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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.10
- 出版社: 早川書房
- レーベル: ハヤカワ・ポケット・ミステリ・ブックス
- サイズ:19cm/190p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-15-001805-4
紙の本
愛する者に死を (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS)
わたしは殺人を計画している。場所はサンフランシスコ、九月八日夕方に実行する。犠牲者は女性…奇怪な書き出しで始まる手紙の送り主は、P・Sとだけ名乗っていた。殺人の顛末を手記...
愛する者に死を (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS)
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商品説明
わたしは殺人を計画している。場所はサンフランシスコ、九月八日夕方に実行する。犠牲者は女性…奇怪な書き出しで始まる手紙の送り主は、P・Sとだけ名乗っていた。殺人の顛末を手記にするから出版しないかというのだ。業績不振に悩むニューヨークの出版社社長コステインはこの話に飛びつき、すぐに自分の愛人であり編集部長のジーナを伴いサンフランシスコへ向かう。だが、それは周到に仕組まれた罠だった。殺人現場に誘い込まれ、ニューヨークへと逃げ帰った二人の前に現われたのは…サプライズの名手がミステリ界を唸らせたデビュー作。【「BOOK」データベースの商品解説】
わたしは殺人を計画している…。奇妙な書き出しで始まる手紙の送り主は、殺人の顚末を手記にするから出版しないかと、業績不振に悩む出版社社長にもちかける。だが、それは周到に仕組まれた罠だった。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
リチャード・ニーリイ
- 略歴
- 〈リチャード・ニーリイ〉ニューヨーク生まれ。新聞記者等を経て1969年に「愛する者に死を」で作家デビュー。その後、約15年間の作家生活で合計15冊の長篇を発表した。著書「仮面の情事」等が映画化されている。
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紙の本
お、ニーリイの新作だ、って喜んだら40年近く前のデビュー作なんです。何で今頃?なんて思わないで読んでみてください、いかに彼が進んでいたかがよく分かります。最高傑作、とまではいかなくても十分楽しめますよ
2008/04/25 20:10
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
リチャード・ニーリイ、むか~し私が熱狂した作家です。ただし、彼の作品を出していた角川書店が1982年でその訳出を止めた時点で彼の新作を読むことができなくなっていました。早川からは同じ年に『日本で別れた女』が出ていて、これは今でも入手可能のようですが、メインだった角川が、『オイディプスの報酬』(’72)、『心ひき裂かれて』(’76)、『殺人症候群』(’82)の三冊で彼の作品を出さなくなったことの影響は大きかったと思います。
ちなみに、私は横浜は関内にある有隣堂の洋書売り場で、 ニーリイの No Certain Life というPBを見つけ、購入した記憶があります。読んだはずですが、筋を全く覚えていないので積読かもしれません。そのニーリイの角川の本復活は1998年の文庫化でしたが、それも現在は古書以外での流通はしていません。彼の余りにトリッキイな作風が日本人の肌に合わなかったのか、ペーパーバック・ライターとして紹介されながら、一気にハードカバーで邦訳されたのが足を引っ張ったのか、私自身もその存在を忘れていました。
でも巻末の仁賀克雄の訳者あとがきを読むと、ニーリイの作品の訳出がストップした理由がわかります。なんと彼は今回出されたデビュー作『愛する者に死を』を1969年に発表した後、僅か15年で作品の発表をしなくなっているそうなんです。計算すれば1984年頃には新作を書かなくなっている。これから、というときに作品を書かなくなってしまっては、日本の出版社が訳出を諦めるのも無理はないかな、なんて一人納得してしまいます。
原題 DEATH TO MY BELOVED の内容は、この本のカバー後の紹介文で代用しましょう。
わたしは殺人を計画している。
場所はサンフランシスコ、九月
八日夕方に実行する。犠牲者は
女性……奇怪な書き出しで始ま
る手紙の送り主は、P・Sとだ
け名乗っていた。殺人の顛末を
手記にするから出版しないかと
いうのだ。業績不振に悩むニュ
ーヨークの出版社社長コステイ
ンはこの話に飛びつき、すぐに
自分の愛人であり編集部長のジ
ーナを伴いサンフランシスコへ
向かう。だが、それは周到に仕
組まれた罠だった。殺人現場に
誘い込まれ、ニューヨークへと
逃げ帰った二人の前に現われた
のは……サプライズの名手がミ
ステリ界を唸らせたデビュー作
ということで、これは1969年の作品。約40年のデビュー作ということで古びてしまったのではないかと心配しましたが、むしろ彼の作風であるトリッキイさは今のほうが受け容れられやすい気がします。それと時代感です。日米の時間差は昔は50年くらいあったそうですが、今でも20年近い差があるとはよく言われることです。
それをこの本に当て嵌めれば、1969年のアメリカは1989年頃の日本ですから、今の日本人でも容易に理解できます。そういう意味でも現在のお話として読んでも全く違和感がありません。その点はリーニイがいかに新しい作家であったかの証でもあります。更に言えば、ニーリイが時代描写を殆どしないことも、プラスに働いているといえそうです。
折原一あたりの作品と読み比べてみるのも一興ではないでしょうか。webでの早川書房の謳い文句「騙しの天才、その原点がこれだ」というのがよく分ります。登場人物の数は限られていますが、なかなか真相を見抜ける人は少ないのでは?