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フリーペーパーの衝撃 (集英社新書)
著者 稲垣 太郎 (著)
フリーペーパーは、有料を前提とした既存の新聞・雑誌を脅かす存在なのか。あるいはデジタルメディアに対抗する紙媒体の救世主なのか。新しいビジネスモデルとしても注目を集めるフリ...
フリーペーパーの衝撃 (集英社新書)
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商品説明
フリーペーパーは、有料を前提とした既存の新聞・雑誌を脅かす存在なのか。あるいはデジタルメディアに対抗する紙媒体の救世主なのか。新しいビジネスモデルとしても注目を集めるフリーペーパーの知られざる実像に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
稲垣 太郎
- 略歴
- 〈稲垣太郎〉1955年東京生まれ。早大大学院社会科学研究科修士課程で現代メディア論専攻。朝日新聞社総合研究本部などを経て、デジタルメディア本部勤務。早大メディア文化研究所客員研究員。
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急速に伸長と発展を遂げるフリーペーパーを概観できる書
2008/03/30 07:44
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
都内の地下鉄の駅などで手にする機会が多くなってきた無料紙/誌の現状を追った新書版のルポ。著者は朝日新聞の記者で早大メディア文化研究所客員研究員という人物です。
読者から購読料金をとらず、広告のみで成立する紙媒体の存在を知ったのはニューヨーク旅行中にヴィレッジ・ヴォイスを手にした時です。NYタイムズやTIME OUTといった新聞雑誌をわざわざ買わずとも旅行中に最低限必要なエンタメ情報を得ることができて重宝したものですが、同じようなものがなぜ日本にないのかと長年思っていました。
その理由のすべてではないにしても、一端として本書に書かれているのは、既存の紙媒体による激しい抵抗の存在です。
首都圏で2002年に創刊されたあるフリーペーパーはスタート時、「大手紙幹部と名乗る男」から「日本で日刊無料紙発行などもってのほかだ」と怒鳴りつけてくる電話がかかってきたとあります。また名乗らぬ別の者からは「電車のホームでは気をつけろ」「女房子どもを実家に帰したか」という脅迫電話があったとも。なんとも生々しいエピソードですが、こうした言論封殺に屈することのない強靭な精神力がないと、フリーペーパーを発行するフリーダム(自由)を行使できないという社会のあり方に寒いものを感じます。
フリーペーパーのひとつの可能性として、活字離れといわれて久しい若者層の読者を獲得し、やがて既存の活字メディアへ彼らを回帰させる道筋をつけられるかもしれないという見方が紹介されています。
同時に、スペインのフリーペーパー事情を語った箇所では、その主要読者層は経済的には決して豊かではない人々であることを指摘しています。こうした層に無料紙が浸透する事例を挙げて著者はインドや中国といった、経済成長が今後見込まれる国々でフリーペーパーが広がる可能性を予測しています。
この二点については注目してみたいと感じました。