フーケーの「水妖記(ウンディーネ)」を題材にした、ジロドゥの戯曲「オンディーヌ」。フーケーの描いたお話は「水の妖精の悲しい恋物語」。人間と結婚した水の妖精が、相手の男が他の女性と結婚したためにその男を殺してしまうお話で、どちらかというと「人魚姫」のようなお話と記憶していた。 ところがジロドゥの作品は幕開けから喜劇的である。そして、1939年の作品とは思えないほど、登場人物の性格・行動が驚くほど現代人にもあてはまるので、心の情景が安々と伝わってくる。 他人の言葉を聞かず、奔放・無邪気に振舞う主人公の水の妖精は、訳者いわくのジロドゥらしいヒロインの典型、「世間から見ると変な娘」である。第一幕でも…
|