮流は、変化した。
2009/10/21 04:30
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
格差が広がったところで、アメリカ発の経済不況に陥ったわけですが、
アメリカでいかに格差がつくりあげられてきたか、主張した経済書です。
アメリカでのことを書いた本なので、日本にあてはまるわけではないのですが、
日本でも、竹中、新自由主義路線から、新自由主義を標榜していた中谷厳が、
自戒を込めた転向の書を書いたり、路線変更が、さけばれています。
(しかし、相変わらず、竹中氏は、改革が中途半端だったからとか、
自分は、それでも、スウェーデンとアメリカと二つの道を選ぶなら
アメリカを選ぶと、怪気炎を上げていますが)
この辺の経済的方向転換をアメリカに詳しい人に解いても、
アメリカのメディアと知識層は、殆どが、リベラル派だから、と軽くいなされますが
果たして、どうでしょう?
本書は、割と短めの経済書ですが、予想よりけっこうむずかしめというか、固めの本でした。
一般的に、格差は、地球規模で広がる経済のグローバリゼーションの所為に
新自由主義ではしていてしょうがないことの一つみたいに理由付けされていますが、
本書では、それに真っ向から異議を唱えています。
格差が広がった主たる要因は、アメリカでは80年代以降の
(途中クリントンの民主党政権の存在をはさむものの)
共和党政権の、保守化ムーブメントであると指摘しています。
グローバリゼーションもさることながら、この保守化ムーブメントにのっとって
福祉の予算が明らかに減らされ、格差がどんどん広がったと指摘しています。
そして、ここからはアメリカ特有の問題に入るのですが、
高い税率の元、高福祉で恩恵を受けるのは、あまり税金を払わない、
低所得者層でこれは、もろに、黒人の層が、恩恵を受けることに成り、
このことを保守化ムーブメントでは、人種主義をことばで隠しながら
たくみに選挙人に指摘し避けてきた結果だと本書では書いてあります。
本書が書かれたのは、オバマ大統領当選以前なのですが、
この白人がカバーする黒人の福祉という単純な構図も変化してきたというより、
変化せざるを得ないと書かれています。
黒人の数は、殆ど変わっていないのですが、
ヒスパニックの人口が多くなった所為で、純粋な白人の占める割合が変化したから
だそうです。
一時は、経済書は、IT化にともなった、グローバリぜーションの本ばっかりという感じでしたが、
世界各国で関税の名のもと保護主義が見られる現在、
こういう本が出ること事態、あきらかに流れは、変わりつつあると思う。
本書に書かれていたことで、一番心にきたというか、衝撃だったのは、
アメリカでもっと幸せだった時期と思われる1950年代が、
アイゼンハワーの共和党政権だったにも拘らず、
実は、所得格差が最も縮まった、大圧縮の時代だったということです。
かのアメリカでもそうなのか、、と。
ある意味、表題から、内容は、予想できた本書、
この事実が、読んだ中で一番衝撃的でした。