「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
ミステリを語らせたら当代一の作家・北村薫が語る、また語る。推理作家協会の前身・探偵作家クラブの会報を「お題」とし、各ジャンルの一線級ゲスト&人気ミステリ作家を迎えてのスペシャル対談集。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
将棋 | 北村薫 述 | 5−18 |
---|---|---|
忍者 | 北村薫 述 | 21−29 |
噓発見機 | 北村薫 述 | 32−42 |
著者紹介
北村 薫
- 略歴
- 〈北村薫〉1949年埼玉県生まれ。89年「空飛ぶ馬」で覆面作家としてデビュー。「夜の蟬」で日本推理作家協会賞、「ニッポン硬貨の謎」で本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を受賞。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
びっくり箱? 玉手箱?
2008/02/18 16:49
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリマニア垂涎の書。
なにしろCDがついていて
そこに昭和20年代のミステリ作家が
そろい踏みしたラジオドラマ「びっくり箱殺人事件」、
江戸川乱歩インタビュー、同じく歌唱「城ケ島の雨」、
甲賀三郎の自作朗読「荒野」(抄)が収録されています。
今まで文士劇などは「ふん」と鼻にもひっかけなかったが
こういうのは死んでから後、価値がでてくるのだ、と思い知りました。
しかもこの音源は元のNHKにも国会図書館にもないそうです。
あの江戸川乱歩の蔵や、蒐集家から借りてきたもの。
もう二度と出てこないかもしれない。
ミステリマニアではなくても本編は十分に楽しめます。
日本推理作家協会の前身「探偵作家クラブ」の会報の記事を題材に、
それに詳しい推理作家と専門家を読んで鼎談をする、
という趣旨。
それらはすべて北村薫が選んでいます。
ミステリと将棋や忍者の親和性、
手品や映画との融合性など話題は広がり
ミステリとはなんでも飲み込んで
事件やトリックにしたてるもんだな、と感心してしまう。
特に落語とミステリとは相反するものというのがおもしろい。
落語はオチを観客が知っていて、登場人物が知らない。
だから笑いが生まれます。
これは探偵とも同じ。
実際の探偵は「推理してはいけない」。
事実を観察するのが仕事。
ミステリの探偵は、推理しまくりです。
将棋の回では、江戸川乱歩と七段高柳敏夫の譜をたどるのだが
逢坂剛が江戸川乱歩と同じ手を打ち、ゾクリとしました。
これらの題材は日本に推理小説(当時は探偵小説)が
生まれたばかりで、その可能性を探る意味でも
掲載したのだろうな、と推測しました。
それを50年たってやってみても、まだおもしろい。
恐るべし、江戸川乱歩。