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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.10
- 出版社: 東京創元社
- レーベル: ミステリ・フロンティア
- サイズ:20cm/286p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-488-01744-6
紙の本
人形の部屋 (ミステリ・フロンティア)
著者 門井 慶喜 (著)
「じつはフランス製じゃないんだ、フランス人形は」「そうなの?」ある春の日、八駒家に持ち込まれたプラスチックの箱の中身は「冬の室内」といった趣の舞台装置と、その右のほうで行...
人形の部屋 (ミステリ・フロンティア)
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商品説明
「じつはフランス製じゃないんだ、フランス人形は」「そうなの?」ある春の日、八駒家に持ち込まれたプラスチックの箱の中身は「冬の室内」といった趣の舞台装置と、その右のほうで行儀よく椅子に腰かけている少女の人形。子供らしい快活を示すように、ひょいと天を向けた少女の右足のつま先は—こなごなになっていた。破損の責任を押しつけられそうな敬典の姿を見て、娘のつばめは憤慨するが、敬典は不思議と落ち着いていて…。きっかけは小さな謎でも、それらは八駒家の食卓の上で壮大なペダントリに発展する。『天才たちの値段』で鮮烈な印象を与えた新鋭が贈る、あたたかなタッチで描かれた愉しい連作。【「BOOK」データベースの商品解説】
八駒家に持ち込まれたプラスチックの箱の中身は、舞台装置と少女の人形。しかし少女の左足のつま先は粉々になっていた…。きっかけは小さな謎でも、それは八駒家の食卓の上で壮大なペダントリに発展する。父娘の謎解き連作集。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
人形の部屋 | 5−79 | |
---|---|---|
外泊1−銀座のビスマルク | 81−107 | |
お花当番 | 109−186 |
著者紹介
門井 慶喜
- 略歴
- 〈門井慶喜〉1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒。2003年、短編「キッドナッパーズ」で第42回オール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。著書に「天才たちの値段」がある。
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紙の本
静かな生活に持ち込まれる美のミステリー
2008/02/20 17:25
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
連作短編のミステリーですが、
珠玉の短編集といってもいいくらい雰囲気のある作品。
主夫の八駒敬典(やこまたかのり)は
家事をこなしながら中学生の娘つばめ
仕事の忙しい妻と埼玉県の住宅地で暮らす。
おしゃれで静かな生活に突然、
19世紀のフランス人形(「人形の部屋」)が
トラブルとともに持ち込まれます。
隣の家に引っ越してきた夫婦は訳ありで
敬典に敵意を見せる(「お花当番」)。
中三になった娘はボーイフレンドと駆け落ち(「お子様ランチで晩酌を」)。
特に「お花当番」が心に痛い。
傷つけようとしているわけではなく
それでも人を傷つけてしまう。
しかし、傷つけたと思った人のメールを読み解けば
そこには冷静な答えが書いてあるだけでした。
しかも、そこに至るまでの転々とする「解」がうまい。
また1年に一度の二日間の休みにまで
敬典はなぞ解きをする羽目になる(「外泊1 銀座のビスマルク」
「外泊2 夢見る人の奈良」)。
家事も頭の回転も性格も完璧な敬典ですが
嫌味にならないのは娘のつばめが
父親をなにかと試そうとするから。
親離れしたがる娘と子離れできない父親の
物語としても堪能できます。