紙の本
久しぶりに
2010/04/25 16:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こうじ・1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い作品を読ませてもらった。
人間(人生)の記憶を記録する。近未来SF。
実際はもう近くまで来ているのかもしれない。
最近でメジャーなものではマトリックスがこのような世界観を連想させられた。
果たして世の権力者や実権を握るような人々はその記憶を後世に残したがるのだろうか?
果たして人間はその記憶を全て記録されて生きていけるのだろうか?
今回はエクサバイト商檜がメインでストーリー展開されているが、このような場合
どこにそれを預けるかが重要になってくるのだろう。
表紙カバーも内容も素敵で考えさせられる一作でした。
紙の本
われわれの記憶は都合がいいもの
2008/10/04 15:42
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いけちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説は、非常に長く、退屈間のある小説である。しかし、すごくガツンとくる小説でもある。人の見たものを記憶できる装置である「ヴィジブルユニット」を中心に、映像技術と人の人生が浮く雑にからみあってくる。採集的には、ヴィジブルユニットの記録が、衝撃的な央児の母の事実を証明する。見たものを記憶できるのは、記録としては非常にいいものであるが、その分悪用されるおそれがあるが、何事にも事実であることが非常な手段である。われわれの日常が、いかに都合よく忘れがあるかということをすごく感じる。
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店頭で衝動買い。帯の「養老孟司さんと佐藤優さん絶賛」に惹かれ手に取る。最初のページに出てきた近未来のツールに星新一的な楽しさを感じて購入決定。
(2008年2月購入)
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2025年設定の近未来小説。人の一生の体験をあたかもヘッドセットカメラでずっと記録するかのようにデータ化する。そのエクサバイト級のファイルが全世界に溢れ、商売になって・・・というお話。「龍の契り」の時も設定にビックリしたんだけど、これは設定は面白いのだけどリアリティが・・・。
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エクサバイトっていうのはメガバイトとか、ギガとかの
単位のことらしく、ものすごおおく容量が「でかい」。
数年先のお話ですが、そこでは額や目の近くに
小さなカメラ(偽装化可能)を埋め込み、
生涯その人の人生の記録をとる、という・・
壮大なお話。肖像権や、企業間の機密事項、
犯罪や性癖まで、まあ様々な問題があり、
様々な対策法が考えられてた・・・・。
そしてもちろん、それを巡っての問題が。
妙にしっかりしてるようで、突き詰めたら
瓦解するのではなかろうかという
この世界観・設定が面白かった。
ラストはしっかり決着をつけて欲しかったな・・。
SFになるのかなあ?
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読み始めてすぐに三流SFの臭いがプンプンと…。読み終わってもその印象は変わらず、誰が正しくて誰が間違っていたのか、誰が勝って誰が負けたのか、さっぱりわからないお話しでした。「GMO」の服部真澄はどっか行っちゃったんでしょうか?いささか残念です。
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近未来のお話です。メモリ容量がすごく増えて、カメラとかのメカも小型化されて、個人の眼と連動した記録装置が出回っている世界のお話。現在ではそこまで技術は普及していませんが、監視カメラが増えてたり住基ネットだったり、個人情報漏洩だとか、いろいろ、ちょっと想像しただけで予想できそうな、そんな世界です。とても面白くてどんどんバンバン読んでしまいました。度肝を抜かれました。へぇぇへぇぇ、と思いながらずっと裏の裏をかかれる感じで、読んでいって、最後の最後にぎょえぇえええぇぇ、という、そういう仕掛けもあり、やっぱりこの作家さんは面白い、と改めて思いました。その最後の部分は、ちょっとアレでしたが、、、
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次世代メディア「ユニット」によって、一躍、時代の寵児となった映像プロデューサー。彼に持ちかけられた新ビジネスは、歴史を一変させてしまうような壮大なプロジェクトだった。だがそこには、恐るべき罠が待ち受けていた…。
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最近暇です。
暇で一日中時間があると思うと、かえって何もできません。
明日からはバイト→ガイダンス→飲み会→授業開始、ですが。
今日は大学のガイダンスがあったので外に出ました。
田園都市線がめちゃくちゃにこんでいて、筋トレかっていうようなきつい姿勢を強いられたおかげで腕が軽い筋肉痛ですw
そういう日は、読書ができるものです。
エクサバイト
作者: 服部真澄
出版社/メーカー: 角川書店
発売日: 2008/02
メディア: 単行本
うちのテーブルの上においてあったので
(といっても、日常的に10冊以上おいてありますがw)
読んでみました。軽い本しか読めませぬな。
近未来SF、と呼んでいいのでしょうか。
軸としている技術はありきたりな発想ともいえます。
人間の見たもの・聞いたものをすべて記録できたら・・・。
東さんのギートステイトに出てくるPSP(でしたっけw)をはじめこうしたアイデアというものは昔からあったのだと思います。
しかし、この物語のそれは、現代の技術の進歩、という現実の変化によって、現実味を増しています。
Gmailの容量が日に日に増していく。それは気持ち悪いことかもしれませんが、HDDが大容量化されさらに安価に小型化されていく現状を示しています。
「人間の見たもの・聞いたもののすべてを記録する」
「人間の想像できる事で、実現不可能なことはない」と誰かが言いましたが、まさにこれは現実の可能性として現出しつつあるといえるでしょう(まぁ、以下に小型化といっても、物語中にあるようなものになるためにはまだいくつかのブレイクスルーが必要でしょうが)。
そして、この技術をてこにして著者が描いているものは
「人間のエゴ」そのものであるように思います。
自らを表現するときの、虚飾。
時にそれは歴史すら書き換えます。
歴史の改変は、時に自己を形成するその記憶の改変という形をとります。
世の中に事実(実際に起こったこと)は存在するにしろ
それをとらえるのに多様なアスペクトが存在する(見方がいっぱい)
ゆえに真実なるものはありえない。
現代の文系はそういいます。
それでもなお、わたしたちは真実を求め続けます。
マスコミで偽の情報が流れればそれを叩きます。
「メディアリテラシー」なるものをかたるものは
表象を疑います。
それが、どれだけやっても真実に(論理的に)到達しえないにもかかわらず。そこにある「正義」はいったいどこからやってくるのか。
あるいはその行動の「意味」とは何なのか。
(真実を見抜きえないのに、見抜こうとするその行動になんの意味があるのか!!)
そうしたことを考えていかねばならないのだと思います。
そして、「��実」という言葉のかげには
「本当の自分」というもやもやとした言葉が見え隠れします。
自己の記憶を変え、他人にはそれぞれ向けに(キャラw)脚色した自分を見せ。「本当の自分」はどこに?
閑話休題。最後のほうの、胎児・アンチエイジング、などテーマとして拡散し続けていって収束し切れていないという点はどう評価するのか、分かれるところではあると思いますが、読みやすいです(1日かからず読めました)。暇な日が続いている方は読んでみてはいかがでしょう。
あ、装丁結構すきかもしれない。
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そりゃ、養老孟司も絶賛するわ。
こいつはおもしろい。
服部真澄の作品を初めて読んだし、おそらく今作が分類されるであろうSF小説を読んだのも初めてである。
SF小説という体をとってはいるけれど、単純に小説としてもおもしろいし、教訓本としての面も見せているし、今の世の中を批判的に描いてメッセージ性も強く、ビジネスに役立つことも書かれている気がする。
色んな角度から見ても、じゅうぶんに読む価値があると個人的には思います。
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舞台は近未来。実際に起こりそうな題材なのでネタや発想は面白かったのですが、こと小説として読んだらこれがあまり面白いとは思えない。
盛り上がりに欠けていた気がしました。
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「久々のSF作品懐かし エクサレベルで記憶を貯める」
発「今年はじめ 書評で発見 すごいと 待って待って ついに読めたんだ」
概「ヴィジブルユニット 見たもの聞いたもの全てを記録 誰が使う」
得「記録とは 何が正しく 何が間違いか 分からない 作れるから」
結「思い出す 学生時代のSF、未来、それは管理社会かも」
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いったい、この作家の頭はどうなっているんだろう、と思う。
この作家、作品こそ多くがないものの内容がかなり詰まっている。
企業、国家の陰謀術数を扱うのが得意な印象もある。
参考文献もそれほど多いわけじゃないところから考えると相当な取材、調査
に時間を費やしているのだろう。それが作品の少なさを物語っているのかも
しれない。
これまでの作品は『龍の契り』『鷲の驕り』『ディール・メイカー』『バカラ』
『エル・ドラド(元「GMO」)』と、どの作品をとってもスケールが
大きく、そのくせ、リアリティあふれる作品が多い。この人の作品を紹介する
のはかなり難しい。
今回の『エクサバイト』の舞台は2025年。
SFではないが近未来の世界を描写している。
現在から技術革新が進むとこんな世の中になることもありうるかという未来。
決して荒唐無稽な話ではないレベルの未来。
さて、あらすじ。
人間が小型のカメラを体(額)に装着し、自分の見聞きしたものをすべて記録
しようというブームが起こる。それほどまでに記録メディアは小さく発展した
のだ。さらにこのカメラ(ヴィジブルユニット)は小型化し体に埋め込まれる
ようになる。
主人公ナカジはそんな時代に活躍する映像プロデューサー。そのナカジに、エ
クサバイト商會のローレン・リナ・バーグ会長からコンタクトがある。
『エクサバイト商會』は、死者からこのヴィジブルユニットを回収し世界の歴
史を構築し記録しようと計画していたのだ。この新しいビジネスにナカジが引
き込まれていく。そんな中、ヴィジブルユニットの独占メーカーであるグラフ
ィコム社が世界史記録のビジネスに参入、強烈な横槍が入るのだが…
企業、政府のそしてそこに属する人達のそれぞれの思惑、権謀術数、欲望が
さまざまな形で渦巻き思いもかけないストーリが次から次へと織り成されてい
く。後半は話が飛躍しすぎの感も否めませんでしたがとてもスピード感のある
作品でした。
しかし、正直言って近未来を想像するのは難しいなぁ、と感じました。
荒唐無稽であってはいけないし、これまでの技術からの延長で実現していなく
てはならない。そういう意味では決して空想であってはいけない。いかにもあ
りそうな、実現しそうな。
この作家は近未来のビジネスモデルのひとつを立ち上げたといえるかもしれな
い。
ちなみに、
『エクサバイト』とは、データ量の大きさを意味する単位。
キロバイト→メガバイト→ギガバイト→テラバイト→ペタバイト→エクサバイト…
KB MB GB TB PB EB
というように続いていきます。この『→』ひとつで10の24乗(1024)倍。
今は通常ではせいぜいギガバイト単位ですかね。耳にするのは。
コンピュータ業界ではそろそろテラ、ペタも聞こえてきましたが。
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題名のエクサバイトとは情報の単位、
1エクサバイトは100万テラバイト(10億ギガバイト)といわれてもぴんときませんが、とにかく膨大な情報量だということくらいはわかります。
時は近未来、ヴィジブル・ユニットという小型化された記録端末が開発され、眉間や目元などに装着される。
そしてその人の視線の先の画像と音声をすべて記録し体内に埋め込まれた端末に人の一生をまるごと記録する事が可能になる。
その膨大な記録を集積することによって新たなビジネスチャンスが生まれる・・・・という内容です。
世界中でたくさんの人々がブログを開設して日記をつづっています。
個人情報がきびしく制限される一方で、逆に個人の記録、たとえば読書傾向、趣味、家族構成等を公にさらしているわけです。
そんな時代なればこそ、この小説のような事が起こっても不思議ではないとかなりリアルに感じました。
途中まではかなりおもしろかったのですが、アンチエイジングの部分はちょっと無理があるように思いました、終わり方がちょっと不満かな〜。
辛口な感想になりましたが服部真澄さんの本はどれもおもしろいです。
イギリスの香港返還を題材にした「龍の契り」
世界的な特許戦争を題材にした「鷲の驕り」
企業買収、著作権等を題材にした「ディールメーカー」
ギャンブルや賭博場を題材にした「バカラ」
遺伝子組み換えの作物を題材にした「GMO」
タイムリーな社会性、時代性を取り込んだ服部真澄さんの、骨太な国際推理小説はお勧めです。
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人は体に大容量の装置を埋め込み自分の見聞きしたもの、しいては人生そのものを記録できるようになった時代の話
スケールがデカいなぁ〜と展開に期待したのですが、急に母親の話が絡むとこから私の期待とは違う方向にいってしまいました
そんなわけでちょっと残念
また話では記憶と装置の記録がごっちゃになっているのか嫌な記憶も消去できると言っていたようと思うのですが、ただ装置の記録を消しても記憶は残るような…
とかなんとか設定がデカイからか、んんん??
と思ってしまうシーンがあったりして
氏の他の同系作品に比べるとちょっと弱いすね
偉そうですんません
でも他の作品はもっと緻密なんですよね