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- カテゴリ:小学生 中学生
- 発行年月:2008.2
- 出版社: 理論社
- サイズ:20cm/319p
- 利用対象:小学生 中学生
- ISBN:978-4-652-08618-6
紙の本
過去からの手紙 (ミステリーYA!)
著者 岸田 るり子 (作)
一週間の沖縄合宿から帰ってきた純一。久しぶりの我が家で待っていたのは、奇妙な置き手紙と、腐ってもいないのに捨てられたシチュー用の肉、そして、数日前から母親が家に帰っていな...
過去からの手紙 (ミステリーYA!)
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商品説明
一週間の沖縄合宿から帰ってきた純一。久しぶりの我が家で待っていたのは、奇妙な置き手紙と、腐ってもいないのに捨てられたシチュー用の肉、そして、数日前から母親が家に帰っていないという事実だった。ひとつひとつは取るに足らない、小さな違和感が積み重なっていく。それが不安に変わるころ、母が発見された。記憶を失って…。知れば知るほど不可解な母の行動と、増殖していく謎。美人だが、いつも一言多い幼なじみの静海の力を借りて、純一は母が失った空白の過去をたどる決意をする…。京都の町を自転車で駆けめぐる、個性豊かな高校生たちの活躍が楽しい、爽やかな青春ミステリー。【「BOOK」データベースの商品解説】
謎めいた置手紙を残して失踪した母。その裏に隠された驚愕の真実とは? 京都の町を自転車で駆けめぐる、個性豊かな高校生たちの活躍が楽しい、爽やかな青春ミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
岸田 るり子
- 略歴
- 〈岸田るり子〉1961年京都市生まれ。パリ第七大学理学部卒業。2004年に「密室の鎮魂歌」で鮎川哲也賞を受賞。著書に「出口のない部屋」「天使の眠り」など。
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紙の本
ありふれた話だから悪い、というのは短絡なんでしょうが、YAをバカにしちゃいけません。テーマ、ストーリー、キャラのどれをとってもフツー。これじゃあね
2008/06/17 20:07
6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、不満が多い理論社のシリーズ、ミステリーYA!今回も The Letter from the Past という英文のタイトルがついています。これって意味あるんでしょうか。ファッションじゃないなら、全文英語本を出版してみたら?なんていいたくなります。新潮社といい、理論社といい何を考えているのやら・・・
七字由布の装画のついたカバー折返しの案内は
一週間の沖縄合宿から帰ってきた純一。
久しぶりの我が家で待っていたのは、
奇妙な置き手紙と、
腐ってもいないのに捨てられたシチュー用の肉、
そして、数日前から母親が家に帰っていない
という事実だった。
ひとつひとつは取るに足らない、
小さな違和感が積み重なっていく。
それが不安に変わるころ、母が発見された。
記憶を失って・・・・・・。
知れば知るほど不可解な母の行動と、増殖していく謎。
美人だが、いつも一言多い幼なじみの静海の力を借りて、
純一は母が失った空白の過去をたどる決意をする・・・・・・。
京都の町を自動車で駆け巡る、
個性豊かな高校生たちの活躍が楽しい、
爽やかな青春ミステリー。
です。以下、登場人物を中心に内容紹介をしましょう。
主人公は16歳の香山純二、鴨川高校一年生で、料理クラブに所属しています。純二のあこがれの女性はシレン、彼の夢の中に登場する少女です。名前で分るように、彼には2歳年上の兄・純一がいますが、10年前、9歳の時に事故で亡くなっています。10月3日生まれの兄は、今でも幽霊となって弟たちの前に現れ、遠隔透視の能力を見せたりします。ただし、ジュンニイの姿は限られた人にだけ見えます。
失踪した母は玲子といいます。年齢は特定できませんが、40歳前後でしょう。未だに長男の死を受け容れられず、毎年、長男の誕生日がくれば好物のシチューを作ることを習慣にしています。その姿を見るのが嫌で夫は東京に単身赴任して家に寄り付かず、純二もそれを苦々しく思っていますが、そういった感情に気づくことはありません。長男の幽霊ジュンニイを見ることはできません。
純一の事故に関係しているのが叔父で34歳になる香山ミノルです。ミノルが本名なのかどうかは分りません。結婚して一ヶ月というミノルの奥さんが瑶子です。これまた旧姓や年齢は書かれていません。
純二と一緒になって玲子を探すことになるのが、純二の幼なじみで、高校の同級生・音輪静海です。同じ料理クラブ所属で、彼女はジュンニイを見ることができます。モクは、彼女の弟で性格はクール、正式名称「黙」だそうです。はっきりかかれていませんが中学生でしょう。二人の父親が崖、こと音輪幸太郎、有名な洋画家です。美男子でもあることからマスコミにも取り上げられますが、裕福ではありません。玲子の同級生で、いまだに彼女に憧れています。
静海と一緒になって玲子を捜すのを手伝うのが、二人と同じ高校で料理クラブに所属する上田貴之と花咲京子です。ちなみに貴之は京子に気があり、京子のほうは、父親が有名人という静海に憧れ、友だちになりたがっています。本気で純二のことを心配しているかというと、そうではなくて遊び感覚、そういうところはリアルです。
ミステリとしての出来は、並以下でしょう。では、青春小説としての出来は? これも、はっきり言って面白くありません。ありふれている、という一言で終ってしまいます。純二と静海という組み合わせがあまりに平凡なのと、狂言回し役の音輪幸太郎に魅力がありません。作者にとってはユーモアの積りでも、読む側は寒いばかり。
京都が舞台、といえば、現在人気沸騰中の森見登美彦や万城目学がいますが、彼我の差に愕然とするのではないでしょうか。このシリーズ、作家から見直す時期に差し掛かったのかな、そんな気がします。最後に目次を写しておきましょう。
CONTENTS
第 一 章 シチュー用の肉を捨てて母は消えた
第 二 章 崖とモク
第 三 章 幼なじみの呪縛
第 四 章 記憶は失われていた
第 五 章 探偵団結成
第 六 章 捨てられた肉の謎に迫る
第 七 章 〈べにろく〉での口論
第 八 章 記憶のピース
第 九 章 UFOか人魂か?
第 十 章 口論の原因
第十一章 肉を捨てた理由
第十二章 手紙の正体
第十三章 見落としていた真相
あとがき