紙の本
謎解きでもなく、風刺でもなく
2012/04/08 16:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルからは見えにくいですが、元大物政治家・大堂事務所で働く事務員・佐倉聖が降りかかる難問、謎を解く...という内容です。「政治家」に対して一般の多くの人が持っているであろうイメージそのままの「事務所」の世界ですが、世の中の裏表両面の社会を操る「特殊な人種」である政治家であるけれども、実は「頼り」にされている部分や、役に立っている部分もある、っていうことを少しだけ感じさせてくれるストーリーにもなっています(実に「自然に」、実は頼れる人たちかも?って思わせます)。
でてくる「事件」に対する、主人公・聖の「謎解き」については、推理小説におけるそれとは異なります。ヒントを与えられるわけでもなく、読者はほぼそれを解くすべは与えられません。あくまで「読み物」としての謎解きにとどまります。政治家の事務所が舞台で、選挙や陳情、そして「世襲」という、実際の世界では問題点と取り上げられがちな部分を、「当事者側」からの視点で書かれています。我々は一般の目を持っている(と自覚している」事務員・聖の目を通してみますが、一般の生活者との視点のずれを暗に指摘しながらも、そんなに深刻な問題点ではなく、実は政治家もちゃんとしている人はちゃんと仕事をしている、的なまとまり方ですね。「ちゃんとしている」ことを正面から伝えると、イヤラシク、またはウソクサクなりますが、このような「間接的な」伝わり方の方がよいというこですねー。
著者は、時代モノ(妖怪モノ?)で著名な方なようで、現代ものはあまり著作がないようです。自分は時代モノを未読なんですが、これだけを読むと、少々欲求不満な感じです。キャラクターは個性的で魅力はあるのですが(政治家の世界だけに余計に「濃い」場合が多い)、ササッテくるものがない、というか...次は著者の「得意分野」にしてみようか。
読み終えてから、読む前にはよくわからなかったタイトルの意味がほんわかと伝わってくる感じでした。そんな爽やかさは残ります。短時間で読めえうライトな読み物としてはいいかもしれませんね。
【ことば】 誰もが己の利になることを欲している。都合の悪いことを言われると、途端に聞こえなくなる耳を皆もっている。厳しい顔を向けてくる。
政治家が直面する課題。政治家のレベル云々を評論家のごとき批判する一般市民も、「自己都合」で動いているのかもしれない。そんな人たちに、必要なことを伝え、聞くこともする。これが政治家の最も重要な仕事かも。世論に迎合して政権、官僚側の批判するような政治家は、ホンモノではない、てことかもね。
紙の本
政治家の事務員さん
2023/09/07 23:32
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
政治家の事務所で働くって、
こんな感じなんですかねー。
これだけ色々務まれば、
どんな会社でも就職できる!
気がするよ、聖くん。
そして、父上からのお金は
オヤジ殿が預かってる気がするよ……
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政治の世界ならさぞかし色んなことが起きるでしょうし、いくらでもスケール広げて大きな事件を起こすこともできるんでしょうがそこはそれ。そんな小さなこと興信所でも扱わないんじゃ?と思うくらい些細な事件に弟思いのバイト事務員が挑みます。問題は、真相は分かっても解決はまた別なこと。後は知ったこっちゃない、と放り出したら国民の信頼は集まりません。その点聖君はアフターフォローまでしっかり。一番の読みどころはその解決策じゃないでしょうか。
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「しゃばけ」とは違った魅力のある作品。「しゃばけ」以外で初めて面白かった作品かも。
まあ続編が出ても、買ってまでは読まないかもな。
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素行が悪かった若者が業界の大物のところへ放り込まれ修行しつつ、沸き起こるゴタゴタを解決していく。それだとよくあるパターンにも思えますが、ちと違うのがその業界が政治家の事務所だというところ。政治家を扱ってはいますが、汚職問題やら何やらというのではなく、地元密着の政治家のごく普段の活動を舞台にしているのが面白いですな。
初めの内はストーリーやらキャラクターにぎこちなさを感じたのですが、徐々にこなれてきて面白くなったかなと思うところでお仕舞い。ううむ、続きはあるのかなあ。ミステリとしても人情ものとしても業界ものとしても中途半端な感は否めませんが、続きが出たら読んじゃうんだろうなあと思わせる作品でした。
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元大物政治家の事務所に事務員として勤める聖
事務員とは名ばかりで、仕事は雑用や、種々雑多な相談事の解決。
今日も奔走〜
。。。というような内容なんだけど。
書名だけ見て面白そうだと読んでみたけど
うーーん
これはちょっとなぁ
まず文体が練れてない。
言葉の使い方も変
だいたい、未亡人に「未亡人」って呼びかけるかぁ?普通
久々に「コレはない!」と思った1冊でした。
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しゃばけシリーズが好きで他のも読みたくなり購入。
現代設定の話は初めて読んだけどこれまた結構好みで。
主人公のキャラもいいけれど、なによりオヤジたちが素敵です。(笑)
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元政治家の狸としか言い様がない『じじい』の元でアルバイトをするのは
それほど年が離れていない弟を養うため。
そのため、せっせとアルバイトをして臨時の収入を得る生活。
何が面白いというと、やりとりですか?
無理難題を押し付けられていやだと断れば
弟ネタを持ってこられて断れない。
やたらに性格の濃い人達に囲まれているせいなのか
元々そうだったのか、本人も性格が…w
確実に、彼はこの世界から抜け出せないと思います。
むしろ抜け出そうものなら、あちらこちらから妨害がきそうですね!
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畠中さんというと『しゃばげ』と出てきますが。こちら時代は現代、主人公は元大物代議士の事務員にして元不良の大学生・聖、21歳、独身但し扶養家族あり。もう、設定だけでも楽しそう。中身は5つの案件と前後のエピソードで組み上がっていまして、短編のミステリが詰まっています。どれもこれもなかなか楽しい。何が楽しいって、キャラとその立場、化かし合いが面白い。佐倉聖(主人公)の設定も面白いが、脇を固めているメンバーが良い!オヤジも素敵だが、私のイチオシは加納です。でも、唸ったのは案件の一ですね。家族の姿勢といいますか、親の姿勢が素晴らしいなぁと。やっぱりアクティブなキャラは読んでいて救われますね。加納さんの巧さが光ってる。私としては、若き頃のオヤジの話とか、オヤジと小夜子さんのなれそめとか、加納さんとオヤジの出会いとか読んでみたいなぁって思います。出ないかなぁ~期待しちゃうなぁ~(笑)。
2008/06/13 兎に角堂
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物語の語り部、『佐倉聖』は、元国会議員『大堂』の経営する会社の3関連事務所『アキラ』で働いている。オーナーであり若手政治家の勉強会の会長である大堂に、様々な困りごとが持ち込まれる。そしてその厄介事の大半が聖に押しつけられるのであった。
畠中さんといえば『しゃばけ』、でもこちらは読んだことがありません。
これはたまたま表紙が現代ものだなとわかったので読んでみようと手にとりました。さすが登場人物が魅力的ですね。いやみなくするりと入ってきます。普段なじみのない政治家の事務所をちらりと織り交ぜながら、人情味たっぷりに難(?)事件をうまく収めていきます。文字通り収めるのです。問題を解決するのは当たり前、相談者の気持ちをフォローしてやっと終わりというあたたかいラスとが気持ちがいいです。
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選挙事務所を舞台にした、日常の謎ミステリ。政治家の実態、ってのも垣間見られるかも?
好きなのは「商店街の赤信号」。謎そのものとその真相は全然たいしたことないといっちゃあないんだけどねえ。正直、「あれ? そんなことだったの?」てな感じ。だけどその解決方法が見事というしかない。読後感の良い「日常の謎」そのものといった感。
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畠中さんの描く男性はいっつもかっこいです~
強めの聖が弟には甘いのがほっこりしました\(^o^)/
未成年の私にも選挙が身近に感じられました。
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うぉお普通に面白かったです!
選挙とか全然興味なかったので、だからこそ(?)面白く読め、だからこそ「もっと政治とかを知るべきだなぁ」と思わせる作品です。
畠中さんの作品はファンタジー要素ありのなんちゃってミステリーというイメージが強かったんですが(しゃばけとかつくもがみとか)、今回は現代が舞台の普通にミステリー短編集です。
人が死んだりしないので、内容的にもライトですし、文体もなんかライトノベルみたいでさらりと読めます。普段本読まない人でもあっさりすらすら楽しめると思います。
多少「その理由でその推理は想像部分がデカすぎないか?突飛じゃないか?」とツッコミたくなりますが、普通日常にそんな大きな謎が落ちてはいないし、なにより主人公がその問題の解決策を示して周りの人間関係の問題が改善していく様がいいです。推理がもし正解じゃなくてもいいじゃんとなります。
主人公は苦労性なのに周りから頼りにされてて、いつも話をめでたしめでたしに導いていてかっこいいです。家事も出来て有能(しかも無自覚)だなんて、ほ、惚れてまうやろーって感じです。家族思いですし。
読後嫌な気分になる人は(多分)いない作品なので、是非他人に薦めたいです。
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今、ちょうど選挙活動中で、タイムリーな内容だった。
頭のキレる男気のある男達はステキだなと思った。
選挙って大変だなぁ。
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元大物議員の選挙事務員がちょっとした謎解きをしていくライトミステリー。タヌキ親父にいいようにこき使われているように見えるが、肝心なところはしっかりしめてくれる後見人といったところか。普通目にすることのない政治家事務所の裏舞台が楽しく読めた。