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商品説明
海辺にたたずむ寄宿制女子高校「ガリラヤ学園」。夏休みの学園に取り残されたのは、厳格な女性教師にうんざりしている個性的な5人の少女たち。だが、大人びた美少女・渚が転校してきた日を境に、謎めいた殺人事件がたてつづけに起きる。恐怖におののく少女たちの忘れられない夏が幕を開ける。奇談小説家・早見裕司が放つ戦慄の学園ホラー・ミステリー。【「BOOK」データベースの商品解説】
「血は、人の魂そのものなの」 海が黄金色にきらめく夕暮れ時、謎めいた美しい転校生はやって来た。世間から隔絶された学園で次々と起こる不思議な事件。犯人はいったい誰? その目的とは? 戦慄の学園ホラー・ミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
早見 裕司
- 略歴
- 〈早見裕司〉1961年生まれ。奇談小説家。雑誌ライターの仕事を経て、88年に「夏街道」でデビュー。著書に「水路の夢」「世界線の上で一服」など。
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なんていうか、意地悪な教師っていうのはいるんです。どこの学校にも一人や二人は。それにセクハラ教師、ね。でも書き方を一歩間違うと、折角のリアリティが・・・
2007/10/08 19:40
8人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
何度褒めても、褒め足りない気がするブックデザインのミステリーYA!シリーズ、今回は早見裕司。勿論、私、初めて読む作家です。タイトルがなんだか翻訳ものみたいなのと、カバーの印象は、いかにも児童書といった風情、小学生高学年向きのようで、先日読み終えたばかりの『三番目の魔女』を彷彿とさせます。そんな装画は笹井一個、ブックデザインは守先正です。
まずカバー折り返しの案内文ですが、
「海辺にたたずむ寄宿制女子高校「ガリラヤ学園」。
夏休みの学園に取り残されたのは、
厳格な女性教師にうんざりしている
個性的な五人の少女たち。
だが大人びた美少女・渚が
転校してきた日を境に、
謎めいた殺人事件がたてつづけに起きる。
恐怖におののく少女たちの
忘れられない夏が幕を開ける。
奇談小説家・早見裕司が放つ
戦慄の学園ホラー・ミステリー。」
となっています。これでは正直分りませんね、今まで出た本の中でも特に分らない部類のものじゃあないでしょうか。
でもそれにbk-1の紹介
「血は、人の魂そのものなの」 海が黄金色にきらめく夕暮れ時、謎めいた美しい転校生はやって来た。世間から隔絶された学園で次々と起こる不思議な事件。犯人はいったい誰? その目的とは? 戦慄の学園ホラー・ミステリー。
を読むと、なんとなく雰囲気が分ります。ホラー・ミステリーなので話の中身についてはこの程度にしておきます。舞台ですが、既に書いたように海辺にたたずむ寄宿制女子高校「ガリラヤ学園」です。ま、海辺近くの森の中にある、というほうが正しいでしょう。学園は一学年120人なので、総計360人の女生徒たちが全寮制の寄宿舎で暮らしているのですが、今は夏休み。
そのため、帰宅を許可されていなかった学生五人と二人の教師だけが残っています。五人というのは二年生の湯田江利、糸魚未佳子、桂亜佐美と一年生の高見碧、篠山衣良です。あとは、殆どイジメだけが楽しいといった感じの蓼科と学校医の山辺です。各人のプロフィルは最後にまとめておきましょう。
で、ここに伊塚見渚が転校してくるんですが、分りませんよね。なぜ、生徒がいない夏休みにやってくるのかが。で、彼女がやってくるのを二人の教師が知っていた気配もない。引っ掛かる、というほどではないんですがちょっと疑問。それと、蓼科の年齢がわからない。いや文中には30代のあたま、とは書いてあるんですよ。でも、なんとなく40代後半のオバサン、っていう感じです。
でね、気になるのは高校二年生が三人もいて、なんで女教師にこうまで苛められて黙っているのか、っていうことなんですね。だって、問題児なんでしょ。やりゃあいいじゃないですか、一回くらい絞めてやれば。確かに悪い教師はいますよ、でもこういう教師が野放し、っていうのは幾らなんでも絵空事だなあ、って思います。
それに連続殺人でしょ。ただし、それじゃあダメか、っていうとそうではありません。話は後半に入って意外な展開を見せてくれます。そしてラストが悪くない。次女に言わせると「こんなにハッピーでいいのかな」となりますが、私には、かなり含みのある終り方だなあ、って思える。なんていうかぺ・ヨンジュン主演『四月の雪』のエンディングみたいな、感じ。
ただ女子校っていうのは、もっとワサワサしていて猥雑なんですよね。そういう部分がなくて、男のファンタジーみたいなものが入っちゃっている。そこが、欠点といえば欠点。だって、桜庭一樹の『青年のための読書クラブ』と読み比べてくださいよ。女子校出でない人がよくもまあ、ここまで書くな、っていう、ファンタジックでありながらリアルという離れ技を見せていますから。
ま、それは桜庭の才能がいかに傑出しているか、っていうところになっていってしまうんですが、そういうパワー、実際の女学生の持つエネルギーがこのお話からは出てきません。結局、なに気取ってのだろ、風な印象は否めません。次女なんて現金なもので、その後は桜庭の追っかけモード突入です。ま、それは我が家を上げての話で、先頭にたっているのは我が夫なんですが、そこまでの魅力は、『満ち潮の夜、彼女は』にないことは確かです。以下、登場人物のプロフィール。
・湯田江利 2年生。さばさばしたボーイッシュな少女。頭が切れすぎて、先生たちからは煙たがられている。自分の感情を抑えることに長けていて、冷静な観察者でもある。
・伊塚見渚 謎めいた雰囲気を漂わせる転校生。柔らかい茶色のロングヘアと瞳、すらりとした肢体を持つ大人びた少女。
・糸魚未佳子 2年生。生真面目な優等生で、先生からの信頼も厚い。問題児が集まった部屋の室長を務める。めんどう見はいいが、必要以上に干渉しない。
・高見碧 1年生。人形のような端正な容姿を持つ物静かな少女。人とコミュニケーションをうまくとることができない。黙々と机に向かって何か作業をしているが、ルームメイトも何をしているか知らない。
・篠山衣良 1年生。体つきもきゃしゃだが、気が弱くて泣き虫の少女。いつも海に向かって泣いている。困った癖があり、ルームメイトから敬遠されている。盗癖。
・桂亜佐美 2年生(留年したのでルームメイトより1歳年上)。セクシーで、自分もそのことをよく知っている。メイクをするのが大好きで、いつも鏡をのぞき込んでいる。
・蓼科先生。30歳をいくつか越えた、髪をきつく結い上げている茶色いセル縁の眼鏡をかけた教師。独身。乗馬用の鞭をいつも持っていて、気に食わない生徒がいればお仕置きをする。
・山辺先生。学園でたった一人の男性。保健室にいる学校医だが、男手が必要なものは何でもこなす雑用係でもある。年齢がよく分らない。