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商品説明
悩める市民の相談ごとが次々に持ち込まれる「市民サーヴィス課臨時出張所」の職員にして名探偵!?黒い腕貫を嵌めたその男の巧みな誘い言葉に、ついつい気がかりな悩みごとを話してしまうと…、ありゃりゃ、いつしか難題解決へ!軽妙な筆致でユーモラスに描く連作ミステリ六編。【「BOOK」データベースの商品解説】
立て籠もりや偽装殺人、詐欺や轢き逃げなど奇怪に思える事件も、人間関係を解きほぐしていくと、意外にも…。嫌味なまでに冷静沈着な腕貫男は、神出鬼没で杓子定規な市民サーヴィス課苦情係。西澤ワールド炸裂の連作短編集。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
体験の後 | 5−59 | |
---|---|---|
雪のなかの、ひとりとふたり | 61−110 | |
夢の通い路 | 111−166 |
著者紹介
西澤 保彦
- 略歴
- 〈西澤保彦〉1960年高知県生まれ。95年「解体諸因」でデビュー。本格ミステリとSF的手法を融合させた作品で人気を博す。ほかの著書に「パズラー」「収穫祭」など。
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紙の本
やっぱり女子大生、それも美人の三人組ともなれば天下無敵。なかでも一番の美女が惚れたのが、あの地味な腕抜き・・・。ミステリとしても秀逸です。
2008/08/28 20:31
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
西澤ファンの私ですが、どうもこの『腕貫探偵』シリーズはイマイチ、っていう感じがありました。まず、探偵が地味なんです。「市民サーヴィス課臨時出張所」の職員にして名探偵でしょ。私が大嫌いな公務員なわけです。しかも、地方公務員でしょ。で、年齢不詳っていうか40代風だし、おまけに黒い腕貫でしょ。ダサッ!
それに出没する時間帯や場所がね、暗い。寂れた商店街の片隅や、人通りも稀なくらい小道の端っことか、要するに占い師が店を構えるようなところをイメージしてもらうのがいい。やっぱ、やですよね。柳の木の下とか。どぜうじゃない、っていうの。とまあ、そういう印象だったわけです。まそれは、やまもとちかひと描く装画を見ても、加藤 岳の装丁に触れても変わらないんです。
でも、今回は違いました。紅一点、というか三点の存在が大きい。高校生に圧され気味の女子大生、なんて巷では言われていますが、まだまだ捨てたもんじゃありません。いえいえ、お酒も飲めないガキンチョより女としては遙に上。しかもです、ミスコンレベルの美女が三人ですから、話全体もこう、ぱっと華やいだりして。
いやいや、とりあえず各話の初出と内容紹介。
◆体験の後(「月刊ジェイ・ノベル」2005年12月号):カフェレストラン〈テアトロ〉が四人組に占拠された。客は拘束され、あろうことか、僕の憧れる従業員の森脇志乃さんには男がのしかかり・・・
◆雪のなかの、ひとりとふたり(「月刊ジェイ・ノベル」2006年6月号):もうじきヴァレンタインデー。安達真緒といっしょにショーケースを見ていたユリアは、自分のデジカメのデータを見ているうちに、年末の殺人事件を思い出して・・・
◆夢の通い路(「月刊ジェイ・ノベル」2006年9月号):妹のところから出てきた昔の写真。なぜかそこには自分と梨紗のツーショットが。高校時代、片思いの相手だった彼女と一緒に写真を撮った、そんな記憶は全くないのだが・・・
◆青い空が落ちる(「月刊ジェイ・ノベル」2007年1月号):私立高校を定年退職したばかりの松嶋充子が蜘蛛膜下出血で急死した。死因に疑問はないが、3ヶ月前に五千万もの貯金が引き出されていて・・・
◆流血ロミオ(「月刊ジェイ・ノベル」2007年5月号):小さい時から家が隣どおしだった菅谷直紀と蒲原真美子は、同じ私立囲櫃学園中等部の2年生。二人は小学校を卒業するころから親に内緒で連絡をとりあって・・・
◆人生、いろいろ。(「月刊ジェイ・ノベル」2007年9月号):妻の佐和子を殺すために策をめぐらした井原健介と占部珠美。佐和子に扮した珠美とホテルで妻を待ち受ける健介だが・・・
どの話も微妙に繋がっているのが、いいです。勿論、探偵役が同じだから当然といえばそうなんですが、やはりポイントは大学の美女三人、住吉ユリエ、安達真緒、阿藤江梨子です。特に腕貫探偵をダーリンと呼び、食に対する同じ趣味から居場所まで勘であててしまう美人女子大生ユリエが光っていて、その明るさに腕貫探偵までも若返ってしまう。もしかして、これって予定外の流れかもしれません。
ちょっとブラックな感じ話が、女子大生トリオのおかげで軽妙なミステリに。女子大生は、やっぱり不滅かも・・・