紙の本
古典部シリーズ第四弾
2007/12/14 23:26
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シノスケ - この投稿者のレビュー一覧を見る
相変わらず省エネ主義のホータローが、古典部の面々に振り回される話。しかし、面倒ごとに巻き込まれるのを良しとしないホータロー。たとえ巻き込まれても、やらなければならないことなら簡潔に、すばやく、問題を解決しようとする。
前作までの古典部シリーズと比較するとホータローが謎を解くというよりも、彼自身の心情を中心に、事件の背景を推察するといった雰囲気が強い。特に基本的にホータローの一人称であり、彼自身が感じたことをそのまま吐露しているようにも思える。しかし、他人の感情はホータローの推察でしかなく、一見無気力とも取れる省エネ主義は、自身の感情をも疑わしく思わせる。
そして、本作品は、省エネ主義を自称するホータローがその目指すところにもかかわらず、謎解きを行ってしまうのはなぜかという原動力を自分自身で解き明かす物語でもある。達観しているように見えてそれすらも面倒くさがるホータローは、ある意味で無気力な高校生らしいとも言える。しかし、作中では怒の感情すら否定されながらも、彼自身が等身大の自分を受け入れたラストは心地よい。
ミステリという形式をとっているものの、紛れもない青春小説であり、ホータローの目線を通して見える彼らとホータロー自身は青臭く純粋だ。あらなた関係とつながりに気が付いた彼らの2年目はどうなるのか。続きが読みたくもあり、この余韻を残したままにしておいてほしくもあり。
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ちゃんとミステリーなんだけど
2022/04/01 22:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
知らずに読みはじめたものの、
ご存知だろうけど、一応一見さん向きにもね、
という雰囲気でようやく気づきました。
有名な「氷菓」シリーズの短編集だったんですね。
ちゃんとミステリーなんだけど、
青春小説なこの感じ、気になります!
次は本編を読みます!
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一番好きだなあ
2017/01/01 21:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集の「遠まわりする雛」が良かった。
高校生とは思われない伴侶を思う奥深い思い。
高校生でこんな風に相手を思う事は難しいなあ。
千反田えるの桜舞い散る雛の姿見たかった。
そんなえるに思いを寄せるホータロウの複雑な気持ちも最高な描写。
思いの深さ、風景の描写とミステリーの醍醐味が最高にマッチングした傑作。
シリーズとしてはかなり楽しめます!
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▼すごい勿体無いと思うのは、私は『古典部シリーズ』を「キャラ萌え」しながら読めないということ。「省エネ的生き方」なんて、高校生が読んだら身につまされるのだろうか。▼「手作りチョコレート事件」が……切ない。不器用ですねえお互い……。結構犯人は酷いことしてるのに、何となく同情してしまった。▼倉庫に閉じ込められる話が緊迫感があって良かった。(08/1/26読了)
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これが噂の「古典部」のシリーズでしたか。
長編3作に続いて出たこちらは短編集。
会話の中におそらくその長編での事件のことであろう事柄が時々出てくるので、やはり順番に読んだほうがよさそう。
というわけで次は「氷菓」を読もうと思います。
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(収録作品)やるべきことなら手短に/大罪を犯す/正体見たり/心あたりのある者は/あきましておめでとう/手作りチョコレート事件/遠まわりする雛
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神山高校で噂される怪談話、放課後の教室に流れてきた奇妙な校内放送、摩耶花が里志のために作ったチョコの消失事件―“省エネ少年”折木奉太郎たち古典部のメンバーが遭遇する数々の謎。入部直後から春休みまで、古典部を過ぎゆく一年間を描いた短編集、待望の刊行。
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やるべきことなら手短に 大罪を犯す 正体見たり 心あたりのある者は あきましておめでとう 手作りチョコレート事件 遠まわりする雛
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古典部シリーズ第四弾は短編集である。ホータローたちが古典部に入部してからほぼ一年のあれこれである。五→三→四と、滅茶苦茶な順番で読んでいるが、そういう経緯だったのかと納得させられる愉しみもあって悪くない。そして、古典部メンバーの特徴もずいぶんわかってきて事に当っての反応が興味深い。相変わらず省エネを身上とするホータローであるが、苦手とする(!?)千反田さんのおかげでそうも言っていられないことが次第に増えているようにも見える。里志と摩耶花のかけあいにも深みが増しているようだし、ラストのホータローと千反田さんふたりの場面もとても好みである。理屈っぽくてタイトルの雛どころではなく遠まわりしすぎで微笑ましすぎるのである。どんどん古典部メンバーと親しみ深くなる一冊である。
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ミステリとしては謎は少々小粒ではあるけど、それ以外の部分、主に青春小説としての部分が読んでてとても面白い。
主人公の奉太郎の心の声が多少饒舌すぎる感もあるけど、それもまた個性か。
トリックではなく、Why?を楽しむ作品集かなと感じた。
そのWhy?の部分が登場人物たちの心の動きにつながっているようにも思えるし。
ただ、『心あたりのある者は』だけはちょっと毛色が違うかな。
「九マイルは遠すぎる」「ジャケット背広スーツ」に俊とも劣らない面白さがある(言いすぎ?)。
こういう作品は、ジャンプする距離が長ければ長いほど面白い。
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再読。やっぱいいなー。
・うわあ、やられた…。表題作に持って行かれました。そんなわけで古典部第4弾。今回もホータローがのらりくらりと大活躍。相変わらず見事な連作です。
・時系列が今までの作品から見るとばらばらなので、それはそれで面白かったです。
「心あたりのあるものは」と「あきましておめでとう」が特に好きでした。
「それは『きな臭い』でひとかたまりの常套句だ」
「俺の脳裏を、水戸黄門ご一考が通り過ぎた」
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非常に最終話に共感。
書き下ろしなだけあるかもしれない。
謎よりもその気持ちの方へ重きを感じる。
このせんせの恋愛感をちょっと問い詰めたい気分。
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古典部シリーズ第4作目。日常ミステリを集めた短編集。奉太郎の省エネ主義の徹底振りが面白い。それにしても千反田えるにはたまには自分で考えろ!って言いたくなるなぁ。
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「あきましておめでとう」がタイトルも内容も個人的にはすごく好みで、とても面白かったです。こういった、古典部の四人でドタバタしながらの謎解きと、その雰囲気が大好きです。「クドリャフカの順番―『十文字』事件」の時のような。なので、せっかく四人がきっちりと揃った「正体見たり」にも、もう少しこういう要素が欲しかったなぁ、と思います。
そして何と言っても一番の読みどころはラストの「遠まわりする雛」でしょう。終わらせ方も良くて、奉太郎とえるの今後が、かなり気になります。あの古典部にも、とうとう恋愛云々といった事柄がやって来るのでしょうか。これから先の展開が楽しみでなりません。
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「やるべきことなら手短に」入学1ヶ月。部活の多彩な神山高校に『女郎蜘蛛の会』という勧誘ポスターがたった1枚どこかに貼られるらしい。「大罪を犯す」隣のクラスの千反田の怒った声が聞こえてきた。尾道先生が授業進度を間違えた理由は。「正体見たり」8月。古典部4名は伊原の親戚が営む民宿に。首吊りの影の正体は。「心あたりのある者は」11月。千反田とある校内放送で推論勝負することに。「あきましておめでとう」元旦の夜、千反田と納屋に閉じ込められた。「手作りチョコレート事件」伊原が作ったチョコが盗まれた!?「遠まわりする雛」3月。千反田に頼まれて雛祭りの手伝いをすることに。しかし当日、雛が歩く道の一部で工事が始まってしまっていた。
古典部シリーズ第4弾。4人の1年間が書かれています。千反田さんはラストの話を読んで大人だなーと思いました。奉太郎が振り回されて変わってきたなと思いました。
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古典部シリーズ第4弾。
5弾まで読んでからのレビューです。
5つの中で一番好きな作品。事件の謎解きよりも、古典部4人の心情に迫っていて、より甘酸っぱい青春だからかと思います。
バレンタインの話がいい。
ちなみに、千反田に、友人がかなり似ていることを再確認…
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毎度おなじみ古典部の話し。4作目だから続編ってわけじゃなく、間にあった小話の短編集。だから最初あれ?間違えて買ったかとおもたよ。
心当たりのあるものはばかり評価している人がいるが、この話はあきましておめでとうと対比されるものだろう。
心当たり〜は作者の思い道理のご都合主義に話しが進み、あきまして〜は練り上げた伏線を回収して作り上げた話だ。
でもわしは最初の方の話しが面白かったなぁ…題名?…もう忘れたよw