紙の本
山魔に嗤われたら、……終わり
2015/09/30 09:47
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
刀城言耶シリーズ第四弾。本格ミステリベスト10 2009年版第一位作品です。
発端は、成人の儀式のために忌み山へ足を踏み入れた男の経験談。男がめぐり合うのは、夜の山の恐ろしさと、その闇の中に潜む不気味な何物か。
さらに男が、一夜の宿を求めた家の住人は、翌朝、忽然と消失してしまう。
航行中の船から、船員が全員、何か事件が起きた気配もなく行方不明となってしまった有名なマリー・セレステ号事件を髣髴とさせ、一編に読者を引き込みます。
そして、その山村を訪れる言耶の前で、次々に殺人が……。
単行本の表紙絵、帯のコピー(レビュータイトルに使わせてもらいました)も印象的な傑作です。
紙の本
アクロバティックな論理の大転回!、そして謎を一気に解明。
2010/03/07 01:51
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投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
08年の夏ごろですかね?とある全国展開の大型書店でホラーのフェアが行われていて、
三津田作品がどわーっと平積みになっておりました。
三津田さんって講談社でちらほら、メインは、原書房のミステリ・リーグという文芸系では、
準大手みたいなところで書いていた人だから思い切ったことするなぁ?と思っていたら、
その年の年末に発表されるミステリ・ランキングで重複ランクイン!!。
(本格のランキングでは、1位)
今まで知る人ぞ、知るって感じだったのが、一気にメジャーブレイクだと思います。
(この手の作品はコアなファンは、エスゥージアスティックに追いかけていたと思うので)
(私も、名前だけ知っていて、横目でチェック組でした)
本書は、年末ランキング本にランクインする前から、桜庭さんが、読書日記で
薦めていたので、ずーっと興味もっていました。
刀城言耶シリーズの4作目となります。(たぶん)
忌み山と、呼ばれる山を舞台にそこに関係する複数の大家族を中心に、
忽然と現れ忽然と消えた一家から始まり、連続殺人。
数々の謎が描かれていきます。
一々上げられないほど、たくさんの謎、ミステリが書かれています。
ホラーチックというより、民俗学的な膨大な知識、博学系ティストで始まり、
最初は、すわっ京極堂チルドレン??かと、思わせるのですが、ちがいますね。
あきらかに違います。
本格派の方のランキングで、1位になっているように、
山そのものを密室にみたてり、より謎解きに重点を置いたタイプ。
そして、複数の謎が箇条書きで書かれたパートがあるのですが、
それを一気に解決。
で、終わったと思ったら、最後に何度も論理の大転回その又、反転!!。
民俗学的なものも雰囲気たっぷりだけど面白さは、こっちのほうにあると思います。
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「やまんまのごときわらうもの」と読む。
刀城言耶シリーズ第4弾で、私自身は前回の「首無の如き祟るもの」に
引き続いて2冊目となる。寝る前にいつもの感じで読んでいたのだが、
読み止めるタイミングが掴めずに困るほど、次の展開が面白かった。
エンターテインメントとはこういう本のことを指すのかも。
全体を覆う禍々しさもよい。夜中に読むと、結構怖いよ。
山中のロッジとか、それこそ郷里で読んだらきっともっと怖いだろうなぁ。
ああ、都会でよかった。
成人の儀式で山を越える云々という導入は、「首無」にシチュエーションが
近いので「あれ?これ読んだっけ??」と一瞬思った。
が、そんなことはともかく、ぐいぐい引き込まれる。
特に、父と子のありようについて、言耶自身が抱いているジレンマにも
スポットが当たって、より深みが出ていい感じだと思った。
金田一耕助を思い起こさせるところがあるが、
キャラクター設定に今後も深みを増し、より個性的になってゆくことだろう。
期待したい。
それにしても、「首無」でチラと触れられていたエピソードの織り込み方が心憎い!
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語彙力や、ストーリーが繰り広げられる場所の背景描写のうまさにより、
物語の奥行きが非常に濃くなっており、ホラーとして見た場合、
素晴らしい出来なのではないかと感じる。
その反面、登場人物の多さ、謎解決部分の展開の歯切れの悪さなど、
ミステリーとして見た場合はかなり不満が残る作品だ。
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「リピートする気なし」と宣言したものの、巷の高評価を知ってついつい魔がさした。『首無』と比べてやや読みやすいと感じたものの、インパクトは弱いわ、途中から退屈するわで、決して有意義な読書時間ではなかった。この作家は“ホラー”に落ち着いた方が良いのではないか。民俗学ベースの閉鎖された世界を作るのは巧いのだから、リアリティを重視するミステリよりは実力を発揮できるだろう。「その可能性が強い」などという、断定的な思考をベースに推理を組み立てられて、納得する読者がいるだろうか。
舞台設定やプロローグが印象深いため、その感覚を読者にキープさせようとする作者の意図が、無理なこじつけとなって露になり、不快感を覚えるシーンが多かったように思う。舞台監督としては一流だが、演出家の腕は二流のようだ。ラストのサプライズは不要。それまでどうにか隠し通せたアラが、ここで一気に露呈した。本格はつくづく難しいジャンルなのだと痛感した一冊だった。
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◎「このミステリーがすごい!2009年版」第8位
◎「週刊文春」ミステリーベスト10 2008年第7位
◎「ミステリが読みたい!2009年版」第2位
◎「2009本格ミステリ・ベスト10」第1位
2009年4月23日(木)読了。
2009−47。
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おもしろかった☆
前回読んだのより読みやすかったし。ただ結末はそんなに二転三転させなくてもって感じはしたかな(笑)
2009.3.9
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09/02/16読了
ちょっと待って山魔(やまんま)まじKOEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!
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シリーズ物のホラーミステリ小説。今回はホラー寄りだった。主人公が練り上げた推理を出したそばから即引っ込めて、何回も回答を披露するのは毎回のことながら少し冗長に感じるけど、面白かった。
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「マジモノ…」と同じように、忌山と聖なる山が出てくるけど、
改めて自然とは恐ろしいものだ、と思った。
山に迷い込んでこんな目にあったらもう…!
事件が起こされた動機が「そんな理由で!?」という感じがするけど、
実際事件が起こる時ってそんなものなのかも。
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戦後間もなくを舞台にした探偵もの。
横溝正史をほうふつとさせるシュチュエイションは、ちょっと懐かしい感じ。この手のストーリーは、複雑な家族関係や珍しい名前で混乱してしまうのです。これもそういうかんじで、登場人物は決まっているのに、その関係が複雑で、それを理解するだけで疲れました。
まがまがしい感じがよく出ていて、雰囲気はばっちり。次々に家族が殺されて、それを探偵が推理する。。。。
多少こじつけっぽい推理もありますが、雰囲気はなかなか楽しめるものがあります。ただ、結局どうなの?感が残ったのは残念。ここまで読ませたんだから、すっぱり推理を終了させてほしかった。
ただ、これがこの作者の味なのだとしたらこれもありかな?
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忌み山で人目を避けるように暮らしていた一家が忽然と消えた。「しろじぞうさま、のーぼる」一人目の犠牲者が出た。「くろじぞうさま、さーぐる」二人目の犠牲者―。村に残る「六地蔵様」の見立て殺人なのか、ならばどうして…「あかじぞうさま、こーもる」そして…。六地蔵様にまつわる奇妙な童唄、消失と惨劇の忌み山。そこで刀城言耶が「見た」ものとは…。『首無の如き祟るもの』に続く渾身の書き下ろし長編。http://takeshi3017.chu.jp/file4/naiyou14505.html
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最後の最後まで謎やらどうにも違和感の残る会話を繰り広げ、「あれなんか地味かも?」という印象を抱かせたところで怒濤の解決編になるのは面白い。その解決編も二転三転しまくり。なんという密度感。そして怖い。山の怖さってすごくよく理解できるので余計に。
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刀城言耶シリーズ。今回もタイトル見ただけでなんだか怖そうだなあ、と思っていましたが。……やっぱり怖いぞこのシリーズ! 夜中に読めません。見立て殺人も大好きなんだけど、この歌が妙に怖い。当然メロディ知らないはずなのに、勝手に頭の中で響きます……。
当然謎解きはきっちりと論理的。途中で「え、それは反則じゃ?」と思える展開もあったものの、最終的には綺麗な着地が見られました。……がしかし。怪異の部分もしっかりと残っちゃって、それが怖いの何の! このさじ加減が絶妙です。この世は論理ばかりで割り切れないのかもしれませんね……。
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怖い。
純粋なホラー作品ではないのにその辺のホラー小説よりよほど怖い。
おそらく著者の書く描写そのものが怖いのではなく、そこから作り出される空間が怖いのだろう。
描写から来る恐怖は一次元に留まり一瞬もすれば記憶から消え去ってしまう。
ところがそれが文字という形をはなれ空間に解き放たれた時、恐怖は三次元のものとなりジワジワ拭いきれない怖さになる。
謎解き面では質より量といったところもあり、さらにはドンデン返しのやり過ぎといった感もあるが、独特の禍々しい雰囲気は健在で読み応えのある一冊にはなっています。
シリーズ3作目という事を考えれば充分に面白いのですが、前作『首無しの如き祟るもの』とどうしても比較をしてしまうので、厳しい評価になってしまいます。
ホラーとミステリーの融合を見事に成し遂げているこのスタイルで今後も新境地を開拓してもらいたいです。
購入した時の帯が本書表紙の下半分を隠してしまい今まで気が付きませんでしたが、この本の表紙も内容に負けず劣らず怖かったのですね。