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商品説明
誰のなかにも潜んでいるモンスター、それに乗っ取られた時に始まるミステリ—深く、濃く、そしてゆっくりと謎は深まる…『ミステリーズ』『マニアックス』に続くシリーズ第3弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
誰のなかにも潜んでいるモンスター。それに乗っ取られた時に始まるミステリ。深く、濃く、そしてゆっくりと謎は深まる…。本格ミステリのフォーマットに縛られない中・短編集。表題作ほか全6編を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
もう一人の私がもう一人 | 9−68 | |
---|---|---|
半熟卵にしてくれと探偵は言った | 69−100 | |
死人の車 | 101−125 |
著者紹介
山口 雅也
- 略歴
- 〈山口雅也〉横須賀市生まれ。1989年「生ける屍の死」でデビュー。95年「日本殺人事件」で第48回日本推理作家協会賞を受賞。ほかの著書に「マニアックス」など。
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本当に山口雅也は日本ミステリ界のアヴァンギャルドだったんでしょうか。だって、どれも読んだようなお話だし、一番面白い作品は、他の人の作風だし・・・
2008/09/16 20:03
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
山口雅也、熱狂的なファンではありませんが気になる作家で、寡作なせいもありますが、最近は新作がでればこまめに拾っています。でもこの装画は結構、花村萬月してるんじゃないでしょうか。私は嫌いですけど。ちなみに画家はフランシス・ベイコンで、作品名称は「磔刑のキリストの足元の三つの習作」(ロンドン テイト・ギャラリー所蔵より)だそうです。装幀・本文組は私が好きな平野甲賀さん。やっぱり題字がいいです。
とりあえず帯のことばを写しておけば
誰のなかにも潜んでいるモンスター
それに乗っ取られた時に始まるミステリ―
深く、濃く、そしてゆっくりと謎は深まる…
『ミステリーズ』『マニアックス』に続くシリーズ第3弾。
となっています。各話の初出と簡単な内容を書いておきましょう。
◆もう一人の私がもう一人(「メフィスト」2003年9月号):この世で一番恐ろしいものに出逢ってしまった二人の男、ドッペルゲンガーに取り憑かれた人間の運命は・・・
◆半熟卵にしてくれと探偵は言った(「メフィスト」1996年8月号 「ソフトボイルド探偵」改題):失踪した富豪の娘の行方を捜すホテル探偵、わたしに協力してくれるのは足を洗おうとしている娼婦・・・
◆死人の車――ある都市伝説(「メフィスト」2004年1月号):もし20万円で新品のベンツを買えるとしたら。深夜、葉山に向かうタクシーのなかでの会話が微妙に展開して・・・
◆Jazzy(「メフィスト」1996年12月号 「ジャジィ」改題):アタシのお父さんは15歳、お母さんは13歳。そして私はこれから身軽な旅に出る、素敵なサテンのドレスに身を包み、ニューヨークをあとにして・・・
◆箱の中の中(「メフィスト」2006年5月号):幻の美術家・匡本夜一が創るのは《箱》、箱根で《箱》三昧の暮らしを送る匡本に取材をするのは、博覧強記の異色作家・黒木冥海、失踪した女優も絡んだ訪問記は・・・
◆モンスターズ――怪物團殺害事件(「メフィスト」2007年9月号、2008年1月号):第二次大戦も末期の東プロイセンの総統司令部《狼の巣》、ファン=ダー・ヘル教授を訪ねてきた包帯で顔を包んだ男は・・・
もっとも印象的だったのは、というか好みなのは「箱の中の中」です。いいですね、この暗さと情熱。話の展開は読めてしまいますが、だからといって決して平凡ではありません。それと表題作。ま、これは第二次大戦も末期の東プロイセン、という設定がすべてと言えば全てなんですが魅力的です。
逆に平凡だったのは「死人の車」。何だか定石踏んじゃったかなっていう感じで山口らしくありません。『ミステリーズ』『マニアックス』に続く第三弾とありますが、このシリーズ全体がらしくない。もしかして『奇偶』以来、傑作をものしていない?『生ける屍の死』と『日本殺人事件』でお終い?直球で勝負できなくなったピッチャーを連想してしまいます。