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商品説明
犯人当て、安楽椅子探偵、日常の謎、バカミス…ミステリでお馴染みの七つの「お題」を解くのはマッドサイエンティストに記憶障害の探偵、超天才殺人者!一筋縄ではいかない狂った事件、犯人、探偵を巧緻な論理で寄せ木細工のように組み上げた、叙述トリックの名手としても知られる鬼才の真骨頂。精密な論理が、そこはかとない黒い笑いを構築する待望のミステリ連作集。【「BOOK」データベースの商品解説】
犯人当て、安楽椅子探偵、日常の謎、バカミス…。ミステリでお馴染みの7つの「お題」を解くのは、マッドサイエンティストに記憶障害の探偵、超天才殺人者! 精密な論理が、そこはかとない黒い笑いを構築するミステリ連作集。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
大きな森の小さな密室 | 5−38 | |
---|---|---|
氷橋 | 39−77 | |
自らの伝言 | 79−119 |
著者紹介
小林 泰三
- 略歴
- 〈小林泰三〉1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。「玩具修理者」で日本ホラー小説大賞短編賞、「海を見る人」でSFマガジン読者賞国内部門を受賞。ほかの著書に「密室・殺人」「肉食屋敷」など。
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紙の本
コメディミステリ
2008/08/09 22:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヨルムルガング - この投稿者のレビュー一覧を見る
本当にこんなに笑ったミステリは初めてです。
登場人物同士のたあいのない会話ですら、何度声を上げて笑ったことかw。
コメディミステリという新たなジャンルを確立できますね。
面白い話は好きだけど、ミステリみたいなシリアスなのはどうも...という方でもまず読んでみて。マンガ本感覚で読めると思いますよ(笑)。
しかしこの短編集で一番面白いのは、同じ登場人物が他の話にも出てくることでしょう。
これらの人物たちは著者の別の作品にも登場しており、知っている人ならばつい、キター!と心の中で叫んでしまうでしょうw。
良い意味で「世界は狭いな~」と感じ、まるで連作短編集を読んでいる様な気になります。
SF短編集「海を見る人」とはまた違った意味で、短編同士の世界観のつながりを感じます。やはり小林泰三は短編の名手ですね。
あと、これは過去の著者の作品を読んだ人限定になるのですが、
最後の方に登場人物の紹介がありますが、自分はここに載っている人以外にもう1人、別の作品に出てきた登場人物らしき人を見つけました。
あまり言うとネタバレなんで、イニシャルだけいうとI.Sです。
皆さんは見つけられました?
紙の本
バラエティに富んだミステリ集で、オーソドックスで平均的なものから傑作まで揃っています。どれがベストかは判断に任せますが、傑作集に選ばれた作品は流石です。
2008/07/14 21:03
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
95年「玩具修理者」の日本ホラー小説大賞短編賞から読み始めた作家なのでホラー小説作家という頭がありますが、なかなかどうしてミステリ作家としてもトップクラスの一人だなと感心した次第です。この作品集は、あえてテーマ別に書かれたのかもしれませんが、安易なシリーズものに流れないのが、今どきの作家とは違って、骨太という感じを与えます。
クレストブックが先鞭をつけた形になった46版のフランス装ですが、この創元クライム・クラブといい理論社のミステリーYA!といい、大変上手にこなしていて、紙質がいいこともあって、私好みの一冊になっています。そんなブックデザインは緒方修一、色使いが面白いイラストレーションは丹地陽子。
カバー折返し
犯人当て、安楽椅子探偵、日常の謎、バカミス・・・・・・
ミステリでお馴染みの七つの「お題」を解くのは
マッドサイエンティストに記憶障害の探偵、超天才殺人者!
一筋縄ではいかない狂った事件、犯人、探偵を
巧緻な論理で寄せ木細工のように組み上げた、
叙述トリックの名手としても知られる鬼才の真骨頂。
精密な論理が、そこはかとない黒い笑いを構築する
待望のミステリ連作集。
目次にしたがって各話の初出と簡単な内容紹介をしましょう。
「大きな森の小さな密室」(ミステリーズ!vol.3,4 2003年12月、04年3月):(犯人当て)金貸しの蓮井錬治の別荘に集まった五人の男女、彼らの目の前で起きた密室殺人・・・
「氷橋」(ミステリーズ!vol.13 2005年10月):(倒叙ミステリ)売れっ子作家・二ノ宮里香美を殺した乙田三郎太が死体をいれたバスタブに架けたのは・・・
「自らの伝言」(ミステリーズ!vol.15 2006年2月):(安楽椅子探偵)コンビニで働く睦月早苗は同僚・新藤礼都が苦手。仕事の正確さが驚異的な彼女は、他人の愚かさが許せない。今日も使い捨てケータイのことで菜穂子と話していると・・・
「更新世の殺人」(ミステリーズ!vol.17 2006年6月):(バカミス)探偵Σのもとに駆け込んできた警部は、150万年前におきた殺人事件を解決してくれと言い出して・・・
「正直者の逆説」(ミステリーズ!vol.19,21 2006年10月、07年2月):(??ミステリ)探偵経験ゼロ、論文の捏造や他人の手柄を我が物とすることにも全く躊躇わない丸鋸先生から探偵助手を命じられた私が向うのは山奥の別荘・・・
「遺体の代弁者」(ミステリーズ!vol.23 2007年6月):(SFミステリ)殺人事件の解決の為に、無断で体を改造されてしまったわたし、被害者の海馬を移植され犯人のことを証言させられるが・・・
「路上に放置されたパン屑の研究」(ミステリーズ!vol.3,4 2003年12月、04年3月):(日常の謎)探偵と間違われた田村二吉への岡崎徳三郎からの依頼は、毎回同じ場所に落ちているパン屑の謎を解くこと・・・
どれも肯ける話ですが、個人的には他の選集で読んだことのある「大きな森の小さな密室」、頭のいい同僚が魅力的な「自らの伝言」、なんだか筒井康隆の新作を読んでいるような気持ちにさせられる「路上に放置されたパン屑の研究」が好きです。論理的であることもですが、その謎解きがこれみよがしでないところが、今どきのミステリと異なっていていい。ホラーより私は小林のミステリを評価します。