投稿元:
レビューを見る
▼既読が多いけど、あんまりセレクトが神なので、値段もろくに見ずにレジへ。結構するね(涙)。▼装丁がいいのよね。このすばらしいポケットサイズにぞっこん。▼短編の順番も褒めたい! プロローグ(白昼夢・火星の運河)→ミステリーパート(二銭銅貨・心理試験・屋根裏等)→狂人パート(人間椅子・鏡地獄・押し絵等)→ラブパート(ホモもあるよ)→エッセイパート→推理小説の書き方パート――と、後ろになるにつれて段々コア……という、編集のお手本みたいな素晴らしいプログラム。▼欲を言うなら『芋虫』と『蟲』が欲しかった……けれど、この品のいいセレクトの中だと、ちょっとギトギトして浮くかもしれない。ま、乱歩にハマった人は遅かれ早かれ『芋虫』『蟲』を読むことになるんだし。ミステリーパートに『D坂』が入ってないのも、何やら恣意的だと思う。▼ピリっと辛い短編集でした。他のちくま日本文学シリーズも、こういうふうだといいんだけど。(08/2/2読了)
投稿元:
レビューを見る
「猟奇とあやかしの果てまで行ってみよう」
という帯の文句が最高です。素晴らしい。
かの有名な江戸川乱歩の著作を並べてみた感じ。
かといって、乱歩入門編とするには、あまりにも深い…
戦慄の走る話、気味の悪い余韻が残る話…この気持ち悪さがクセになるんですよねェ。
とにかく乱歩のよさが詰まってると思います。
ただ乱歩のおもしろい作品のみを収録するのではないところに感服しました。
なので、一通り乱歩をマスターしてから読むことを勧めます。
そのほうが楽しめるはず!!
投稿元:
レビューを見る
とってもオイシイ一冊でした。明智小五郎と怪人二十面相と少年探偵団なイメージを、まず最初の「白昼夢」「火星の運河」で一旦払拭。あーこの人それ以外にもこんなのあるんだ、と思わせてくれます。そして「二銭銅貨」〜「屋根裏の散歩者」で乱歩ミステリにグッとくる。続く「人間椅子」「鏡地獄」はこの本の中の二大ヘンタイ巨頭!(笑)
ここまでですっかり乱歩先生を崇め奉るテンションになったところで、「押絵と旅する男」〜「恋と神様」の不思議な恋愛物語三篇にニヤニヤ。
あとは「乱歩打ち明け話」〜「探偵小説の謎」で乱歩先生ご自身の内面を覗かせて頂けます。(一部ホモホモしています)
要するに「妄想世界では誰もが神様」を「幻影の城主」と格調高く表現した乱歩先生尊敬します。「乱歩先生その気持ち分かります!」と心の中で叫ぶ人も多いのでは。いやあ、こんな大家にそういうことを書いて頂けると、妙にうれしいですねぇ(笑)
投稿元:
レビューを見る
初めての乱歩。
すごい!面白いというか、不気味というか。ゾクゾクするのが気持ちいいなんて!
他の話も、どんどん読み漁りたいと思います。
投稿元:
レビューを見る
オチがえげつない、と笑いながら読める。
夢物語に近くて「押絵と旅する男」
この時代の人間関係の闇を「幻」で描き、楽しませられる才能が羨ましいー
投稿元:
レビューを見る
十何年ぶりかで読み返す。「押し絵と旅する男」は秀逸。「乱歩打ち明け話」で同性愛経験をカムアウト。この時代の作家はみなやってた。次は「孤島の鬼」を読まねばならない。
投稿元:
レビューを見る
映画を先に見たのはいけなかった。
まあ思った以上に変態的で安心したんだけど…
短編全部おもしろかった。
あと、「防空壕」で不意に何かに目覚めた。
投稿元:
レビューを見る
繰り返すようですがちくま日本文学シリーズは装丁と編集がズバ抜けて良い。
本作収録作品もウマイと思わせるチョイス。
『人間椅子』は一度読めばそう簡単には忘れないでしょう。
印象強い作品が書ける、というのも乱歩の強みの一つだと思います。
もっとも、作家はみなそうでなくてはいけないのでしょうけど……。
投稿元:
レビューを見る
「押絵と旅する男」が載っているからという理由で教科書を選定したうちの高校の国語教師ってある意味すごい人だったのかもしれない・・・。
人間椅子を読んで、触感を書くってこういうことかぁと思った。気持ち悪いほど執拗な描写だけど下品じゃない。そこが好き。なんか癖になる。
投稿元:
レビューを見る
「江戸川乱歩すげーよ、なにこの人」って思って読み漁るきっかけとなった一冊。この表紙、最高。学校の図書館に絶対置いておいてほしい。
投稿元:
レビューを見る
最初の作品、白昼夢が一番好き
読みながらもしかして…という嫌な予感とどうなるんだ、って好奇心がせめぎあう
謎が解かれる事はなく、現実なのか夢なのかもはっきりとされ無い終わり方はいい意味で後味が悪く後を引く
押絵と旅する男も似たような怪奇短編
あえていうならば、芋虫をいれて欲しかった
エログロは排除されたのかな?
投稿元:
レビューを見る
この間友人が江戸川乱歩のことを「二次元カルチャーを先取りし過ぎた」と評していたのだけど、確かに言い得て妙。そして、そんな作品が20世紀前半に大衆文化として定着してきた事実は現代の総オタク社会を予見していたのかと考えて暫し小考、頭を抱えたくなる気分に。
さておき。作者のエゴというものを全く感じさせない、純粋なまでに読み手を楽しませる為に描かれた作品群も良いのだが、個人的に興味を引かれたのはむしろ乱歩が自分自身について語ったエッセイの方。曰く、幼少期から口数も少なくロビンソンの様な孤独に憧れ、現実社会の事件には嘔吐しか感じられずただ自分の世界にしか興味のない幻影の城主の様なものだとか。…つまり、ヒッキー?
何にせよ、薄情にされたり無愛想にされたりすることに人一倍敏感なくせに、気にしてない様な無表情を貫きつつも内心激しい現実嫌悪を感じている屈折した少年時代を過ごしていたって、こんな風に時代を超えて多くの人を楽しませる事だってできる。自分の世界にしか興味がなくったって、それを突き詰めれば文化になる。人生って、どんな風に転ぶかわかんないものだしね。
投稿元:
レビューを見る
途中まで読んで投げてしまった。ただこれは手放さない。作品は江戸川乱歩といえば!といったものばかりだと思う。「心理試験」を読んだ時、古畑任三郎みたいだな~とか思ったけれど、そりゃ「みたい」じゃなくて、こっちがオリジナルなんだろ!と一人ツッコミをしてしまった。
投稿元:
レビューを見る
半分は短編のミステリー小説、残り半分はエッセイのような構成だった。江戸川乱歩を読んだのは初めてだったが、面白い。奇想天外なトリックは今でも十二分に通用しそうだし、読んでいてそわそわドキドキするのがいい。江戸川乱歩がどのような人物であったのかがそのエッセイから垣間見る事が出来たのが一番楽しかった。これからも色々読んでトリックを破ってみたいと思った。
投稿元:
レビューを見る
読み切る前に図書館の返却期限が来てしまったので、時間切れです…。
短編集だからと、ちょこちょこ読んでて、並行して別の長編小説を読み始めちゃったのが敗因ですね…。
もともとビブリア古書堂のシリーズ4で江戸川乱歩が題材だったのを受けて、手に取ったものです。
ビブリア古書堂に出てきた「二銭銅貨」と「人間椅子」、「押絵と旅する男」の3作が載ってるし、文庫でいろいろな短編が載ってるのが良さそうということで借りました。
古典作品にあまり手を出さないので、これが初乱歩だったかも。
私の好みの作風ではないのですが、嫌悪感を催すほどでもないし、お話としては面白かったです。
時代背景は古いですが、内容だけ見ると全然現代でも色あせない感じですね。
少年探偵団が出てくる話はなかったのですが、そのような話だとちょっと雰囲気も違うのかな?
昔「悪魔人形」が家にあったのに、表紙が怖くて読まなかったのが、悔やまれます(苦笑)。