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盗まれた街 新装版 (ハヤカワ文庫 SF)
アメリカ西海岸沿いの小都市サンタ・マイラで、奇妙な現象が蔓延しつつあった。夫が妻を妻でないといい、子が親を、友人が友人を偽物だと思いはじめる。はじめ心理学者は、時おり発生...
盗まれた街 新装版 (ハヤカワ文庫 SF)
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商品説明
アメリカ西海岸沿いの小都市サンタ・マイラで、奇妙な現象が蔓延しつつあった。夫が妻を妻でないといい、子が親を、友人が友人を偽物だと思いはじめる。はじめ心理学者は、時おり発生するマス・ヒステリー現象と考えていた。だがある日、開業医のマイルズは友人の家で奇怪な物体を見せられた。それは人間そっくりに変貌しつつある謎の生命体—宇宙からの侵略者の姿だったのだ!奇才フィニィが放つ侵略テーマSFの名作。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
スティーブン・キング大絶賛のファンタジー・ホラーの古典
2012/04/09 21:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
このSF小説の古典は、映画で『ボディ・スナッチャー』として何度も映画化されていたので
知っていましたが今回、原作を読んでみました。
この小説が書かれたのは、1955年。
この小説が、その後の作家や小説に影響大だった、という意味ではアイザック・アシモフの
『われはロボット』に近いものがあるかもしれません。
のどかなアメリカの小さな街、サンタ・マイラ。
そこで開業医をしている医者、マイルズが主人公ですが、街のお医者さんということで「どんな患者も診る」医者です。
だからこそ、この物語の発端となる患者が「家族が家族でなくなった。同じなのに別人だ!」
という訴えが続々来るのを不思議に思う。
カウンセラーの役割も果たしている訳ですが、だんだん、その「同じ人なのに違う人」というのが
あまりにも多いのに、ひとりの妄想や思いこみではない、と気がつきます。
ベッキィという女性も、そんな患者のひとりでしたが、マイルズが若い頃から好感を持っていた女性でした。
ところが、ぴたり、と「あれは間違いでした」と意見を翻す人がたくさん出てくる。
どういうことか・・・という事から始まるのですが、ハイ・テクノロジーを駆使した近未来ものでは
ないのです。あくまでも、1950年代アメリカ。
マイルズとベッキィは、「変わってしまったひとたち」から逃げ回ることになります。
あくまでも闘ったりするのではなく、女性を守り、攻撃的にはならない、誠実な男という男性像と
美しくて賢くて、思慮深い女性という、今の時代ではなつかしいと思う、のどかさが感じられます。
男は女を守り、女は家を守る・・・そんな関係がずっと保たれていますが、マイルズもベッキィも
お互い離婚したばかり、ということですぐに逃亡の最中に熱烈な愛は生まれはしません。
昔の映画で、逃亡する男女が結ばれる・・・という安直な方向へは行っていないのです。
しかし、マイルズがいつも考えていることは「ベッキィ(女性)を守る」ということです。
それがフィニィの持ち味のノスタルジアに感じられてしまうのでした。
スティーブン・キングがこの『盗まれた街』の大、大、大ファンだそうで、スティーブン・キングへの
影響も大きいのでしょうが、無機的な世界のSFというよりファンタジック・ホラーというべき
世界です。ハインラインだったら、「父のような頼もしい男、優しくて美しい女、かわいい猫」という
ところになるのでしょうが、フィニィの場合は、離婚を経験した2人が苦々しく結婚というものを
振り返るところなど、ただのホラーにはせず「人間というものの心理」は微妙でり、
「形をぬすんだところで、心はぬすめない」というテーマが見えるような気がします。
映画版はもっと激しいアクションシーンを付け加えたり、舞台を都会にしたりしているそうですが、
のどかな田舎に近い、つまり人間関係が狭い、街の人はほとんど知っているという
狭さが、怖さにつながっていきます。
都会で通り過ぎる人はほとんどが知らない人です。
しかし、この物語では図書館に行けば子どもの頃からのなじみの司書の女性が「本を読む気になった?」と
声をかけてくるような世界。
そんな街の人々は見た目は同じでも変わってしまったら?
人間と人間でないものの違いとは何か?
マイルズの心理は、疑問から恐怖へと変わりますが、やはり、守る者がいる、という志が
一本貫かれていて、その部分はいつの時代になっても変わらない冒険譚の動機かもしれません。
紙の本
闘うしかないのだ
2022/07/14 23:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コロナ禍が始まってから、街を歩く人はみなマスク姿となった。マスクをすると息苦しくて、できれば着けていたくない私は、その光景にとまどった。いつの間にか自分は世界の異物になっていた。ネットの世界に行けば全員マスクの異常ぶりを指摘する意見も目にしたが、現実世界ではそんな声は聞こえてこなかった。正気なのは世界の方なのか。いや、やはり自分ではないのか。自分は、果たして自分の世界を取り戻せるのだろうか。。。。
そんな思いに囚われていた時に読んだのが本書だ。気がつけば、隣人は植物が複製した人間ばかりになっている、という世界を描いていて、何だかコロナ禍がもたらした全体主義社会を予言しているような気がした。
本書の結論もそうだが、人間としての尊厳を奪われたくなければ闘うしかないのだ。
紙の本
色んな人に読んでもらいたい
2017/02/10 16:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
恩田陸さんの著書「月の裏側」を読み興味が出て読んだ作品。
「月の裏側」とはまた違う魅力があり、あっという間に読み終わりました。
もし自分が同じ状況になったら…と考えると正気でいられる自信がないです。