「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
「安西が落ちた」好敵手であり親友でもあった男の滑落の報せに、草庭は動揺する。認めたくない事実を受け入れようとした瞬間、草庭の頭に浮かんだひとつの疑問—安西はなぜ滑落したのか?彼の登攀技術は完璧だった。山に登る上で必要な資質を、すべて具えた男だった。その安西が、なぜ?三年前のある事故以来、山に背を向けてきた草庭は、安西の死の謎を解き明かすために再び山と向き合うことを決意する。【「BOOK」データベースの商品解説】
マッキンリーを極めたほどの男が、なぜ難易度の低い塩尻岳で滑落したのか。3年前のある事故以来、山に背を向けて生きていた草庭は、好敵手であり親友だった安西の死の謎を解き明かすため、再び山と向き合うことを決意する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
大倉 崇裕
- 略歴
- 〈大倉崇裕〉1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒。「ツール&ストール」で小説推理新人賞を受賞。ほかの著書に「オチケン!」「福家警部補の挨拶」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
経験者の著者が満を持しての執筆、山岳ミステリ
2009/04/21 00:46
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の草庭は、パートナーでもあり自分よりはるかに卓越した技術を持っていた
安西を山で失ってしまいます。
安西ほどの実力のもち主なら起こり得ない死。
草庭は、もう一度山へ挑むのですが、、、、、。
山岳ミステリど真ん中です。
著者の大倉崇裕さんは、大学時代、山岳部だったそうで、
山岳ミステリはいつかはものしたいと思ってきたジャンル。
書きたいと目標にし、願いでもあったとか。
そう、作家自身、満を持しての挑戦なのです。
作家が本当に好きな分野、人生をかけて携わってきた分野と
調べただけで書いている作品とでは、たとえ文字数、文章を同じ分だけ、
書いたとしてもそこに描かれるものは、何か違います。
その好きな分野のポイントを的確に掴んでいたり、著者自身の濃厚な思いが
作品に出ているような気がします。
そう正に本書が、それなのです。
紙幅の都合上、若干著者渾身の作品としては、ちょっと小ぶりな感もありますが、
山岳ミステリとしては、謎解きだけでなく冒険小説にも似た迫真の登攀のシーンもあり
(実は、山岳ミステリは、冒険小説の重要なジャンルの一つ)
つめ込めるだけの要素は、詰め込んでいます。
紙の本
予想外の骨太小説。男は再び山を目指す。
2008/08/10 13:38
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よし - この投稿者のレビュー一覧を見る
予想外でした。ここまで読ませるなんて。ミステリーとしても、結構面白いと思います。
主人公の草庭は大学時代の友人、安西と両神山に一緒に登ることになります。そこで、恋人絵里子が遭難した、塩尻岳に登ることを知らされます。十日後、安西も遭難。こんな、難度の低い山で、マッキンリーをも極めた男が死ぬはずがない。草庭は、絵里子と安西が遭難した塩尻岳を、目指します。
捨てても捨て切れない山への思い。草庭は、大学時代に、後輩を事故で死なせてしまったという経験から、山を捨ててしまう。パッとしない会社で周りからなぜか疎まれトラブル続き。同じ職場に働く、江藤をひょんなことから殴ってしまいます。それが、山への思いを再び燃焼させることになろうとは。江藤自身も、息子を山で失うという、苦い思いを持っています。だから、草庭にも辛く当たるのですが。
登場人物一人ひとりの山への思い。それが、ひしひしと伝わってきます。
そんな山への思いが、微妙な伏線にもなっていたりして。この辺が上手い。山がおかれている現在の状況や問題も出てきます。やはり、山を愛する作者だからこそ、ここまで書けたと思います。
読み応えのある1冊です。