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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.7
- 出版社: 柏書房
- サイズ:19cm/366p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7601-3167-9
紙の本
治療島
著者 セバスチャン・フィツェック (著),赤根 洋子 (訳)
目撃者も、手がかりも、そして死体もない。著名な精神科医ヴィクトルの愛娘ヨゼフィーネ(ヨーズィ)が、目の前から姿を消した。死に物狂いで捜索するヴィクトル、しかし娘の行方はよ...
治療島
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商品説明
目撃者も、手がかりも、そして死体もない。著名な精神科医ヴィクトルの愛娘ヨゼフィーネ(ヨーズィ)が、目の前から姿を消した。死に物狂いで捜索するヴィクトル、しかし娘の行方はようとして知れなかった。4年後、小さな島の別荘に引きこもっていた彼のもとへ、アンナと名乗る謎の女性が訪ねてくる。自らを統合失調症だと言い、治療を求めて妄想を語り始めるアンナ。それは、娘によく似た少女が、親の前から姿を隠す物語だった。話の誘惑に抗し難く、吹き荒れる嵐の中で奇妙な“治療”を開始するヴィクトル、すると失踪の思いもよらぬ真実が…2006年ドイツで発売なるや、たちまち大ベストセラーとなった、スピード感あふれるネオ・サイコスリラー登場。【「BOOK」データベースの商品解説】
精神科医の愛娘が消えた。4年後、小さな島の別荘に引きこもっていた彼のもとへ、謎の女性が訪ねてくる。自らを統合失調症だと言い、治療を求め妄想を語り始めるが、それは娘によく似た少女が親の前から姿を消す物語だった…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
セバスチャン・フィツェック
- 略歴
- 〈セバスチャン・フィツェック〉1971年生まれ。ベルリン在住。テレビ・ラジオ局でディレクター、放送作家として活躍。
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紙の本
ちょっとつたない感じもするけど、ノンストップ・サスペンス。
2009/09/28 23:11
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代、ドイツ・ミステリです。
現代ジャーマン・ミステリというと、ちょっと前になるのですが、
「朗読者」のベルンハルト・シュリンクが書いた、(元検事しかも、ナチスの国家検事だった)
で探偵ゲルハルト・ゼルプのシリーズを
(ゼルプの裁き ゼルプの欺瞞、ゼルプの殺人、ゴルディオスの結び目なんかがあります)
結構追いかけて読んでいたのですが、
さて、どうでしょう、、?
精神科医のヴィクトルは、とある診療所の診察室で娘のヨゼフィーネが失踪したと言いはります。
しかし、証拠も、目撃者もまったくみつからず、事件はその後、うやむやになってしまいます。
それから、数年後、ヴィクトルは、孤島で隠棲しているのですが、
そこへ現れたアンナという謎の女性。アンナはヴィクトルに自分への治療を求め
謎を秘めた妄想を語りだします。
これ、叙述トリックとは、ちょっと違いますが、ほとんどそう。
語り手のヴィクトルの記憶が少しおかしく、あてにならないことは、確実で、
それでいて、どんどん謎を煽っていきます。
アンナのありえない話(自分の書いた児童文学の登場人物が実際にあらわれる)と、
ヴィクトルの娘の失踪の話が、どう絡んでくるのかが、最大のポイント。
著者にとってデビュー作で、ちょっと書きなれていないというか、つたない感じもしますが、
(訳文の所為!?)
しかし、めちゃめちゃノンストップです。
ページを繰る手が止まりません。
叙述トリックでどうせだまされるんだろう?
そんなこと書いていてもひっくり返されるんだろう?と割り引いて読んでもノンストップな本書、
著者の才能は確かだと思います。
ラストは、やっぱりか、とずるいよ、、。の二つの感想を持つと思いますが、
まぁ、気持ちよくだまされていい一冊だと思います
著者第二作の「ラジオ・キラー」も読みます(多分)。
紙の本
引いてしまう読者を読ませてしまう力量
2011/12/15 14:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツでは半端ではないベストセラーだったらしい。作者は作家としてはデビュー作だが、ラジオドラマとか、いろいろ物書きとしての仕事はしていたとか。相当な才能であるのは確かだろう。
最近多い精神的障がいを犯罪小説の素材にしたもので、どうもそういうのは好きではないのだが、しかし前に読ませる力は並ではない。実際には数日に分けて読んだが、なるほど解説の言うジェットコースターノベルで、最後は、風邪気味で早く寝ようと思っていたのに、後が気になって結局全部読んでしまった。
優秀で人気もある「スター」精神分析医ヴィクトルの最愛の一人娘、ヨーヴィが突然失踪する。誘拐か、死か?破壊的な人生の転換。それから4年後の展開に至るまでを物語りは辿るのだが、既に精神科病院に収容され枷をかけられ犯罪者であることが匂わされるヴィクトルに何があったのか、という興味と、4年前からの時間軸に沿った、これまた異様な事件の謎めいた展開とで、思わせぶりな書き方とあいまって、これはもう先を読みたくてしょうがなくなる。
しかし、書きぶりは最初からいかにも思わせぶりで、また謎めいている分曖昧な感じもあって、どうもその辺は胡散臭い。展開もよくあるといえばある設定で、どこか、そんなのありか、という感じを伴う。フェアではない、という感覚は結局説得力の問題か。ちょっと安易過ぎる気もする。
にもかかわらず、よく工夫されていて、読み進めると、その巧みさにやはり感心せざるを得ない、と個人的には思った(違和感を覚える読者も多いようだが)。それは何よりも医学的な根拠に支えられていて、あり得るという説得性を伴うからだと思う。これをやられると、なるほどと納得するしかない。
あまり好きな素材ではないとはいえ楽しんで読めたし、力量は折り紙付きというところか。ドイツでは次の作品もかなりヒットしていると聞く。
紙の本
なにが
2021/05/23 16:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
なにが現実でなにが妄想で、なにが真実でなにが嘘なのかわからないまま、主人公と同じように嵐の孤島に取り残されているような気持になります。
紙の本
中盤までは☆4つ
2014/08/01 23:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アトレーユ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一気読みしたくなるような、掴みは充分…ながら、結末は消化不良的。
驚愕のラストといえばたしかに…
でも途中までの密度の濃さを思うと、最後は肩透かしをくらった感じ。
終盤までは、底のないような薄気味悪さと、プロットの構築はがすごい。
忘れた頃に再読すると楽しめるかも(笑)