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商品説明
孤独で気侭な探偵・頚城悦夫。若く美しい依頼人。冴え渡るはずの勘が、瞬く間に鈍っていく…。洒脱でキュートでスリリング、新感覚ハードボイルド。【「BOOK」データベースの商品解説】
孤独で気儘な探偵・頸城悦夫のもとに元都知事の大物タレントの館にある「芸術品」を取り戻して欲しいという依頼が舞い込む。若く美しい依頼人。冴え渡るはずの勘が、瞬く間に鈍っていく…。新感覚ハードボイルド。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
森 博嗣
- 略歴
- 〈森博嗣〉1957年愛知県生まれ。工学博士。「すべてがFになる」でデビュー。ほかの著書に「黒猫の三角」「女王の百年密室」など。
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紙の本
恋愛小説
2019/01/24 21:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シーニ - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめの主人公の話方は、シニカル。意味なく、はぐらかす会話に苛立ちを覚えるが、ほんの序盤だけ。
探偵小説の体だが、暑苦しくない非常にスッキリした展開で、恋愛小説の要素が大きい。
恋愛小説としても楽しめる。
どうしようもなく、内面がジリジリする恋の切なさを思い出させる作品。
次作品も素晴らしい。
紙の本
ゾラの一撃で
2007/10/04 16:14
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノン・シリーズの探偵・頚城悦夫のもとに
志木真智子という女性が訪ねてきます。
世界的に有名な殺し屋ゾラから
狙われている法輪清治郎から
昔、母親が預けた「天使の演習」という
美術品を盗み出してほしいという依頼でした。
頚城は法輪清治郎に接近し
その家の居候になることに成功します。
志木真智子と法輪清治郎の関係や
天使の演習を盗み出せるのか、
またゾラは法輪を撃てるのかと
ミステリー風味でハードボイルドの乾いた文体。
もともと真智子は法輪の甥である
法輪洋樹を通して現れるのですが
洋樹と真知子の母親の関係が明らかになってくると
それまでの洋樹のあっさりした対応が気になってきます。
ここが納得いかない。
でも話としてはおもしろい。
紙の本
冒頭の文章が素敵です。リズム、語り口、思わず、村上春樹?って思いました。でも、そのあとはいつもの森節。内容?ま、ハードボイルドの平均レベルでしょ、フツー
2007/11/27 22:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
森博嗣がハードボイルド小説を書いた、うーん、気になりますよね。でも、ついこの間、森の本読んだばかりだし・・・。と躊躇ったのは数秒、タイトルはあまりセンスを感じませんが、読まないわけにはいきません。ちなみに副題というか英文タイトルはZola with a blow and goodbye です。そのままじゃん・・・
カバー折り返しにもさり気無く
Zola
with
a blow
and
goodbye
と書くところが、くどいっていうか・・・
でも、巻頭言に
「どうして片足なんかひいていらっしゃるの?」
「でも本気でひいているわけじゃありませんがね。ゆうべはだれがだれを殺したんだろう?いったいいつになったらたまらなく素晴らしい殺人事件を手がけることができるのかなァ」
★『ブラームスはお好き』フランソワーズ・サガン著、朝吹登水子訳、新潮文庫。
各章冒頭の引用も同書による。
とあるのを見つけて、無性に読みたくなるんですね、未読のサガン『ブラームスはお好き』を。あれって探偵小説?なんて思ったりして。ついでに目次に目を通すと、やってます。
プロローグ
第1章 観測・詮索・そして予感
第2章 兆候・香水・そして懐疑
第3章 刹那・決断・そして末尾
第4章 乖離・記憶・そして帰着
エピローグ
と見た目に綺麗。でもよく見ていると、字数はともかく、例えば「観測、兆候、刹那、乖離」「詮索、香水、決断、記憶」「予感、懐疑、末尾、帰着」とグルーピングするとどうも違和感があります。要するに纏まっていない。観測、兆候まではいいけれど、刹那、乖離は繋がらない。詮索、決断、記憶はいいけれど香水は仲間外れ。予感、懐疑は親戚だけど末尾、帰着は赤の他人。もっと考えて欲しかったなあ・・・
ちなみに、装丁 岩瀬聡とありますが、装画の担当は記載がありません。見つけられなかっただけかもしれませんが、気になります。
さてお話ですが、孤独で気儘な探偵・頸城悦夫が多分、バーであろうお店でマスターにスピーカーのことで文句を言いながら、人を待っている場面から始ります。彼が人を待っていることに茶々を入れる、恋人のような押し付けがましい女が現れたり、それこそハードボイルと、といいたくなる美人の依頼人が現れたりします。
営業妨害をするのが赤座都鹿、頸城の友人となっていますが、図々しいのが印象に残るだけで、容姿、年齢はよくわかりません。で、美しい依頼人というのが志木真智子、年齢は25歳前後、良家の子女といった感じ。母親と日本に戻ったばかりで、彼女の依頼というのが、昔、母がある人に貸した芸術品「天使の演習」を取り戻して欲しい、というものです。
で、その骨董品を借りっぱなしというのが、タレントで元都知事、10年ほど前に還暦を迎えたといいますから現在70歳になろうという法輪清治郎です。彼には殺人予告があったという噂があって、その発信人というのがゾラという殺し屋です。彼が殺す、という噂がたってからも確実に仕事をこなす、出版物も多い一種のヒーローです。
ま、ここからはルパンものみたいな展開をしていくので楽しんでください。
さて、印象ですが前半、特に50頁くらいまでの文章がいいです。私などは村上春樹のそれを連想したほどです。いつもより会話量が少なくて、地の文も改行が押さえ気味。それでいてリズミカルです。このままいけば、ライトボイルド(造語)になるのかなと思うほど読んでいて心地よい。ちなみに、森の作品の殆どを私と一緒に読んでいる大学一年長女も同じことを言っています。
ただ、残念なことに、それが最後まで持続することはありませんでした。途中からいつもの森節になってしまいます。そして甘すぎる男女関係。そして予想通りのエンディング。結局、森博嗣はどんなに固ゆでの殻をむいても森博嗣なわけで、卵の中身が変わるわけではない、ということが分った次第。
ただし、他のシリーズほどにベトついた印象はありません。登場人物たちの年齢設定が影響しているのでしょう。特に、頸城と二歳年上の舞台女優で若いとき、彼と暮らしていた水谷優衣との距離感の絶妙さは、今までになかったものでしょう。悪くはない、でも森でなければ、という作品でもありません。