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紙の本
民主党の研究 (平凡社新書)
著者 塩田 潮 (著)
突然の小沢代表辞意表明、そして撤回…。民主党の迷走はいつまで続くのか。この党の本質は何か。果たして政権を担えるのか。キーパーソンの声を拾い、その問いに答える。人物の動きか...
民主党の研究 (平凡社新書)
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商品説明
突然の小沢代表辞意表明、そして撤回…。民主党の迷走はいつまで続くのか。この党の本質は何か。果たして政権を担えるのか。キーパーソンの声を拾い、その問いに答える。人物の動きから民主党の本質に迫った内幕ドキュメント。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
塩田 潮
- 略歴
- 〈塩田潮〉1946年高知県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。ノンフィクション作家。「霞が関が震えた日」で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。他の著書に「危機の政権」など。
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民主党の成長は日本の政治において大いなる失敗であった
2008/01/22 05:04
14人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
設立当初、「ソフトクリームのよう」と揶揄された民主党であったが、簡単に溶けることもなく設立から10年以上経つ。
それどころか、今や「二大政党」の一角として自民党と肩を並べるまでに増大した。昨年からは参議院において第一党として参議院議長も輩出した。
民主党の誕生、及び成長の過程は、わが国の政治史において一種、大きな実験であった。
1955年以来、絶対的な多数を占める自民党により、事実上一党独裁政治が続いてきた。その間に自民党が各界にちらつかせた許認可権限や、各界にふりまいた利権により、様々な業種、様々な階層にまで自民党は浸透した。この党に対抗しうる党を育てることはできるのか、わが国に二大政党制はなじむのか。
しかし、民主党の育ち方は誤りであったと思う。
数の上での「二大政党」に執着するあまり、あまりにも無節操に人を取り込みすぎた。理念も思想も関係なく、来るもの拒まずで取り込んだ。
その結果が、現在の「ごった煮政党」。民主党という党全体を貫く共通因子といったものは何も感じられない。
民主党の最大の転換点は、なんと言っても小沢一郎自由党の取り込みであった。もともとの民主党発祥の基礎となった「さきがけ」とは明らかに対極にある小沢一郎に頼らざるを得なかった。
もし、小沢一郎を加えることがなかったら民主党はどうなっていたであろう。本当にソフトクリームのように溶けて消えていたか、あるいは鳩山の財力と菅の個人人気のみに支えられた弱小政党としてかすかに生きながらえていたか。いずれにしても現在の「二大政党制」は無い。
現在の民主党はとても危険な政党になってしまった。二大政党制を言いながら、本気で徹底的に自民党に対立する気なんてさらさら無い。すきあらば自民党に刷りより、手っ取り早く権力に加わろうとする。権力欲むき出しの理念無き政党に成り下がってしまった。いつまた自民党との大連立。大政翼賛会の復活が、民主党の決断でなされてもおかしくない状態となった。民主党提出の新テロ特措法対案も、自民党は“わざと”継続審議扱いとした。今後の政局運営に役立てることにした。すでに自民党の補完勢力になりつつある民主党。われわれは大きな注意を払って、この「危険物」を監視する必要がある。
今の日本の政治には、「明確な対立軸」が求まれる。政治家個人個人の主義主張をもとにした政界大再編を必要とする。
しかし、それも、無理か。自身の主義・理念より権力欲を優先させる国会議員が多すぎる。この人たちでは、いくら政界再編があろうとも、また別な「ごった煮」が、いくつもあらわれるだけ。それは、なんの取り合わせも調和も考慮されていない、ものすごく“まずい”ごった煮であろう。