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商品説明
お江戸の片隅、お紅と清次の姉弟二人で切り盛りする、小さなお店「出雲屋」。鍋、釜、布団にふんどしまで、何でも貸し出す出雲屋ですが、よそにはないような、ちょっと妙な品も混じっているようで…。彼らは、生まれて百年を経て、つくもがみという妖怪に化した古道具。気位も高く、いたずら好きでおせっかいな妖怪たちは、今日もせっせと、出雲屋を引っ掻き回すのでありました。ほろりと切なく、ふんわり暖かい。畠中ワールド、待望の最新作。【「BOOK」データベースの商品解説】
江戸の片隅、姉弟二人が切り盛りする「出雲屋」。鍋、釜、布団、何でも貸し出す店ですが、中にはちょっと妙な品も混じっているようで…。妖怪たちが引き起こす騒動の数々。ほろりと切なく、ふんわり暖かい連作集。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
利休鼠 | 9−48 | |
---|---|---|
裏葉柳 | 49−102 | |
秘色 | 103−151 |
著者紹介
畠中 恵
- 略歴
- 〈畠中恵〉高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒業。「しゃばけ」で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。ほかの著書に「アコギなのかリッパなのか」「まんまこと」など。
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紙の本
つくもがみ貸します
2007/10/05 17:47
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レッドストン06 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『つくもがみ貸します』畠中恵/著(角川書店)江戸の片隅、姉弟二人が切り盛りする「出雲屋」は鍋、釜、布団、何でも貸し出す便利な店です。「つくもがみ」と言う妙な題名が気になり何の予備知識もなく、オンライン書店ビーケーワンで購入してしまいました。自分の趣味の歴史書に交じって送られてきたこの本。妙な本が混じっているなと言った感じで手に取ったのですが、これがなかなか面白い。奇妙な妖怪たちが私の家に引っ越してきた様な気分になりました。静まり返った夜中に読んでいると、棚に並べている骨董の小物達の話し声が聞こえてきそうな雰囲気になりました。兎に角奇妙な妖怪達が引き起こす騒動の数々は、文句なしに面白く秋の夜長が短夜に感じること請け合いです。
紙の本
付喪神の活躍と距離感がいい
2008/11/05 16:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
深川の小さな小道具屋兼損料屋の出雲屋には
付喪神となった道具たちがたくさん住んでいます。
昔から百年も時間が経てば
モノだって神様になると考えられてきました。
付喪神とは、百年たって神様になったモノのこと。
ところで普通、付喪神が出てくれば
その来し方行く末が物語となるのですが
本書では付喪神は小道具でしかありません。
主人公はワケありな姉弟のお紅と清次。
血の繋がりのない二人が出雲屋を切りまわしながら
「蘇芳」と呼ばれる香炉を探しています。
お紅の想い人が絡む話ですが
連作短編で少しずつ核心に近づきます。
そこで活躍するのが付喪神たちです。
彼らはあちこちの家や店に貸し出され
そこでほかの付喪神や人々から噂話や情報を仕入れてきます。
付喪神と人間は話しちゃいけませんが
聞き耳を立てるのはいいという暗黙の了解があります。
これが「しゃばけ」シリーズとは異なるところ。
それが小説の味わいになっています。
ややお紅や清次のキャラや想いがご都合主義なのですが
行方知れずの男が大店の嫡男らしい、
いい意味でいい加減で、世渡り上手。
庶民のお紅や清次とは明らかに立っている次元が違う。
でも最後はお紅たちが幸せになるので、万々歳。
紙の本
「とにかくわずかな銭を払うだけで、不可思議で珍らかなものと会えるのさ。」
2008/03/16 21:51
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ちょいとお前さん、お前さんのことだよ」と、「序」のつくもがみの呼びかけに思わず引きこまれる。「我らを借りなさい。」と言われても借りるわけにはいかないので、読むことにした。
付喪神と呼ばれる「あやかし」を使った時代物の謎解き話。彼ら「あやかし」がたくさんでてくるがちっとも怖くない。どちらかといえばほのぼのとした話なのは、彼らの性格ゆえだろう。付喪神、と「神」の名がついてはいるのだが、西欧でいうなら「いたずら小人」のようであり、会話や言葉使いが生意気だったり、自分勝手だったり、尊大だったりしてやけに「人間的」でもある。
かれら「つくもがみ」を貸して生業を立てている姉弟を中心に話は進む。しかし話の魅力はやはり「かれら」であろう。中心人物の男女の機微もお話としては面白いのだが、人間を一寸突き放したような「つくもがみ」たちのありよう、会話が楽しい。例えば、最初に書いた「序」のような「我らを借りなさい。」としゃあしゃあと言ってのけるところなどである。
著者の本は昨年なにかと話題にもなり書評にも何度か登場していたが、読むまでには到っていなかった。しかし、この作品は楽しめた。読後、借りてきた本や古本屋で見つけた本にも「お前は何を見てきたの?」とつい聞いてみたくなってしまった。
ひととき楽しい思いをさせてもらったので、私に声をかけてきた根付の言葉をもじってこういわせてもらう。「とにかくわずかな銭を払うだけで、不可思議で珍らかなものと会えるのさ。だから御身も、彼らを読みなさい。」
装丁も楽しい。「利休鼠」「裏葉柳」・・「蘇芳」。各章を区切るページが各章の名と同じ「色」になっていて、その色も楽しめるのである。そのうち文庫化もされるのだろうが、この色も残してもらえないだろうか、是非。
紙の本
あやかしが、ほどく絡まった縁の糸
2012/01/13 12:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る
お初となる作家、畠中さんの作品。何しろ装丁フェチな僕なので、本の背表紙の放つ、
何ともユーモラスな雰囲気にヤられてしまったのだ。これも、つくもがみからのお導きかも知れない。
そんなこんなで早速頁を捲る。おっ!いきなり講談か落語を思わせる、語り口じゃあ、ありやせんかい!?
良いぞ、良いぞ、と心躍る。つくもがみの語る、小説の舞台となるは、
お江戸は深川にある小さな古道具屋兼損料屋の出雲屋という店。品を貸し出すのが商売だ。
つくもがみは誘う。口をきく品物、付喪神を借りてみたくないかい?と。
私や仲間を手にとってみたくはないかい?と。なら近所の店じゃあなく、出雲屋へ足を運ばにゃあなるまいて。
付喪神は他にもいようが、そんなものを貸し出してる損料屋は、出雲屋しか知らないからねえ、今のところ、と。
そうやって貸し出される、つくもがみの面々のキャラクターの個性的な事と言ったら!
煙管の付喪神で雁首に鷺の絵が描かれているので五位。気性の荒い、掛け軸月読み。姫様人形のお姫。
櫛の付喪神うさぎ等々。付喪神の面々は物語の、複雑に絡まった人の縁の糸を、
狂言回しとなってほどくヒントをお喋りする。その糸の先を握りしめ、様々な事件を解決していくのが、
お紅(こう)と清次(せいじ)の姉弟だ。姉の紅は、蘇芳(すおう)という骨董品の名を
自分の俳号にしている行方不明の人物を追っているらしい。連作短編ならではの、
パズルの欠片拾いが、全体を通じて繰り広げられてゆく。花のお江戸の義理人情も伏線として
巧く配置されている。加えて各章の導入部に現れる、つくもがみたちの語りの面白さと言ったら!!
自然と笑みが零れるのだ。仮にも付喪神として名に『神』を頂いてる身だ、気位高く、
馬鹿な若僧姉弟を導き、教えてやっていると思っているから愛らしいではないか!?
さあ、この愛すべき面々が迎える結末や如何に?
きっと、あなたも、この話に触れたら、つくもがみを借りたくなる事請け合いです!!
紙の本
装丁がうまい。
2017/11/18 10:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
話の一つ一つが「利休鼠」「裏葉柳」のように味わいのある色の名前だが、その扉にきちんとその色が使われて、しかもその話の中心人物、ならぬ中心つくもがみが描かれているのがまたいい。
「しゃばけ」シリーズほど妖のキャラの描き分けがないのが、ちょっともったいない。