紙の本
哲人皇帝の苦労に満ちた生涯。
2015/08/28 20:28
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投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんなに繁栄した国家でもついには滅亡を免れない。ローマ帝国とて例外では無く、その綻びは賢帝の呼び名高いマルクス・アウレリウスの時代にすでに現れていた・・・。
本当は皇帝などせず哲学に没頭したかったであろう彼が、現実の世界で直面せねばならなかった数々の問題が浮き彫りになり始めたローマを描く。
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『終わりの始まり』[上]です。五賢帝の最後の一人、哲人皇帝マルクス・アウレリウスから始まる。帝国ローマは絶頂期を迎えていたが、衰退の萌芽が芽生え始めていた時代。
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パルティア戦役においては、共同皇帝ルキウスも賢帝であったのではないだろうか?
プロシアの参謀が言いました。「この世の中で一番質が悪いのは、やる気はあるが、能力が無いもの」
そうではないと思いたいものの、納得させるものがある。
プロに任せたパルティア戦役、素人が指揮を取ったゲルマニア戦役。考えさせられる内容です。
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本書で描かれるのはマルクス・アウレリウス・アントニヌスの治世の前半である。一般的な評判を言えば、彼は自省録を著したことから哲人皇帝として名高く、五賢帝とされる程の名君である。しかしながら、ローマの衰退は、彼の治世に端を発している。これまでローマの発展と繁栄を追う形で展開されてきた本シリーズも、本書を境に衰退の物語へと変貌する。上巻を読んだだけで総合的な感想を述べるのはいかがなものかとも思うが、あえて現時点での感想を述べる。アントニヌスは衰退の時期に直面して、なお善政を貫いたとされるが、個人的にはアントニヌス・ピウスの治世に、人材の硬直化が進み、それがマルクス・アウレリウス・アントニヌスを苦しめたように思えてならない。何はともあれ、これから描かれるのが衰退である以上、本シリーズの今後を読み進める際には、以前のような高揚感を求めるべきではない、という印象を抱いた。
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評価4.0
五賢帝の最後を飾る「哲人皇帝」マルクス・アウレリウスの物語。
賢帝とよばれながら、なぜこの時代以降ローマは衰退していったのだろうか
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Como siempre, me interesa mucho leer historia romana,
en este caso, Marcus Aurelius, quien uno de los imperatores buenos.
Ahora me preocupo que qué libro debería leer despues de terminar a leer este serie.
Que podría leer?? Qué es el libro sea interesante como este serie?????
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五賢帝最後を飾るマルクス・アウレリウス帝の時代。
哲人皇帝として知られる彼はほとんどを前線ですごした。ここから終焉がスタートする。
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五賢帝時代と言われているが、4代アントニヌス・ピウス、五代マルクス・アウレリウスは本当に賢帝だったのだろうか?単に、完成したパックスロマーナのお陰で、何もせず無事に過ごせただけなのではないだろうか?
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マルクス・アウレリウス・アントニヌスの少年時代から、皇帝に就任しゲルマン人が進行してくるまでを書いた一冊。
哲人皇帝とも名高い彼の治世であるが、今までの五賢帝時代と異なりローマ帝国は危機の連続である。自省録で彼の内面に触れたこともあり、同情を禁じえない。
というか関連資料を読むと面白さが格段に違うな・・・。今まで少しもったいなかったかもしれない。
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いよいよ終盤
帝国といえどもこのように衰退していくのか! かのマルクス帝(自省録を書いた)の時代に衰退が始るとは、思ってもみなかった。 時代の流れというのは、いかなる賢帝といえども逆らえるものではないということか。
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11/4/24
5賢帝の4人目アントニヌス・ピウス、5人目マルクス・アウレリウス。滅亡の足音がちょっとずつ聞こえてくる。平穏な時代だったアントニヌスは一度も防衛線に行かなかったし、アウレリウスを連れて行かなかった。その事が防衛力の低下に繋がったのではという作者の考えは確かにそうかもなと思う。
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「終わりの始まり」、何かが劇的に変わろうとする時、変わってしまった時によく使われる言葉です。
目に見える形で変わってしまってから振り返って「思えばあの時に」、なんて言い方をされる方が多いでしょうか。
個人的にはなんとも度し難い「歴史家」の一面ですが、同時代ではないからこそ許される言い方でもあるのでしょう。
「五賢帝の時代」と呼ばれ、栄華を誇った古代ローマ帝国の黄金時代。
一見して順調な帝国の運営ですが、衰退の足音はこの輝かしい時期に既に、聞こえ始めていました。
その五賢帝の最後に名を連ね、哲人皇帝として後世からの評価も高いマルクス・アウレリウス。
資質においても責任感においても歴代の皇帝に勝るとも劣らず、事実、皇帝の責務を全うしつつ眠りにつきました。
その著作「自省録」でも謳っているように「法の平等、人権の尊重、言論の自由」を目標に置きながら。
ただ、結果論から省みるに足りなかったものは、「晴れの日に雨の心配をするのが政治家」との、
「ローマ」の歴代指導者が持ち続けた心構えだったのでしょうか、今でなら「危機管理意識」とでも言えましょうか。
「結果は悪かったとしても、当初の意図ならば立派で、善意に満ちたものであった」とのカエサルの言葉が哀しく彩ります。
それでも、見えない終末に向かっていく中でも「矜持」を捨てずに、後続の皇帝達も奮闘していきます。
- 職業には貴賎はないが、生き方には貴賎はある
- 死ねば誰でも同じだが、死ぬまでは同じではない
継続すること、ただそれだけが如何に困難なのか、「盛者必衰の理」を強く意識せざる得ない、そんな一冊。
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哲学者としてマルクス・アウレリウスの名前はたまに出てきますね。
五賢帝最後の皇帝にして、最高とされるこの人の時勢から、いやその前人者のアントニウス・ピウスの時勢からローマの衰退は始まるんですねぇ。
この人自身というより、ピウスしかり、弟のルキウスしかり、周りが平和ボケしすぎてたのか。いやローマ帝国全体が強者の奢りの中に浸っていたんでしょうね。
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五賢帝の続きである。ピウス帝の治世と並行して、次の皇帝で
あり後に「哲人皇帝」と呼ばれることになるマルクス・アウレリウス
の生い立ちを追っている。
「慈悲深き人」ピウス帝の治世は穏便に過ぎ、ハドリアヌス帝の
遺志の通りアウレリウスが帝位に就く。しかし、彼が元老院に
申し出たのは同じくピウス帝の養子となり、義弟となったルキウス・
ヴェルズとの皇帝2人制だった。
トライアヌスが強化し、ハドリアヌスが再構築し、ピウスが維持した
ローマ帝国の平和と繁栄に、ふたりの皇帝の登場から影が差し
始める。
ローマに何かある度にちょっかいを出しては叩きのめされ、
その度に「もうしません。仲良くするよ~」という行動を繰り返し
ていた東方の君主国パルティアが、懲りもせずに蜂起する。
このパルティアを攻略したと思ったら、今度は北の防衛線からの
蛮族の侵攻が始まる。
あまりにも平和な知性が続いたせいか、アウレリウスもルキウスも、
ローマの為政者階級につきものだった軍団生活を経験していない。
そもそも、先帝ピウスもローマに居ながらにして帝国を統治している。
これも時代の変化なのか。生来、病弱で指揮を執れば連戦連敗。
「助けて~、アグリッパ~」だった初代皇帝アウグストゥスでさえ
軍団生活を送っている。
戦略を知らぬ者の弱点を持ったアウレリウスは、パルティア戦役で
敗北の責任を取って自死したカッパドキア属州総督の代わりを、
ブリタニア属州総督を派遣することにする。
現代の国で言えば、イギリスからトルコに、船と馬だけで移動させる
ことになる。著者じゃないが、「それ、他に人材いないのか?」と
突っ込みたくなるんだが…。
さて、東方と北方の防衛線の危機以外にも、洪水・飢饉・疫病と、
次々と困難な出来事がアウレリウスを襲う。その間にも、同僚皇帝で
あったルキウスが病死。
絶頂期にはその後に控えている崩壊の足音が遠くから聞こえてい
たってことなんだな。
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9/7:久しぶりに再開。この巻がけっこうこれまでの皇帝の歴史を振り返る事が多いので、復習にも役立つな。
五賢帝トリのマルクス・アウレリウスの苦難は前帝のあまりに平穏すぎる時代により引き起こされたとも言える。しかし、ツイてないよな。飢饉にドナウ川からの侵略に愚弟と。まだ上巻なのでもっとたくさんの危機があるのでしょう。
統治するものは雨が降らない時に、雨が降った時のことを考えて、備えをするのである。ふむ。