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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.7
- 出版社: 新日本出版社
- サイズ:20cm/326p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-406-05054-8
- 国内送料無料
紙の本
帝国と核兵器
著者 ジョセフ・ガーソン (著),原水爆禁止日本協議会 (訳)
アメリカの指導者たちがアメリカ外交政策の目的を達成するためには、ためらうことなく核兵器使用の脅迫をおこなってきた事実を詳細に記す。世界的な不安定の根源に読者の目を向けさせ...
帝国と核兵器
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商品説明
アメリカの指導者たちがアメリカ外交政策の目的を達成するためには、ためらうことなく核兵器使用の脅迫をおこなってきた事実を詳細に記す。世界的な不安定の根源に読者の目を向けさせる一冊。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ジョセフ・ガーソン
- 略歴
- 〈ジョセフ・ガーソン〉アメリカフレンズ奉仕委員会ニューイングランド地域プログラム責任者。アメリカの軍事介入、核兵器に関する研究などに取り組む。著書に「広島の目をもって」など。
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紙の本
人類と核兵器は共存できない
2007/09/25 05:33
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久々に視点も論点もすっきりとしたものを読んだ。アメリカの核開発から広島・長崎への投下の真相、その後も核兵器を開発し使用をほのめかしながらのアメリカの核脅迫という過去と現在を知ることができる。
アメリカでは、いまだに原爆投下によって、百万人の連合軍兵士の命が救われたと原爆投下を正当化する教えがまかりとおっている。
それだけではない。そもそも被爆者の実態や真実は60年以上たった今も明らかにすることを、アメリカ政府は妨害し続けている。原爆が人間に与えた影響を知らせることなく、原爆投下を正当化しているために、多くのアメリカ人は政府の言い分を信じているという。
日本でも歴史認識の問題が問われているが、アメリカでも同じ問題がある。
「政府が過去を支配しようとするのは、現在と未来を支配するためである」「歴史感覚を持ち合わせない国民はそれを信じてしまう」
日本でも「核の傘」とか「核抑止論」を主張する人たちがいる。だが、現実を見よ、と言いたい。最も早くから核兵器を開発し多量に所有するアメリカによってどんな抑止力があったのか。朝鮮戦争、ベトナム戦争、現在も続けられるイラク戦争、核抑止力などというものはどこでどのように働いているのか。まったくのデタラメ論であることは明白である。
アメリカは核の力で他国を脅迫し続けているということを著者は明らかにしている。
本書の特徴は、そんなアメリカの実態を明らかにするだけではなく、世界各国の核兵器廃絶の運動を紹介し、その核兵器廃絶の運動に大きな力を発揮している日本の運動を紹介している。
「人類は核兵器と共存できない」という被団協のメッセージの持つ意味を心底から理解し、核兵器廃絶実現めざす運動の意義を強調している。
「解説にかえて」を立命館大学国際平和ミュージアム館長の安斎育郎氏が書いている。
”問題の政治的本質をしっかりと見極め、単なる「非核の世界への願望」というナイーブな意識状況から、核兵器廃絶を実現するための政治的過程を見据えた、地に足の着いた力強い運動へと発展させていくことが非常に重要であろう。被爆の実想を知ることはもちろん、私たちは、非人道的な核兵器を世界支配の道具として利用する「好核国家」の論理とその政策展開、そして、それを支えるための科学・技術や経済、さらには「平和と安全」を標榜して国民を核脅迫政策支持にする(手品のような)仕掛けについても学ばなければならない”
その最適のテキストのひとつと安斎育郎氏も述べているが、まさにそうだと思った。ぜひ、ぜひ読んでいただきたい。