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紙の本
僕たちの終末 (ハルキ文庫)
著者 機本 伸司 (著)
二〇五〇年、太陽活動の異常により人類に滅亡の危機が迫るなか、ネット上には“宇宙船をつくりませんか?”という怪しげなサイトが立ち上げられていた。詐欺とも思えるサイトの首謀者...
僕たちの終末 (ハルキ文庫)
僕たちの終末
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商品説明
二〇五〇年、太陽活動の異常により人類に滅亡の危機が迫るなか、ネット上には“宇宙船をつくりませんか?”という怪しげなサイトが立ち上げられていた。詐欺とも思えるサイトの首謀者に接触するため、スタッフに応募した瀬河那由は、その人物が天文学者の神崎であることを知る。宇宙船を作るという無謀な計画に巻き込まれた那由は、父親と神崎とともに“ワールドエンド・スペーストラベル”を立ち上げるが…。待ち受ける難問の数々を乗り越え、宇宙船を作り上げることはできるのか?傑作長篇SF。【「BOOK」データベースの商品解説】
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やはり発想は面白いと思うのだけれど…
2008/05/18 22:08
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
太陽の活動活発化に伴い、生命存続に危機的な状況が予測される地球。国家プロジェクトによるシェルター計画やコロニー計画がたてられるも、確実な安全性は期待できない。そんな状況の中、小さな会社の片隅で、民間主導による地球脱出計画が相談されていた…
この作品の大きな主題として、恒星間航行船の開発に関わる政治的・技術的な困難をどのようにして解決するかということと、社会とのつながりを絶って人間は生きられるかということがある気がする。でも、これに対する著者なりの解が呈示されているかと言うと、正直疑問だ。
技術的課題についてはある程度の解が与えられているが、政治的課題についてはどのように回避したかが全く語られない。語られない裏側で暗躍があったことがほのめかされて数年先に物語が飛んでしまっている。社会とのつながりに関しては、神崎正がなにやら自問自答して解決したことになっているけれど、彼の人格形成に大きな影響を与えたと思われる父との関係性が物語中でほとんど語られないため、説得力に欠ける。
前作、前々作を読んでも思ったことだが、人類とは何かという根源的な問いを投げかけているにも拘らず、技術的なことについては言及しても、人間的なことについてはほとんど言及されないのがもったいないと思う。