紙の本
スポーツニュースは恐い→「だから見るな!」という意味ではない。
2007/09/14 00:49
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:妄想婦人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私たちがスポーツニュースと接するのは、わりとリラックスしている時ではないかと思う。通勤電車内、昼休み、家のトイレ、風呂、あるいは寝る前ビールなどを片手に。
そしてそれは“熟読”とか“集中して”というよりはむしろリラックスタイムに、読み(聞き)流すように楽しんでいるのではないだろうか。結果や事実(またはそれに近いもの)さえ確認できればOKというのがニュースの見方の一つだからだ。
しかし時にスポーツニュースは、結果や事実だけでなく、伝え手側の観念などもさりげなく連れてくる。それを読み手(聞き手)はリラックス中に、無意識のうちになんとなく受け止めている。伝え手が親しみを持たせようして発するメッセージが、無意識に読み手(聞き手)に受け止められていることで、目に見えないが意外に大きな事象を生み出していたりする。
この本はその仕組み、また日々発せられ受けとめられるさまざまなメッセージなど、実際の記事を使って具体的に説明されている。この本を読み終えた後には、今までとはまた違う自分なりのスポーツニュースの見方ができるようになるかもしれない。
スポーツに詳しいとはいえない私にでも分かりやすく、楽しむ事ができた。また難解な語彙をほとんど使わず、カタカナ言葉も読み手が理解できるように配慮されていることも、楽しく読むことができた理由の一つだと思う。
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スポーツニュースを中心に書かれているが、基本的にはメディア論。いかにジャーナリズムは自分たちの主張を一般的事実のように報道しているか、スポーツの現場を例に述べている。
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女子スポーツ選手が妻・主婦・母とかの目線で語られたり・・・・。おもしろい切り口で語ってはいるが、いかんせん学問としての部分が薄いのを感じる。雑誌のコラムくらいならいいがね。
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スポーツニュースの根っこにある「おじさん視点」がわかりやすく理解できる。「なでしこジャパン」「アフリカ勢特有」など知らず知らずに常套句に陥りがちですが、そこに本質はないですね、確かに。
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女性蔑視はスポーツに蔓延っていた!
スポーツニュースを注視するきっかけとなった。刷り込みを続けるスポーツ紙は、読み続けると知らぬ間に、相手の意図が組み込まれてしまう。
コントロールされるのって怖い。
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スポーツニュースや報道に関する不思議を元NHK記者が語ります。長年の経験から得た多くの疑問である事から説得力はあります。みなさんもぜひこの本を手に取り、違った視点でスポーツニュースを見てみてください。
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10年01月10日開始
10年01月10日読了
いわゆるメディアリテラシー関連本。まずまず面白かった。女性アスリートのメディアでの扱い方についての論考は納得。
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[ 内容 ]
スポーツニュースは日々、特定のメッセージを発している。
そのメッセージとは“私たちは日本人である”というものだ。
しかし、その日本人とは、メディアのとらえた日本人であるだけでなく、サブリミナルなレベルで私たちの中に浸透する―。
本書ではスポーツニュースのメカニズムを丹念に解きほぐし、その新たな読み方を提示する。
[ 目次 ]
第1章 本当はこんなに恐いスポーツニュース
第2章 女子選手に向けるオヤジな目線
第3章 スポーツニュースは“人間関係”に細かい
第4章 スポーツニュースは“国”をつくる
第5章 日本人メジャーリーガーが背負わされる“物語”
第6章 世界中で刷り込まれる“国民”
第7章 ワールドカップでつくられた“日本人”
第8章 イビチャ・オシムはなぜ怒ったか―むすびにかえて
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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決まった型にはめてポンと出すオヤジ仕事は気楽でいいよな。
でも仕事で疲れてほんの少しの娯楽、といった時に
そんなものしか周りにないのはひどいと思う。
http://takoashiattack.blog8.fc2.com/blog-entry-780.html
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スポーツジャーナリストの玉木正之氏がNHKの「週刊ブックレビュー」で勧めていたので、森田浩之著『スポーツニュースは恐い——刷り込まれる〈日本人〉』(NHK生活人新書)を手に取りました。
スポーツニュースの何が「恐い」のでしょう? スポーツニュースに接するとき、私たちはたいてい現実の憂さを忘れようとしており、意識は弛緩しています。スポーツニュースは、そんな私たちの無意識に、競技の結果やアスリートの人間ドラマに事寄せて、たとえば男女のあり方についての固定観念や、ステレオタイプな日本人らしさを刷り込んでくる、と著者は言います。たとえば次のような刷り込みです。
・男勝りの女性アスリートもやはり女。女らしい一面がある(なくてはならない)。彼女たちはアスリートである前に女であり、妻であり、母である。彼女たちが活躍できるのは夫の理解と支えがあるからこそ。
・日本チームの強みは努力、粘り、チームワーク、組織力にある(根拠も証明もなく当然視される断定)。
・「やっぱり日本人は日本がいちばん」という結論で落ち着く海外進出選手のニュース。
・ヒーローに必要なのは謙虚さ(謙虚さを確認するだけの、お約束のやりとりで終わる、無内容なヒーローインタビュー)。
「あとがき」でタネあかしされていますが、この本は、デイスコース・アナリシス(言説分析)の手法でメディア・リテラシー(メディアの発する情報をうのみにせず、批判的にみていく姿勢のこと)の必要性を説いた本です。そう言うと小難しそうですが、分析されている言説(談話)が、毎日読むスポーツ欄の記事であり、スポーツ中継の実況アナウンスや選手のインタビューなので、スラスラ読めます。
正直なことを言うと、たかがスポーツニュースに目くじらを立てなくてもいいじゃないかと、いささか斜に構えた姿勢で読み始めました。しかし読み進むうちに、スポーツニュースに批判的に接することの必要性がわかってきました。つねに疑心暗鬼で裏を読むということまではしなくとも(やりたくてもできません)、「危険」が潜んでいることを頭の片隅に置いておくぐらいのことは必要かもしれません。
この本とは別の視点からですが、私がスポーツニュースに感じる問題は「手のひら返し」です。昨日の人気者が今日は鼻つまみ者になります。持ち上げておいて落とします。また、現実の複雑さから私たちの目を逸らしてしまいます。このあたり、送り手にその意図はなくても、スポーツニュースには私たちを、物事を深く考えることをめんどうくさがる、気分に流されやすい存在にしてしまう危険性が潜んでいるかもしれません。そういえば最近、政治や社会のニュースがスポーツニュース化しているような気がするのですが……。
「こんなスポーツ中継は、いらない!」もぜひ、あわせてお読みください。
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言いたいことはわかるし、今までいろいろな形で言われてきたことでもある。ただその論証の仕方は雑。著者が批判する、都合のよい部分だけを切り取って自説を展開するメディアの姿勢に、著者自身も陥っている。著者が世の中に訴えたい趣旨には賛同するので星3つとしたが、本当は星2つにしたい気分。イギリスのタブロイド紙がW杯ドイツ戦についてどのような書き方をしているか、という話はおもしろかったけれど。
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盛り上がっている方々には大変申し訳なく思うのだが、大きなスポーツイベントの時期における暑苦しさは何度経験しても慣れない。あらゆる媒体でお祭り騒ぎ。各々のトピックスでは他の政治経済社会などでよっぽどの出来事が起こらないかぎりトップ。
もちろんスポーツ自体は見てもおもしろいしやってもおもしろい。選手は偉大だし応援したいし責任があるわけでもない。しかし「見ても見なくてもいいし応援してもしなくてもいい」という態度は表面的には許容されるが推奨はされないのはもちろん、場合によっては非難の対象となる。さらにこんな不満を大きな声で口にしようものなら人間性を疑われるか呆れられる。
強制する空気の構造を著者のスポーツ取材経験を踏まえて論じているのが本書。少々被害妄想的な記述もあるが、大した見識を持ち合わせていない「なんちゃってファン」とは違ったスポーツに対する強い愛情が感じられる。スポーツは一例に過ぎない。多彩な形で現れる人間の欲求は、油断すればいつの間にか利用されるということ。これは間違いないのではないかと思う。
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2014/7/10 スポーツニュースが国を作る、それをネガティブに感じているようだけど、必要なことじゃない?
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スポーツニュースは基本的に見ない。
というかスポーツ番組もあまり見ない。
スポーツコーナーに出てくるキャスターはなぜみんな同じ喋り方をするのか?
選手にインタビューする時、なぜ質問が疑問形でないのか?
選手やチームになぜいちいちあだ名をつけるのか?
国際試合で日本がこてんぱんにやっつけられても、なぜアナウンサーも解説も日本の批判はせず、肯定的なことしか言わないのか?
特定の人気がある選手ばかり報道し、なぜ実力がありランキングも上位の選手はスルーなのか?
「絶対に負けられない」というフレーズが苦手。
試合の最中ずっと流れ続けるサポーターの歌も苦手。
選手の技術面より人間性中心にお届けする中継も苦手。
国際試合に出てくるジャニーズの歌を全部流しておいて、試合そのものを大幅カットする編集も苦手。
そんなスポーツニュースをアカデミックにワールドワイドに分析している本。
著者の言いたいことには賛同するが、野球とサッカー中心の内容なので、それ自体に興味があまりない私は進みが遅かった。
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マスメディアの『ステレオタイプ』について取り上げた一冊。
4章以降は、マスメディアがステレオタイプに報じる「日本人観」について
特にスポーツを題材に取り上げています。
特にサッカーに対する報道について?いっぱい感じていた私には共感できる部分が多かったけれど、
終章に作者が述べているとおり、そういう見かたをわざわざする人は少ないのかもしれない。(2010.12.15)