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- カテゴリ:一般
- 発売日:2008/02/08
- 出版社: 角川SSコミュニケーションズ
- サイズ:21cm/173p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-8275-3082-7
紙の本
患者よ、もっとワガママになれ! 賢い患者の病院活用術 (角川SSC健康シリーズ)
患者が医療者に自分の気持ちを上手に伝え、医療者が「この患者のために頑張ってあげたい」と思えるような関係を築くには? 患者の目線で、満足できる治療を受けるために賢く病院とつ...
患者よ、もっとワガママになれ! 賢い患者の病院活用術 (角川SSC健康シリーズ)
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商品説明
患者が医療者に自分の気持ちを上手に伝え、医療者が「この患者のために頑張ってあげたい」と思えるような関係を築くには? 患者の目線で、満足できる治療を受けるために賢く病院とつきあう方法を教えます。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
平沢 永子
- 略歴
- 〈平沢永子〉東邦大学医療センター大森病院看護師を経て、医療コーディネーター。
〈秋元真由美〉『ナース専科』編集者を経て『毎日が発見』編集部で医療や介護の企画ページを担当。医療コーチング研究会事務局長。
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紙の本
タイトルほど過激ではありません。
2008/07/15 13:37
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安之助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、話題の“モンスターペイシェント(問題患者)”になることを勧める本ではない。ドクター(病院)の言うことをおとなしく聞いているのは、患者自身のためにはならないから、常識の範囲内でもっと積極的(ワガママ)になったらどうですかというのがテーマである。
例えば、テレビで見かけるようになったジェネリック薬品についてだが、「安い薬に替えてくれ」と考えるのは、財布の中身からも当然のリクエスト。直接、医者に口頭で伝えにくければ、「ジェネリック薬品お願いカード」がインターネットでダウンロードできるから、それを手渡せばいい。また、それ以上に申し出にくいのがセカンドオピニオンを取りたい場合。主治医と良い関係のままセカンドオピニオンを取る会話術が載っている。「先生のことを大変頼りにしていますが、セカンドオピニオンを取ってほかの先生の意見も聞いてみたいと思っています。納得したら、ぜひ先生に治療してもらいたいので、こちらに戻ってきてもよろしいですか」。このように治療は主治医にしてほしいと明確に話せば、こばむ医師は少ないという。
入院をするときには、救急で担ぎこまれたのでなければ、「治療計画書」や「クリニカルパス(クリティカルパス)」をもらい、目を通すことで、不安は軽減できる。「治療計画書」は読んで字の如く「入院の目的から、どんな治療をして、大体どのくらいの入院期間が予定されているか」を記した書類。「クリニカルパス」は、すべての病院が渡してくれるものではないが、「入院治療の計画書」一般には「医療の工程表」である。だから、「治療計画書」はマクロで見た計画書で「クリニカルパス」はもう少しミクロにしたもの。もちろん、“計画”だから狂うこともあるが、計画書を知ってさえいれば、看護師に的確に質問できる。
私立病院では差額ベッドのほうが多いことがある。最近では医療保険に加入している人が増えたから、差額ベッド代は保険でまかなえるかもしれないが、払わなくて済むに越したことはない。では、差額ベッド代は必ず払わなくてはならないのか。そんなことはない。「急患で今すぐ入院が必要なのに、大部屋がいっぱいで個室しか空きがない」「大部屋では治療用の機材が置けない」「治療上無菌室に入る必要がある」-これらは病院の都合なので、本来は差額ベッド代が請求できない。ところが、実際には「個室しか空いていません」と言われた患者の家族は、あせって「個室でもいいです」と請求の根拠を与えてしまう。差額ベッド代は、事前に患者側が承諾しない限り、払う必要がないのだ。
実は、7年ほど前に私の母が入院生活の果てに亡くなったときのことである。入院期間は4カ月ほど、最初は東大病院、ほぼ意識がなく酸素を吸入なので2人部屋だが、差額ベッド代を請求された記憶はない。後半は大蔵省(当時)印刷局付属病院、酸素吸入が不要になったので、4人部屋(差額ではない)、母も覚醒して会話もできたのだが、ろうそくの消える直前に明るくなるような形だったみたいで、1カ月ほどで亡くなった。
ここからが本題。危篤になったときに、師長(婦長)の判断で、ベッド(個室)を移された。それはそうだろう。ほかの患者は生きるために闘っているのに、母は死に瀕しているのだ。我々家族が連絡を受けてから、母は6時間ほどで亡くなったのだが、悲しんでいる暇はない。入院費の請求書を突き付けられた。その中身が問題であった。つまり、師長の判断で移した個室の差額ベッド代が計上されていたのである。わずか1日分だから、それほどうるさく言わなくてもとも思ったが、母の死で逆にテンションが上がってしまい、正論を吐くことになったのだ。結局、こちらの主張が通り、差額ベッド代は払わなくてよくなったのだが、もっと冷静に交渉すればと、悔いが残る。もしかしたら“クレイマー”と思われたかしら。