電子書籍
奇想天外な2つの中編
2021/07/11 01:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
マリオネット症候群は実に興味深い設定でした。少女が何者かに体を乗っ取られてしまうところからスタートしますが、悲壮感はあまりなくユーモラスに展開されるので、安心して読めます。謎はだんだん明らかになっていきますが、後半まさかのとんでも展開に。ラストの破天荒さも含めて、怒涛のストーリーでとても楽しめました。
クラリネット症候群は設定は面白かったのですが、くどい感じがして読みづらかったです。しかし、そのことさえも仕掛けの一部だったとは、真相を聞いて驚くばかりでした。事件の意外な顛末にはカオスな感情を抱いてしまいました。乾さんらしいトリッキーな作品で、これはこれでいいのかな、と思いました。
投稿元:
レビューを見る
マリオネット症候群とクラリネット症候群の2編。
マリオネットの方も初読みだったので、よかった。
マリオネットはなんだか相変わらず後味が良くはない。
クラリネットは、読みづらい…!
面白かったけれど読みづらい。
後味が悪くないくるみさん作品は初めて読んだけれど、これはこれで良かった。
登場人物がどれもこれも特徴的すぎる。
二銭銅貨の謎が気になる。
投稿元:
レビューを見る
『イニシエーション・ラブ』の著者がおくる中編ミステリー小説。
表題作も勿論だが、同時収録の『マリオネット症候群』も著者ならではのトリックと構成。
その中のギャグを交えた絶妙な軽さもよかった。
投稿元:
レビューを見る
この本にはタイトルの「クラリネット症候群」と「マリオネット症候群」の中編2つが入っています。「マリオネット」は過去に出版した作品のようですが、幸い読んでいなかったのでよかったです。
「イニシエーションラブ」「リピート」で奇抜なアイディアを楽しませて頂いたので期待の新作品でした。
「マリオネット」は自分の身体に他人が入り込み動かしちゃうという、入れ替わりとちょっと違った設定が新鮮でしたが、全体としてはドタバタギャク的で、ちょっと馴染めなかった感じです。
一方の「クラリネット」は、これまた奇抜な設定で、クラリネットを壊したら、「どれみふぁそらしど」の音が聞こえなくなっちゃと言う病気?になるのです。昔、3Dの映画がありましたが(眼鏡をかけて飛び出す画面を見る映画でしたが)、なんとなくシーンが不自然だった記憶があります。たぶんより効果的に飛び出しすシーンを見せるための無理な演出をしたのでしょうけど、この作品でも不自然な言葉が多かったです。それによって「どれみふぁそらしど」が聞こえないと別の言葉に聞こえるというものです。
暗号がキーになっていますが、なんとなくお手軽な作品になっていて、この作者の作品の別に意味では入りやすい作品のひとつかもしれないけど、「イニシエーションラブ」を読んだ人間としては、ちょっと同じような期待をしちゃって残念でした。
投稿元:
レビューを見る
一昨年あたりから大好きな乾さんの新刊…といっても既刊マリオネット症候群に新作クラリネット症候群を併せた一冊
といってもマリオネット症候群は絶版だったのかどこにも無かったし
そもそも寡作なので嬉しい新刊です。
マリオネット症候群は人格転移もの…どたばたコメディ…なのにダーク(笑)
かなり好みです。
クラリネット症候群は、文芸っぽいいい話になるのか…と思いきや一気に来ます。暗号もプロットの一部としては面白い。
軽くネタバレになるかもしれませんが、解説にもあるこの著者(こんな名前ですが男性)の女性観はかなり特殊です。
女性の登場人物は大抵の場合尻軽で、なおかつ男を手玉に取ります(笑)
この女性観さえ受け入れられれば良作です。
投稿元:
レビューを見る
乾くるみといえば「イニシエーション・ラブ」での大ブレイクが記憶に新しい。私自身は、そのほかには「リピート」に目を通したのみであるが、いろいろな書評から推察するに、この著者は非常に凝ったことをやるタイプであり、しかも大きく外すことがきわめて少ないという、驚異のアベレージヒッターなのだそうだ。なるほど、本書もその例にもれず、確かにギミックに富んでいる。その代り、幾分ストーリーの作り込みが荒い。しかしながら、この人の場合、ストーリーよりもギミックにこそ真髄が現れるので、ストーリーに何かを期待するのはお門違いなのかもしれない。イニシエーション・ラブは背筋が寒くなったんだけど、まあ、ああいうホームランはそうそう飛ばせるものではないだろうし。
投稿元:
レビューを見る
「マリオネット症候群」と「クラリネット症候群」の2作品を収録。ちょっとブラックなミステリでした。(2008/8/12読了)
投稿元:
レビューを見る
2008.8
ラストの展開はさすが乾さん。
クラリネットの方はめずらしくさわやかな?おわり。
同じメンバーでシリーズ作れそう。
投稿元:
レビューを見る
「イニシエーションラブ」「リピート」に続いて、
読んでみました!
さすがは乾くるみ。
やっぱりこの人ただ者じゃない・・・笑
シュールでかんなり面白い。
くだらないって言っちゃったらそれまでだけど。。
この人の発想力はハンパじゃない。
またこの世界に騙されたいなー。
会社の往復にはうってつけの、
サクサク読めるワクワクする本。
投稿元:
レビューを見る
イニシエーションラブ、リピートに続き、読んだのは3冊目。
マリオネット症候群、クラリネット症候群の2作品からなる文庫本。マリオネットの方は、解説にもあった「秘密」「転校生」や新井素子も読んだことがあって私はこういうストーリーが好きなのかもしれない。でも、もっと違った視点から書いてあっておもろかった。
クラリネットの方は、本を読む時にこんなにも頭の中で変換して読み進めたことは初めてで、読みながら頭を使ったけど、それも嫌いじゃないので楽しめた。クスリと笑えるミステリーでおもしろかった。
解説者によると、その間にデビュー作品辺りにさかのぼるのがおすすめらしいけど、そこはとばして最新刊に来てしまった。こうなるとデビュー作品からの何作かも気になってくる。機会があれば読んでみたいと思った。
作品紹介
(「BOOK」データベースより)
ドレミ…の音が聞こえない?巨乳で童顔、憧れの先輩であるエリちゃんの前でクラリネットが壊れた直後から、僕の耳はおかしくなった。
しかも怪事件に巻き込まれ…。僕とエリちゃんの恋、そして事件の行方は?『イニシエーション・ラブ』『リピート』で大ブレイクの著者が贈る、待望の書下し作が登場。
投稿元:
レビューを見る
徳間デュエル文庫で刊行済みの「マリオネット症候群」収録。表題作は書き下ろし。どっちも読んでないうちには嬉しい一冊。「マリオネット症候群」は、初期の西澤保彦のノリを彷彿とさせる。殺された人間の人格が、殺した人間を乗っ取るっていう設定はありがちだけど、これは視点が乗っ取られた側なのが面白い。いったいこれは誰の体なのか・!?じゃなくて、いったい誰が乗っ取ったのか!?っていう。しかもそれの追求が中心じゃない!そこからはもう驚きの連続。わかりやすい伏線が張られてるから心構えはある程度していたつもりでも、それでもやっぱり驚いた。「クラリネット症候群」はクラリネットを壊してしまい、ドレミファソラシの音が聞こえなくなってしまった男の子が主人公。この主人公が聞こえたとおりに、ドレミファソラシの文字が抜かれて虫食い状態でセリフが表記されるからすっごい読みにくい。とにかくどっちも面白かった♪
投稿元:
レビューを見る
2つの中編作品を収められています。
「マリオネット症候群」は、読み始めは「どういう展開になるのか?」と思わせますが、「しくみ」がわかってしまうと、その後の驚きはありません。
いくつかの殺人事件が起こるものの、殺伐とした話ではなく、最後は、なんとなくハッピーエンドのような・・・。
表題作の方は、とにかく読みづらい。
心理的な影響により、ドレミの音が聞こえなくなってしまった主人公に合わせて、作品の表記もドレミ抜きになっているので、ひとつひとつ意味を充てながら読んでいかなくてはいけません。
乾さんの作品としては、平凡かもしれません。
乾さんらしさはあるので、気軽に読む作品としては適しているかもしれませんが、「どんでん返し」を期待して読むと、がっかりすると思います。
投稿元:
レビューを見る
初めての乾くるみ作品。
クラリネット症候群とマリオネット症候群の2作品が収録されています。
新鮮な感覚のするミステリィでした。
投稿元:
レビューを見る
中編2作。
構造上の面白さはあるし、爽やかさはあるけれど
「イニシエーションラブ」ほどのびっくりはない。
(たぶん期待し過ぎ。)
ふと小〜中学時代に
赤川次郎をむさぼり読んだのを思い出す。
投稿元:
レビューを見る
①マリオネット症候群
とにかく私は驚いた。ある晩、目覚めたら、勝手に動いている自分の身体。意識はハッキリしてるのに、声は誰にも通じない―まさか私、何かに乗っ取られちゃったの!?誰の仕業かと思っていたら、なんと操り主は、あこがれの森川先輩らしいの。でも、森川先輩って、殺されちゃったらしくって…それっていったい、どういうこと?とっても奇妙なパラサイト・ストーリー。
《ブックデータベース より》
②クラリネット症候群
ドレミ…の音が聞こえない?巨乳で童顔、憧れの先輩であるエリちゃんの前でクラリネットが壊れた直後から、僕の耳はおかしくなった。しかも怪事件に巻き込まれ…。僕とエリちゃんの恋、そして事件の行方は?『イニシエーション・ラブ』『リピート』で大ブレイクの著者が贈る、待望の書下し作が登場。
《ブックデータベース より》
《2010年2月14日 読了》