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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.10
- 出版社: 東京創元社
- レーベル: ミステリ・フロンティア
- サイズ:20cm/300p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-488-01745-3
紙の本
夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア)
著者 海堂 尊 (著)
首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ一億円。その名も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金をはめ込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそり置かれている...
夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア)
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商品説明
首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ一億円。その名も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金をはめ込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそり置かれているだけとなった—はずだった。が、ある日を境にトラブル招聘体質の男・平沼平介の日常を一変させる厄介の種へと変貌する。八年ぶりに現れた悪友が言い放つ。「久しぶり。ところでお前、一億円欲しくない?」かくして黄金地球儀奪取作戦が始動する。二転三転四転する計画、知らぬ間に迫りくる危機。平介は相次ぐ難局を乗り越え、黄金を手にすることができるのか。『チーム・バチスタの栄光』の俊英が放つ、抱腹絶倒のジェットコースター・ノベル。【「BOOK」データベースの商品解説】
8年ぶりに現れた非常識な友人の一言が、トラブルの始まりだった! 町工場の技術と頭脳を駆使した華麗なる黄金奪取作戦。曲者たちが繰り広げるゲームは二転三転、驚愕の展開へ−。抱腹絶倒のジェットコースター・ノベル。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
海堂 尊
- 略歴
- 〈海堂尊〉1961年千葉県生まれ。「チーム・バチスタの栄光」で第4回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。他の著書に「ナイチンゲールの沈黙」「螺鈿迷宮」など。
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紙の本
君子って嫌いだなあ、それならアイのほうが素敵。なんでこんな人と結婚したんだろう、平介・・・
2008/03/10 20:18
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
海堂尊が好きでこの本を手にした人は、なんだかどこかで見たような、と思うのではないでしょうか。ヒントはプロローグにあります。そのタイトルが「プロローグのタイトルが「黄金地球儀は深海の夢を見る 一九八八年のある日」です。一九八八?勿論、この本に先立って出版された海堂の本『ブラックペアン1988』ですよね。確かにあるんですよ、「黄金地球儀」っていう言葉が。
閑話休題。ミステリ・フロンティアの一冊ですが、仮フランス装というのがいいです。ま、ここで「仮」という文字を見てしまえば、じゃあ「仮」のないフランス装があるのだろうし、そうだとすれば何故、今回の本が「仮」の装丁で出されたのかという当然の疑問に繋がっていくわけですよ、まったく意味のない話ですが。
なぜ、こんなにも素晴らしい装丁を、あえて出版社は「仮フランス装」と名づけたんでしょうか。新潮社の似たようなデザインのクレストブックはそんな呼び方していない気がするのですが。でも、佐久間真人のカバーイラストは線に勢いがあって好きです。全体の色合いも若々しくていい。そんなブックデザインはWONDER WORKZ。・・・
主人公はトラブル招聘体質の男・平沼平介、平沼鉄工所の営業部長で臨時工員です。30代前半で、鉄工所社長豪介の息子でもあります。結婚していて、妻の君子は同じ鉄工所の経理課長。で、二人が勤める平沼鉄工所のウリというのが、平介の父親で天才発明家でもある豪介が生み出した有人潜水艦「深海七千」などです。
ただし、この鉄工所、売り上げはともかく社員数でいえば零細企業で、特に経営陣のビジネスセンスはゼロに近いといえます。その筆頭がお人よしの営業担当・平介です。ま、発明に天文を見せる社長のほうも、いざ契約となると甘い甘い。自社に不利なものでもさっさと結んでしまいます。
それが桜宮市水族館と結んだ黄金地球儀をめぐる警備契約です。本来必要のない警備保障の契約が紛れ込ませてあっただけではなく、時価1.5億とも言われる地球儀が盗まれた時は、それを全額補償しなければならないという無茶苦茶なもので、それを仕組んだのは、どうも市の管財課の連中らしい。
そんなことに平介が気づいた時、久しぶりに現れた友人ガラスのジョーが言い出したのが桜宮水族館深海館に無防備に展示されているその黄金の地球儀を盗むこと。手に入れれば濡れ手に粟の1.5億円。でも、成功すれば平介の会社がそれを補償しなければいけないというバカバカしい設定。重さ80キロはあるといわれる地球儀をめぐって・・・
個人的には、平介の依頼を受ける4Sエージェンシーの連中(牧村瑞人、浜田小夜)と、妻帯者である平介に思いを寄せる女バーテンダーの殿村アイが好きです。アイは君子の同級生で、彼女のことを君子は嫌っている、それでも気にせず平介にアタックする潔さがいいです。そのせいか、君子の存在感が希薄。正直、存在の意味がわかりません。
お話は面白いのですが、コミカルなドタバタ描写があるため、テンポよく進むというよりは、右往左往する感じです。そのモタモタ感が、最後にひっくり返るんですが、医学畑と製造業の違いでしょうか、人の命ではなくお金がかかった内容のせいかは分りませんが、痛快ではあっても感動はありません。地方公務員に対する怒りは覚えても、理想を求める血のざわめきを感じない。
カバー折り返しの言葉
首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ1億円。その名
も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金をはめ込んだ地球儀に姿
を変え、今では寂れた水族館にひっそり置かれているだけとなった
――はずだった。が、ある日を境にトラブル招聘体質の男・平沼平介
の日常を一変させる厄介の種へと変貌する。
八年ぶりに現れた悪友が言い放つ。「久しぶり。ところでお前、1億円
欲しくない?」かくして黄金地球儀奪取作戦が始動する。二転三転四
転する計画、知らぬ間に迫りくる危機。平介は相次ぐ難局を乗り越
え、黄金を手にすることが出来るのか。『チーム・バチスタの栄光』の
俊英が放つ、抱腹絶倒のジェットコースター・ノベル!
の最後にある「抱腹絶倒のジェットコースター・ノベル!」は言い過ぎでしょう。お金絡みの話は笑えないんですよ、ホント。最後に目次を写しておきます。
プロローグ 黄金地球儀は深海の夢を見る 一九八八年のある日
第一部 召集令状 二〇一三年・晩夏 第一章~五章
第二部 強奪作戦 第六章~十一章
第三部 返却作戦 第十二章~十六章
エピローグ カリフォルニアの青い空 二年後・二〇一五年のある晴れた日