「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.7
- 出版社: 河出書房新社
- サイズ:20cm/401p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-309-62304-7
紙の本
アレクサンドリア四重奏 4 クレア
時は経過し、あの都会も戦争の深い影に覆われている。島で暮らすぼくのもとに、ネッシムから、帰ってくるようにという便りが届いた。彼は空襲で負傷し、ジュスティーヌは軟禁されてい...
アレクサンドリア四重奏 4 クレア
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
時は経過し、あの都会も戦争の深い影に覆われている。島で暮らすぼくのもとに、ネッシムから、帰ってくるようにという便りが届いた。彼は空襲で負傷し、ジュスティーヌは軟禁されているという。すべての人間関係が変わっていた。不安な心がぼくの内部で北極星のように震えた。しかし、憐れみと欲望と恐怖のあいだで、あの都会がふたたび眼前に広がるのをぼくは見た。ぼくの記憶が仮面の人々を住まわせておいた、あの邪悪で美しい都会。かつて、そこをぼくはとても愛していたのに、踏みとどまるだけの気力がなかった。いまにして思えば、憎んでいたのかもしれない。永久にあの都会から立ち去り、その殻を脱ぎ捨てるためにも、ぼくはいま、再会しなければならなかった。アレクサンドリア、追憶の首都に—。【「BOOK」データベースの商品解説】
いまにして思えば、憎んでいたのかもしれない。永久にあの都会から立ち去り、その殻を脱ぎ捨てるためにも、ぼくはいま、再会しなければならなかった。アレクサンドリア、追憶の首都に−。愛の4部作最終巻。〔「クレア」(1976年刊)の改題改訳〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ロレンス・ダレル
- 略歴
- 〈ロレンス・ダレル〉1912〜90年。インド生まれ。小説「黒い本」を絶賛され、作家としての地位を確立。キプロス島のルポルタージュ「にがいレモン」でダフ・クーパー賞受賞。詩集、紀行なども多数。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
クレアと共に現在と現実へ
2021/06/25 14:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:une femme - この投稿者のレビュー一覧を見る
アレクサンドリアを再訪した主人公が、過去の重みを引きずりながら、現在へ、クレアと共に現実へと、切り込んでいく。街や友人らの変化、あるいは、変わることのない空気のなかで、時を経たことで見えることや知ること、そして何より、現在を生きている自分たちを感じながら、街を、そこで起きたことを、生きた人々を、見つめ直す。友愛で結ばれたクレアと共に。
戦争という大きな出来事に見舞われる街にいながら、巻き込まれることなく見つめている主人公の視点や描き方、クレアの存在のあり方の強さや生身の知性とも言える聡明さ(生温かく、熱量のある聡明さ)、作中で作家であったパースウォーデンの芸術論の味わいなど、素晴らしく面白い。また、終わり方も、物語に則した現実味があり、綺麗だった。
総じて、時間や作家論に加えて、身体的な感覚と文化の混ざり合いが折り込まれた、四部作だと思った。