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商品説明
よく似ているようで全然違う、パラレル英国にようこそ。キッド・ピストルズとピンク・ベラドンナが、遂に還ってきた!—今回もまた、マザーグースの唄声響く、難事件を引き連れて。奇才・山口雅也が満を持して放つ、キッド・ピストルズ13年ぶりの大復活。【「BOOK」データベースの商品解説】
パンクス出身の凄腕捜査官キッド。現実と似ているようで全然違うパラレル英国で、途方もなく馬鹿げた不可能犯罪事件に挑む。そこには、なぜかマザーグースの唄声が響いていて…。キッド・ピストルズ、13年ぶりの第5作。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
誰が駒鳥を殺そうが | 17−109 | |
---|---|---|
アリバイの泡 | 111−141 | |
教祖と七人の女房と七袋の中の猫 | 143−225 |
著者紹介
山口 雅也
- 略歴
- 〈山口雅也〉横須賀市生まれ。早稲田大学法学部卒。1989年「生ける屍の死」でデビュー。95年「日本殺人事件」で第48回日本推理作家協会賞を受賞。ほかの著書に「マニアックス」など。
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紙の本
内容は少しもパンクしていない、オーソドックスな本格ミステリ集。そういう意味で、アバンギャルドを期待した私には、ちょっと物足りない。でも、本格マニアなら喜ぶ?ホントかなあ・・・
2008/09/24 19:34
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いや、もうカバーからパンクしています。そんな装幀は坂野公一 (welle design)。
カバー折り返しの内容紹介も面白い。若干違うかもしれませんが雰囲気を再現すると
神奈川県生まれ。
早稲田大学法学部卒。
1989年、『生ける屍の死』でデビュー。
この作品はその後、「このミステリーがすごい!」の
1990年~2000年、10年間のベスト1に選ばれている。
1995年、『日本殺人事件』で
第48回日本推理作家協会賞を受賞。
キッド・ピストルズシリーズは『キッド・ピストルズの冒とく』
『13人目の探偵士』『キッド・ピストルズの妄想』
『キッド・ピストルズの慢心』があり、本作は第5作。
じつに13年ぶり、
待望久しい「最低の帰還」となった。
となっています。13年ぶりですか、久しぶり、ってより凄いなあ、って思います。だって、13年経ったら前作を全く知らない読者がいてもおかしくない。それなら復活ではなく新シリーズのほうがいいんじゃない?なんて勝手なことまで思うわけです。失礼な!ですよね。でも、私、パンク、まったく分からないんです。音楽もですがファッションも、勿論山口のキッド・ピストルズシリーズも。
なに、ガキがいきがってんだろう、くらいしか思えない。一度として美しいとか楽しい、って思ったことない。今時、パンク?なんていう思いもあります。ま、これは趣味の問題。でも、私の中に山口のこのシリーズ、分からなくてもいいや、っていう気になかなかならない。自分の方が間違ってる?っていう思いが浮かんでは沈み・・・
実は西尾維新の時がそうだったんです。当時、中学生だった次女はもう維新に首ったけ。高校生だった長女は、さほどではない。彼女は私と同じく舞城王太郎派。次女が共感できるものに、私が心動かない?それってオバサン化の始まり?冗談じゃない、絶対に理解してやる、なんてときに維新では『化物語』にぶつかりました。もう、ただただ楽しんだ。
同じことが山口でも起きるかもしれない、なんて思いで読み始めたんですが・・・
早速目次に従って各話の初出と内容紹介。目次
Intro :このシリーズの背景やキッドとピンクとは何者かなどが要領よく示される
キッドとピンクの伝記作家による本書に関する覚書 :タイトルとなった「最低の帰還」の意味などを記録者が解き明かす
◆誰が駒鳥を殺そうが
――キッド・ピストルズの最低の帰還(「ジャーロ」2007年春号):遠く離れた武器庫の塔で和弓の師匠・ジャクエモンが殺された。ロビン卿の屋敷で密室殺人に挑むパンク探偵も殺されて・・・
◆アリバイの泡(「野生時代」1995年8月号):ゴータム海洋パラダイスで起きた台湾人実業家殺人事件。殺したのは三つ子のうちの一人であることは間違いない。同じ顔の三人、火龍、土龍、水龍は互いにアリバイを主張して・・・
◆教祖と七人の女房と七袋の中の猫(「ジャーロ」2007年夏号):子供たちを虐待したと訴えられた新興宗教の教祖と信者たち。一本道で子供たちが消えた・・・
◆鼠が耳をすます時(「小説TRIPPER」1995年冬号):ライヴハウスでご機嫌な演奏を聞かせるバンド《三匹の盲目の鼠》。メジャーデビューの声がかかる日に現れたのは昔、金を持ち逃げしたマネージャー・・・
◆超子供たちの安息日(「ジャーロ」2008年冬号):超能力をもった双子マンデイとサンデイに迫る危機。予告どおり密室で死んだ少年と、彼の死を予告した少女ウエンズデイ・・・
え、このシリーズってこんなにまっとうな本格ミステリだった?というのが第一の思いです。基本は密室、古きよきミステリの王道、ま、それゆえの野暮ったさがついてまわるのは流石の山口でも如何ともし難い。やはりこのシリーズからパンク風味を取ったら、法月綸太郎『犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題』には敵わないかな、なんて思ったりもします。
個人的には「教祖と七人の女房と七袋の中の猫」と「鼠が耳をすます時」に二篇が好きです。10年以上の時を隔てた作品ではありますが、どこかスマート感があって、海外に持っていっても理解されるんじゃないか、なんて思います。それと「誰が駒鳥を殺そうが」でしょうか。これぞ世界標準、っていう感じです。