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紙の本
国語審議会 迷走の60年 (講談社現代新書)
著者 安田 敏朗 (著)
「正しく、美しい」国語をめぐるドタバタ劇は敗戦から始まった。敗戦後の言語政策の根底にある国語観を、国語審議会での議論を軸に概観。みんなが従うべき規範をどこに求めるのか。面...
国語審議会 迷走の60年 (講談社現代新書)
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商品説明
「正しく、美しい」国語をめぐるドタバタ劇は敗戦から始まった。敗戦後の言語政策の根底にある国語観を、国語審議会での議論を軸に概観。みんなが従うべき規範をどこに求めるのか。面白くて哀しい、もうひとつの戦後史。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
安田 敏朗
- 略歴
- 〈安田敏朗〉1968年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程学位取得修了。博士(学術)。一橋大学大学院言語社会研究科教員。著書に「日本語学は科学か」「辞書の政治学」など。
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紙の本
「国語」が自由であるために
2009/02/02 17:19
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、タイトルに掲げられたように「国語審議会」について書かれた本には違いない。ただし、筆者自ら述べているように、「国語審議会」は必ずしもよく知られたものではないし、我々の日常に身近なものでもない。だから、そういう本だと思って素通りしてしまいがちであろう。だが、その審議会が議論してきたのは、他ならぬこの「国語(日本語)」なのである。そうなれば、一挙に問題は身近なものになるはずだ。このレビュー自体、日本語で書かれているのだし、これを読む人(読める人)は日本語を理解している人であるのだから。
とはいうものの、一方で、「国語(日本語)」はここしばらくブームであるとも言える。サイトウ某の本は相変わらず売れているようだし、水村美苗さんの本が話題になったのは記憶に新しい。研究としても、ナショナリズムとの関連をめぐって、90年代に入ってから、すぐれた成果がいくつもあらわれてきている。そこに、流行語や若者言葉、また、それらへの様々な反応はメディアを介して広く流通しているといっていいだろう。ワープロから携帯電話へというテクノロジーの展開に応じて、機械上での文字表記なども、昨今の「国語(日本語)」をめぐる、ごくごく身近な話題といってよいし、他方、地方見直しの大きな流れの中で、「方言」への注目も高まっている。
このようにみてくると、「国語(日本語)」をめぐっては、実にさまざまな興味から、それぞれのテーマ・領域で、盛んに議論が闘わされているようにうつりもする。ただ、ここで立ち止まって考えてみなければならないのは、その1つ1つは、本当に自由か? という自明視された足元に広がる根源的な問いである。そして、本書を読むことの意義は、私たちが日々の暮らしで日常の実用として用いている「国語(日本語)」が、いかに不自然で、作為的に形作られてきたものであるかを気づかせてくれる点に、まず求められよう。もちろん、そうしたことごとに気づかずに生きていくこともできる。それでも、知らないよりは知っていた方がいいことには違いないし、知ることで、「不自由」という自覚の元に、「自由」な「国語(日本語)」について考え、構想していくことが可能になるはずだ。本書「はじめに」の言葉を借りておくならば、──「ことばは、政策的に管理されてはならない」「さまざまな日本語が存在することを、混沌や混乱などとみなさないこと」、ここに本書の主張があり、その重要性を、必要性とともに解き明かしたものこそ、本書『国語審議会』なのだ。必読書というのは、おそらくこういう本をいうのであろう。
紙の本
批判的です。
2017/03/16 20:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:igashy - この投稿者のレビュー一覧を見る
テーマのせいか、これまで読んだこの方の2冊よりかなり感情的(新書だからかも)。前半は国語審議会の概観史。後半は、現在の国語審議会が特に敬語に対してとっている態度についての批判。「規範なら規範とはっきり言え、国民が自発的に公共心から協力しているような一見心地よい、おためごかしの態度はやめろ」ということらしい(読み間違っていたらすみません)。
中に国語分科会委員の齋藤孝氏について強烈に批判している部分。「商才たけた齋藤に一貫性を求めてはならないが」って。私は読んだことないので尻馬に乗ることは避けますが、『声にだして読みたい方言』で<それぞれの土地の風土において作り上げられてきた身体の感覚が言葉の中にしっかりと刻み込まれているのだ>かーらーの『金色夜叉(沖縄弁:ウチナーグチ)』朗読収録という流れは笑った。