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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2008.5
- 出版社: 長崎出版
- サイズ:20cm/333p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-86095-254-9
紙の本
ワトスンの選択 (海外ミステリGem Collection)
著者 グラディス・ミッチェル (著),佐久間 野百合 (訳)
「シャーロック・ホームズ生誕百周年記念」に銘打たれた仮装パーティー。ユーモアに溢れたこの余興はせまりくる殺人事件の幕開けにすぎなかった。女性探偵ミセス・ブラッドリーの推理...
ワトスンの選択 (海外ミステリGem Collection)
紙の本 |
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- 税込価格:37,620円(342pt)
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商品説明
「シャーロック・ホームズ生誕百周年記念」に銘打たれた仮装パーティー。ユーモアに溢れたこの余興はせまりくる殺人事件の幕開けにすぎなかった。女性探偵ミセス・ブラッドリーの推理が冴えわたるスプーフ・ミステリの代表作。【「BOOK」データベースの商品解説】
「シャーロック・ホームズ生誕百周年記念」と銘打たれた仮装パーティー。ユーモアに溢れたこの余興はせまりくる殺人事件の幕開けにすぎなかった…。女性探偵ミセス・ブラッドリーの推理が冴えわたるスプーフ・ミステリ。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
グラディス・ミッチェル
- 略歴
- 〈グラディス・ミッチェル〉1901〜83年。英国生まれ。ロンドン大学卒業。61年まで国語と歴史の教師を務める。作家。奇抜な発想で読者を煙に巻く、「ファース派」の巨匠。
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紙の本
ミステリとして読むよりは、ミステリ風味の小説として読んだほうが後悔しないと思います。人間関係をまったり楽しみましょう。
2010/01/20 19:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、配色が素晴らしいです。しかも背のデザインがこれまた秀逸、で、思わず、カバーの小さな英文字を拾い読みしてしまう、そんな洒落たデザインは原条令子デザイン室。ちなみに、以前も書きましたがデザイン的には好きなシリーズですが、版型も含め国書刊行会の叢書と雰囲気が酷似していて、混乱します。私は、手にとってチェックするまでは国書刊行会本だと確信していました。
で、出版社名を確認して、やられた!って思いました。カバーの出来や、頁数、本文を含めた紙質、どれも好きなものだけに残念な気がします。ま、最近では出版点数でも長崎出版がかなり目立つようになってきて、母屋を奪いかねない勢いであることは確かではあるのですが・・・
で、グラディス・ミッチェル。私が読むのは『ソルトマーシュの殺人』『月が昇るとき』に続く三冊目になります。正直いって、前の二冊、タイトル以外は全く覚えていません。自分のメモを読んで、そうか、どちらもミセス・ブラッドリーが探偵役をやっていたんだ、前者では彼女は、魔女の血を引くという噂のある老女ミセス・ブラッドリー、と書かれ、後者では心理学者ミセス・ブラッドリーとあります。
この本でも巻頭の人物紹介で心理学者と書かれていますが、本文中でははっきり言及されることはありません。ただ、戦時中、ブーン卿が自分の患者だったという文があるだけです。シリーズものなので手を抜いたのでしょうが、これは不親切。訳者が冒頭で補うことは可能だったはずで、そういうところはセンスの問題だと思います。
出版社のHPには
「シャーロック・ホームズ生誕百周年記念」に銘打たれた仮装パーティー。ユーモアにあふれたこの余興はせまりくる殺人事件の幕開けにすぎなかった。女性探偵ミセス・ブラッドリーの推理が冴えわたるスプーフ・ミステリの代表作。
としか書いてありません。私も、てっきり仮装パーティーで連続殺人事件が起きると思っていたのですが、そうはならないのでここに書いておきます。死体は一つで、密室が登場するわけでもありません。そういう意味で、本格ミステリを期待した人は期待を裏切られると思います。ただし、そこらがグラディス・ミッチェルの本領発揮なので、肩肘張らずに楽しみましょう。
かなり多くの人物が登場します。でも、目立つのは三人の女性です。一人はミセス・ブラッドリーの秘書であるローラ・メンジーズです。年齢がはっきりしないので、雇い主であるミセス・ブラッドリーとの距離感が微妙ですが、全編を通じてかなり目立ちます。ただし、ワトソン役かというと、そうでもありません。
それと、パーティを開催したブーン卿の甥のティモシーの家庭教師で、ブーン卿との結婚にこぎつけたリンダ・キャンベルがいます。年齢や美醜のほどははっきりしませんが、その言動の無神経さは特筆もので、いくらなんでも47歳のなかなかの男ぶりで、独身という卿が伴侶に選ぶとは思えない存在です。物語の前半の中心的存在です。
そして最後が、ブレンダ・ダーンスです。フォイエル、エペ、サーブル、フェンシング全般をたしなむ剣術使いの31歳の美女で、彼女を見た男性は殆ど悩殺されてしまいます。ローラの婚約者でロンドン警視庁の警部ギャヴィンですら例外ではありません。レイモン・ド・フィリップという愛人がいて、夫のトビーとは離婚寸前です。後半、というかお終いのほうで存在感を見せ付けます。
この三人に比べると、女性探偵ミセス・ブラッドリーはさほど個性的ではありません。老人という設定なのですが、会話や行動を見る限り、50代くらいと考えるほうが自然な気がします。好ましさでいうと、ブレンダ・ダーンスには及びませんが、秘書のローラ・メンジーズよりは落ち着きがあって、『ソルトマーシュの殺人』『月が昇るとき』のときよりはいいかな、と思います。
で、海外もの特有の人間関係の理解し難さはありますが、訳文に癖がないので案外スラスラと読んでしまいます。むしろ、そのせいであまり頭に残らないというマイナスもあります。ま、これは著者や翻訳者のせいではなくて、歳をとって集中力を失い、物忘れがはげしくなった私のせいでもあるのでしょうが・・・
で、なんとなく話が終ります。これでいいの? って思います。でも、これがグラディス・ミッチェルなんだろうなあ、ミステリとしてではなく、ミステリ風味の小説を読んだ、っていう感じかな、なんて思います。個人的には、今まで読んだ三冊の中では、これが一番楽しめました。最後に目次を写しておきます。
第1章 パーティへの招待
第2章 シャーロック・ホームズ・パーティ
第3章 予期せぬ珍客
第4章 舞踏会が終って
第5章 家庭教師の見た夢
第6章 難癖
第7章 運命はふたりの手に
第8章 廃駅
第9章 嫉妬の鬼?
第10章 接触
第11章 犬に関する調査
第12章 事情聴取
第13章 難航する犯人探し
第14章 ジェーン・エアの悲劇
第15章 さらなる情報
第16章 アリバイ不足
第17章 凶器の発見?
第18章 決め手はかつら
訳者あとがき