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金正日と日本の知識人 アジアに正義ある平和を (講談社現代新書)
著者 川人 博 (著)
姜尚中は金正日のサポーターか。政治学者と人権弁護士が『諸君!』『週刊朝日』で繰り広げたマスメディア騒然の大論争の核心がここにある。類似の発言を続ける知識人の責任を問う!【...
金正日と日本の知識人 アジアに正義ある平和を (講談社現代新書)
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商品説明
姜尚中は金正日のサポーターか。政治学者と人権弁護士が『諸君!』『週刊朝日』で繰り広げたマスメディア騒然の大論争の核心がここにある。類似の発言を続ける知識人の責任を問う!【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
川人 博
- 略歴
- 〈川人博〉1949年大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学教養学部ゼミ講師。弁護士。特定失踪者問題調査会常任理事を務め、拉致被害者の救出活動の一端を担う。著書に「サラリーマンの自殺」等。
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姜尚中教授は金正日のサポータ?
2007/07/04 19:38
18人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
過労死、過労自殺、労災などを中心に弁護活動を続けている社会派弁護士、川人博さんが緊急出版した本書は驚きの連続だった。東大教養学部で講師として「法と社会と人権」ゼミを10年以上続けている川人さんは、どちらかというと地味な、しかし誠実で確固たる信念を貫く弁護士。その人が、今年に入り何度か週刊誌に、今をときめく政治学者であり東大教授の“「姜尚中」にかみついた”という見出しで名前が載り、いったい川人さんに何が起こっているのか、と疑問に思っていた。それが本書でようやく解けた。
「姜尚中は金正日のサポータか」という本書のキャッチ・コピーにみられるように、川人さんが北朝鮮による日本人拉致被害者を支援する活動を続けているうちに、どうも姜尚中氏の発言が腑に落ちない、おかしいと感じるようになった、という。それは2002年9月17日、小泉首相が訪朝し、第一回日朝会談終了後に始まったという。
姜尚中著『日朝関係の克服』(集英社新書)は次のように記している。『あえて繰り返すが、<首領>が<告白>し<謝罪>してしまった以上、もはやそれ以上の政治的決断などありえない。つまり、北朝鮮は、拉致問題について<最後のカード>をすでに切ってしまったことになる。だとすれば、拉致問題に関して、北朝鮮が失うものは、もはやないとみるべきである』。(増補版 p161より)
この発言に対して、川人さんは「日本国民に対して、北朝鮮の発表どおり、横田めぐみさんらが死亡したことを認めよ、北朝鮮が自白した13人以外には拉致被害者がいないことを認めよ、ということにほかならない」と反論。この記事だけではない。姜尚中氏は「くれぐれも拉致問題の解決を日朝正常化の前提にしてはなりません」など、日本人の国民感情を刺激しさまざまな誤解を生む発言を繰り返しているようなのだ。そこで、川人さんは弁護士らしく、法廷での手法を用いて論点をはっきりさせて姜尚中氏に質問しても、その答えはいつも論点がずれてはぐらかされる、と本書で嘆いている。
どちらが、正しいのか、それは本書を読んだ読者にゆだねられているが、詳しく読んでいくと、金正日の発言に呼応するような姜尚中氏の発言が確かにある。本書を書いた川人さんに対して、姜氏がどのような反論を展開するのか、楽しみである。
とにかく久しぶりにドキドキする本面白い本に出あった。200人以上もいると言われている北朝鮮による拉致被害者家族とともに体を張って闘っている著者たちの活動も本書には詳述されている。
紙の本
やっとマトモな人権派が日本にも登場したという戦後史上記念碑となる名著登場!
2007/08/19 23:00
17人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後の日本では、長らく不思議な現象が「当たり前のこと」として罷り通って来た。「反戦平和」を叫びながら、戦争反対の運動対象は常にアメリカに限定されてきた。有名な反戦運動に「ベトナム反戦運動」があるが、これも北ベトナムの共産勢力の南ベトナム侵略を止めようとして出動したアメリカの軍事行動のみが抗議の対象とされた。ソ連による東欧諸国への軍事侵略が起きても、あるいはキューバがアフリカに派兵して侵略行為を行なっても、丸山真男以下の自称「知識人」たちは沈黙を守り容認する態度を取った。核実験についてもそうで、アメリカが核実験を行なうと座り込みをしたり太鼓を叩いたりして抗議する人たちの映像がNHKを通じて繰り返し繰り返し流されるが、中国が核兵器開発に成功したときは、砂漠でバンザイを繰り返す中国人の映像ばかりが流された。日本共産党の影響下にある原水禁は「共産主義勢力の核は世界を平和にする為のきれいな核、アメリカの核は世界侵略の為の汚い核」などという妄言を抜け抜けと吐いていた。人権侵害についても同様。アメリカがなんかすると大騒ぎするくせに、中国や北朝鮮、あるいはアフリカで、中東でアメリカ以外の勢力が何十万何百万何千万人虐殺しても黙殺(文化大革命を見よ、ルアンダの虐殺を見よ、ダルフールの虐殺を見よ)。要するに戦後日本の「反戦運動」「平和運動」「人権派」にとって反戦、平和、人権はすべて名ばかりの口実に過ぎず、その本質は反米運動であったのである。この化けの皮が近年ようやくはがれ始めた。言わずと知れた天才政治家・小泉純一郎様の偉大な決断のお蔭で、北朝鮮が行なってきた数々の侵略行為、人権蹂躙行為が白日の下にさらされたからである。小泉様の北朝鮮訪問と拉致被害者奪還という偉業のお蔭で、それまで北朝鮮を擁護して続けてきた言論人、大学教授はその信用を全て失墜し、事実上論壇やマスコミから完全追放された。ところが、ところがである。彼ら似非平和主義者がマスコミから総退場したあたりから相前後して、彼らがいなくなった空白を埋めるかのようにマスコミへの登場回数を激増させたのが、本書の批判対象・姜尚中である。人権派弁護士として鳴らした正真正銘の正義の人・川人博さんは、しかし日本の戦後ずっと続いてきた「平和に名を借りた反米運動」「人権に名を借りた反米運動」が許せなかった。北朝鮮という誰の目にも明らかな凶悪なる犯罪行為に目をつむり、ひたすらアメリカや日本の危険性のみを非難する姜尚中の言論が許せなかったのである。その怒りの深さは、本書を読めばひしひしと伝わってくる。何よりも無意味なレッテル貼りや罵詈讒謗で逆ギレする姜尚中の破綻した論旨を懇切丁寧に論破していく冷静なる文章を読めば、「もう人権に名を借りた政治宣伝=反米活動あるいは反日活動は許さないぞ」という人権派弁護士川人博さんの静かな、しかし非常に深い怒りを強く強く感じずにはいられないのである。来年は北京オリンピックである。しかし、いまだに日本では、今や世界的関心事となっているスーダン・ダルフールでの虐殺行為と、資源欲しさにスーダン政府支援を続ける中国政府の姿勢に対する世界の人権家たちの非難の声がほとんど全く報道されない。世界では「ジェノサイドオリンピックをボイコットせよ」と言う声が日増しに強くなっている。「東アジア共同体」等という妄想に駆られていると日本は世界的にも孤立しかねないのである。本書を読むことを契機にアジア主義の亡霊から脱却する人が1人でも多く誕生することを願わずにはいられない。