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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2007/05/18
  • 出版社: 講談社
  • レーベル: 講談社現代新書
  • サイズ:18cm/285p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-06-149891-4
新書

紙の本

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

著者 福岡 伸一 (著)

【サントリー学芸賞(第29回)】【新書大賞(2008)】「生きている」とはどういうことか? 分子生物学がたどりついた地平を、歴史の闇に沈んだ科学者たちに光を当てながら平易...

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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

税込 968 8pt

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商品説明

【サントリー学芸賞(第29回)】【新書大賞(2008)】「生きている」とはどういうことか? 分子生物学がたどりついた地平を、歴史の闇に沈んだ科学者たちに光を当てながら平易に明かす。ページをめくる手がとまらない極上の科学ミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】

生命とは、実は流れゆく分子の淀みにすぎない!?

「生命とは何か」という生命科学最大の問いに、いま分子生物学はどう答えるのか。歴史の闇に沈んだ天才科学者たちの思考を紹介しながら、現在形の生命観を探る。ページをめくる手が止まらない極上の科学ミステリー。分子生物学がたどりついた地平を平易に明かし、目に映る景色がガラリと変える!

【怒濤の大推薦!!!】

「福岡伸一さんほど生物のことを熟知し、文章がうまい人は希有である。サイエンスと詩的な感性の幸福な結びつきが、生命の奇跡を照らし出す。」――茂木健一郎氏

「超微細な次元における生命のふるまいは、恐ろしいほどに、美しいほどに私たちの日々のふるまいに似ている。」――内田樹氏

「スリルと絶望そして夢と希望と反逆の心にあふれたどきどきする読み物です! 大推薦します。」――よしもとばなな氏

「こんなにおもしろい本を、途中でやめることなど、誰ができよう。」――幸田真音氏

「優れた科学者の書いたものは、昔から、凡百の文学者の書いたものより、遥かに、人間的叡智に満ちたものだった。つまり、文学だった。そのことを、ぼくは、あらためて確認させられたのだった。」――高橋源一郎氏


【第29回サントリー学芸賞<社会・風俗部門>受賞】
【第1回新書大賞受賞(2008年)】【商品解説】

目次

  • 第1章 ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク
  • 第2章 アンサング・ヒーロー
  • 第3章 フォー・レター・ワード
  • 第4章 シャルガフのパズル
  • 第5章 サーファー・ゲッツ・ノーベルプライズ
  • 第6章 ダークサイド・オブ・DNA
  • 第7章 チャンスは、準備された心に降り立つ
  • 第8章 原子が秩序を生み出すとき
  • 第9章 動的平衡(ダイナミック・イクイリブリアム)とは何か
  • 第10章 タンパク質のかすかな口づけ

著者紹介

福岡 伸一

略歴
〈福岡伸一〉1959年東京生まれ。京都大学卒業。青山学院大学教授。専攻は分子生物学。「プリオン説はほんとうか?」で講談社出版文化賞科学出版賞を受賞。

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みんなのレビュー931件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

極上の分子生物学ミステリー

2007/06/02 23:04

14人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:sheep - この投稿者のレビュー一覧を見る

「もう牛を食べても安心か」の続編にあたる本。広報誌「本」に連載された文章をまとめたものということで、生物と無生物の間について、肩をこらせることなく、面白く語っている。構成も語り口も実に巧み。帯にある通り、「極上の科学ミステリー、読み始めたら止まらない。」
新聞にワトソン博士が自分のゲノム(全遺伝子情報)を公開するとい記事があった。個人で公開するのは世界初だという。DNAの二重らせん構造発見に対して62年ノーベル医学生理学賞を受賞した人々だ。本書を読んでいなければ、ただ素直に「偉い!」と読み流していたろう。
本書6章ダークサイド・オブ・DNAで触れられている、1953年「二重らせん構造発見」の真実は余りに衝撃的。読みながら文字通り我が目を疑った。
ロザリンド・フランクリンという女性科学者が撮影していたDNAのX線写真を、非合法にこっそり見ることで、彼らはらせん構造だという確信をえたのだ。
たまたまワトソンの原書を読もうと手元においていたが未読。その自伝中で、彼はロザリンドのことをののしり、彼女が当然得てしかるべき、「二重らせん構造の共同発見者」という事実を握りつぶしているという。本来二重らせんは「ワトソン−クリック−フランクリン構造発見」と呼ばれるべきなのだ。いんちきな連中だ。
ロザリンドについての数奇なエピソード、よくここまで調べた!と感心したが、実は著者、「ダークレディと呼ばれて」という彼女の伝記監訳者だった。それでついそちらまで読まされてしまった。素晴らしい筆力、そして営業力?
1962年の彼らのノーベル賞受賞式の光景も衝撃的だった。他人の研究をこっそり利用した共犯者の集会ではないか。ノーベル賞のあやしさへの認識をあらたにした。ノーベル平和賞をみれば、とんでもない受賞者連の顔ぶれから、そのインチキさ、すぐわかるのだが。
順序が逆になるが、第5章、サーファー・ゲッツ・ノーベル・プライズも実に面白い。遺伝子研究の効率化を実現するPCRマシンを発明したマリス博士のひらめきについてのエピソードだ。著者は彼の自伝も翻訳している。マリス博士の奇想天外な人生 彼の訳書、面白くないはずはないと思って読んでいた。期待は裏切られなかった。
随所にある、ハーバード大学などでの、著者のアメリカ・ポスドク生活描写を読んで、「アット・ザ・ベンチ—バイオ研究完全指南」や、「アット・ザ・ヘルム—自分のラボをもつ日のために」を思い出した。手取り足取りの研究者指南に感心しながらざっと目を通しただけだが、いずれの本も、グラント取得の手腕など、アメリカ風研究スタイルというの文化的背景から必然的に生み出されたことがわかって興味深かった。
維持するために絶え間なく壊され続ける秩序。
極上のミステリー、あっという間に読み終えたが、随所に興味深い関連書籍があげられており、興味にあわせ、更に先に進めるようになっているのは有り難い。
巻末の文章を読みながら、漱石門下の物理学者、随筆家、寺田寅彦を思い出した。06年、第一回ジャーナリスト賞を受賞しているという。興味深い科学分野を専門とする頼もしい人があらわれたものだ。流行ミステリー作家ファンではないが、次の啓蒙書を期待して待ちたい。

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紙の本

あとがきの美しさ

2007/09/02 06:46

14人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

旅行中の機内で読み始めた。巻置くわず、一気に読了した。


 本の内容は既に他の書評の方の解説があるので そちらを参照されれば良い。各種書評での 毀誉褒貶ぶりは 話題本の宿命であろう。僕がここで言いたいのは 最後のあとがきの「美しさ」である。


 あとがきで著者は自分の小さい頃の 自然との関わりを述べている。秘密基地の探検、蛙を取ること、アゲハ蝶の飼育。東京の郊外で著者がやってきた子供時代の「遊び」は 紛れもなく僕自身がやってきた事と同じだ。この優れた書物の最後に 著者が静かに語る

 そんな美しい自然と その自然との関わりを読んでいて 不覚ながら涙が出た。
 

 僕らが小さい頃の自然は不思議だらけだった。僕らは 遊びを通じて そんな「不思議」に対して いろいろな「実験」をしてきた。
 そうして そんな実験から いかに色々な事を学んできたのか。この本のあとがきを読んだ時にのしかかってきた思いはそれだった。そう 子供の頃の遊びは「学び」だったのだ。

 著者は そこから分子生物学者になった。一方 僕はサラリーマンとして「経済」という分野で働いている。まったく違う分野にいる。但し 著者が語る 著者の子供時代への圧倒的な共感は そんな分野の違いを軽く超えてしまった。

 子供の頃に自然に触れて感じた驚きとおののき。それが この本の通常低音だ。著者は あとがきで自分の子供時代を描いている。しかし それは同時に今の著者自身でもあるはずだ。そんな著者の「思い」が 稀に見る美しいあとがきに結実している。

 僕らは 驚きとおののきを忘れるべきではない。今でも 僕らに分かっていないことは きっといくらでもあるのだから。世界は やはり 今尚 不思議だらけなのだ。

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紙の本

美しいサイエンス

2008/05/17 10:15

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ココロの本棚 - この投稿者のレビュー一覧を見る

サイエンスというカテゴリーに少し躊躇しましたが、読んでみての感想は・・・・・・。
「読んでよかった!」

分子生物学を専門とする著者。
この本の中では、DNA解明への道のりや、細胞の研究、ウィルスとは何か?などが語られます。
その知識だけでも十分に楽しめるのですが、この本の素晴らしさはずばり文章です。

見た者だけに表現できる、生命の美しさ。
研究の日々、過去の偉大な学者たちの功績。
美しい表現力は、非常に文学的です。

ミクロの世界は果てしない宇宙にも似て、神秘的で広大で複雑で生命力に満ち溢れています。

生命とは一体何なのか。

貝殻と小石をわける、その境界はどこにあるのか・・・・・・。

一つ一つの細胞の躍動。生命の素晴らしさが溢れた一冊。



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紙の本

私たちは不可逆な流れ

2009/06/29 19:30

9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

 話は、いきなりマンハッタン島を遊覧する観光船サークルラインから始まる。そして、観光船から見える風景の中から、一気に野口英世の胸像へとズームアップされていく。もうこの後は、息をつかせず分子生物学の世界に引き込まれる。とにかく、話運びがうまい。アナロジーも適切なものが多い。
 
 そうして、読み手はオズワルド・エイブリー、アーウィン・シャルガフ、キャリー・マリス、ロザリンド・フランクリン、エルヴィン・シュレーディンガー、ルドルフ・シェーンハイマー、ジョージ・パラーディと現代生物学の偉人たちと出会いながら、現在の到達点へと案内される。
 
 科学の世界の明るい面ばかりでなく、ダークサイドも避けず、科学者のえげつなさ、エキセントリックな面、焦りなども描いていて、好感がもてる。これもまた等身大の科学者たちを知ることができる1冊である。こんな本を身近にいっぱい置いてあげれば、理科離れなんかなくなると思う。

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紙の本

「生物と無生物のあいだ」は、画期的な本です。

2009/09/23 16:11

8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る

 シュレーディンガーの「生命とは何か」で、生命は負のエントロピーを食べているというのは解っていたのですが、この本はさらに踏み込んでいって、原子の大きさに比べ動物の体がべらぼうに大きいのは何故かという理由を説明しています。そこには驚くべき科学の発達の成果が見られます。

 私はかねがね動物が体の設計図をたくさん持っているのは、どうしてなのかと思っていました。つまり、一つ一つの細胞の中に、からだ全部の設計図がそれぞれあり(人の場合20兆~60兆)、何ゆえ、設計図がそんなにたくさん要るのか不思議でした。設計図は1セットあれば良いし、予備を考えても5セットもあれば十分ではないか?それが何故、生物進化の過程で細胞の数だけ設計図が存在するようになったのか。そこの自然界における必然的過程が知りたかったのです。なぜ、生物はそのようにして複製を作ってきたのか?どういう必然性があってそうなったのか、それが疑問でした。この本のおかげでその謎も解けました。

 エントロピーについてはを扱っている本は
こちら

こちら
がとても参考になります。

こちら
の本は小説の中に、エントロピーという言葉が出て来ますが、これを理解するための何の役にも立ちません。でも面白いのでお勧めです。

「生物と無生物のあいだ」は、画期的な本です。

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紙の本

その命題に最終回答を得るための書ではなく。

2008/04/26 08:54

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る


 理科系の書物には興味があるものの、そちらの方面の埒外の生活を送っているためどうにも手を出すには臆してしまうきらいがあります。本書も各方面で高い評価を受けているという世評がなければ、そしてまた同じ講談社でも現代新書ではなくブルーバックスの一冊であったならば、決して手にすることはなかったと思います。

 率直に言うと、「生物と生物のあいだ」に関する<最終解答>が得られたという思いは残りませんでした。しかし私は本書を大いに楽しんだのです。高校時代に手にしたある一冊の本から味わった知的興奮を再体験したような気がしました。

 その本とは藤原正彦「若き数学者のアメリカ」です。研究のために渡ったアメリカという国で、学問にいそしむ中で見つめた人生について、実にみずみずしい日本語で綴ったあの本を読んだあの日のことが蘇ったのです。
 
 「生物と無生物のあいだ」も、著者が渡ったアメリカでの研究生活の中で、生物化学の先達たちが抱いた希望や野心や焦燥や驚愕に思いを寄せながら、生命というものをとらえようとすることの難しさと素晴らしさを綴っています。そうした研究史のひとつひとつが、私のような門外漢も一度として躓くことなくたどることが出来るような平易で明快、そしてなおかつ心にしみるような流麗な言葉で綴られています。

 しかしそこに書かれているのは、先述したように「生命の最終定義」ではありません。そのことに不満を覚える読者がいるかもしれません。しかし私は、これはどこかへたどりついた記録ではなく、今もなお「路上」にあることを記した書だと思って読み終えました。そうした本書のありかたに私は著者をはじめ生物学者たちの(精神の)<若さ>を感じ、憧憬の念を抱いたのです。
 「路上」を往き続けることは、<若さ>がなければ出来ないのですから。

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紙の本

素晴らしい

2015/11/12 14:36

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヒロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

分子生物学研究の裏側を、軽快な文章で語っている。とにかく、著者の文章力が素晴らしく、どんどん話に引き込まれる。生物学に縁がない方にもお薦め。

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紙の本

「生命とは何か」への答え。生命とは動的平衡にある流れ。

2011/07/20 00:51

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:レントゲンのパパ - この投稿者のレビュー一覧を見る

衝撃の刊行から4年が経過するも、未だおススメ棚を飾る一冊。内容も然ることながら、分子生物学者とは思えぬ美しく柔らかな文章構成は何度読んでも新鮮な感動を与えてくれます。

著者は冒頭から私たちに問いかけます。「生命とは何か?」と。

本書はその解答権を、DNA構造を発見したワトソンとクリック、PCR原理の提唱者キャリー・マリスといったノーベル賞受賞者たちに与えてくれません。遺伝子研究に多大な功績を残すも、日の目を見ることの叶わなかった影の立役者、3人のアンサング・ヒーローに求めています。

遺伝情報を運ぶ最重要分子がDNAであることを初めて発見したオズワルド・エイブリー。DNA結晶のX線解析によってDNAのらせん構造を初めて見出したロザリンド・フランクリン。そして同位体分子の質量分析から、生体を構成する全ての分子が常に代謝され置換されていく様を見て、「生命とは代謝の動的な流れであり、その流れこそが生命の真の姿」と提唱したルドルフ・シェーンハイマー。

著者は、彼らのひたむきな研究に対する情熱と決して諦めない信念、そして何より被ばくによる癌死や自殺といった非情な最後が、自身のポス・ドク生活や研究者の一面とリンクしたのでしょうね。

本書は、DNAをめぐるヒューマンドラマから、シュレーディンガーの「生命とは何か」への答えとして新たな生命観『動的平衡』など、幅広い領域をカバーしていますが、『動的平衡』に関しては新書では納まらず次回に続くようですね。

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紙の本

生物

2021/01/11 11:17

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルの「生物と無生物のあいだ」とはどういう事だろうと思いながら、この本を読み始めました。読み始めると、なぜかミステリーを読んでいるかのような感覚になりました。それだけ興味を持って読みました。

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紙の本

人知の及ばぬ生命体に深く安堵

2018/03/08 02:06

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:在外邦人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

長い間読みたいと思っていた本だったが、やはり読んで良かったと思える著書だ。先ず日本語表現の美しさと、構成の的確さに感銘した。「生命体とは一体どういう概念なのか?」を探究する著者の研究生活とその詳細な説明が、門外漢にも違和感を抱かせること無く非常に興味深く描かれている。古今の科学者達の激しい競争もミステリー仕立てで描かれていて、何やら切ないものがある。人体は1年もすると分子レヴェルでは完全に入れ替わっているものなのだという説明には驚く他無かった。ヴィールスは、寄生しなければ増殖出来ないという生命体の概念とは異なる不思議な存在とは!そして生命とは、実験室で調べきれるものではなく、時間の不可逆的な要素が込められた人知の及ばぬ世界である事も、少し理解出来た様に思う。ゲノムの解析が完全に出来る時代になっても、生命体の秘密のベールは未だ解き明かされていない。科学者がAIを駆使して調べたところで、解明されるものとは考えられない。AIは無生物、人間は生物なのだから、と思った次第。

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紙の本

生物と無生物のあいだ、そして研究とは何か

2022/11/08 13:50

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:令和4年・寅年 - この投稿者のレビュー一覧を見る

語り方が独得だった。偉人たちの足跡を追いつつ、自らの研究生活を振り返る。発見とは何か、研究とは何かを考えさせられる。ウイルスの話題がホットで、参考になった。

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紙の本

まるで自伝的小説

2020/07/10 19:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:色鳥鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書タイトルは「ナゾナゾ」みたいだ。
生物と無生物のあいだにあるもの、なーんだ?
答えは現在大流行して皆様を疲弊させているウイルスです!

ウイルスは菌ではないので生物ではない。たとえば肺炎を起こす肺炎双球菌というものは単細胞微生物だから「生物」だそうで。これらは殺せるけれど、ウイルスと言う名のものはそもそも生きていない、塩のように結晶化するほど幾何学的な形をした、「なにか」なのです。
ただ、こいつらは自分を複製する能力を持っている……。

SFなどでよく問われる、生物の条件に、自己複製すること、という答えが正解とされる場合があります。それだとウイルスは生きている。でも本書の著者は、ウイルスは増える鉱物みたいなもので「生きていない」と考える。
自己複製だけが生物の条件ではない、と。

では生物の条件とは何か?

……というのが大きなテーマ。その他、著者の研究者としての経験や、DNAとは何か、といった基礎知識。また、そのDNAを、本当に発見したと言えるのは、本当にノーベル賞受賞すべきだったのは誰なのか、といった、内部のドロドロ人間模様を含めて、楽しく読めるベストセラーです。

当時、本書が話題になった理由は、ウイルスとは?といった基礎知識が、門外漢にもわかりやすく書かれているから、というだけではなくて、知性と美的感覚に溢れた文体にある、と思います。まるで自伝的小説です。

私は昔から科学が土台にしている動物実験が気持ち悪くてならず、あんたらそんなに知識があるのならもっと生き物の命を守る工夫をしてよと思うものですから、読みながら著者の話に引っかかりを感じることもあります。
本書のノックアウトマウスや、今コロナウイルスの実験に使われている、病気にされて殺される、犬猫の人生を想像すると、吐きそうになる。もし自分がそうなったらって考えたことあるんか、あんたら。

しかし、相容れない価値観、だからこそ、彼らの意見は尊重したいと思います。それは何万回生きたところで絶対に私にはたどり着けない考え方だと思うからです。
たとえば。

秩序は守られるために絶え間なくこわさなければならない。

この言葉は、とかく現在の生活を、過去のしきたりを、そのまま続けることだけが秩序だと考えがちな私たちの常識をぶち壊してくれる美しさがある、と思います。
かなり前のベストセラーということで完全にネタバレしますと。
著者はこう結論します。

生命とは動的平衡にある流れである。
分子のレベルでは、私たちは砂で作ったお城のようなもの。
いっとき、そこにとどまる、儚い秩序でしかない。
「こういう形の砂の城である」ということだけは同じだけど、中身はどんどん入れ替わっていて、全く同じ砂の城であり続けることなど、できない。
たとえば私たちはタンパク質を蓄積できない。努力しないとサラサラ流れていってしまう一方だそうで。

近頃、外部からあらわれた脅威、コロナウイルスってのは、DNAを持った鉱物のようなもので、まさに砂つぶです。
これがどういう砂つぶなのか、どうやって追い払えばいいのか、あるいはうまく共存できる日がくるのか、まださっぱりわかりませんが。
昨日までのやり方が通用しなくなったからといって「負け」ではないので、柔軟に過ごしていきたいと思っております。

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紙の本

科学ミステリー

2019/06/20 19:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る

福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)は、エッセイのような科学読み物のような分子生物学の本。
研究内容と研究生活とを交互に記述する構成も、ミステリーの謎解きのような科学解説も面白かったです。
そう思って帯を見直すと、ちゃんと「科学ミステリー」と書いてありました。

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紙の本

科学に介在する「人間的要素」の大きさに、あらためて気づかされる

2007/08/05 19:04

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は多くの新聞の書評欄で賛辞が送られている。それも特別な枠が設けられて紹介されている。したがって、本書がすぐれた科学読み物であることは言を待たないであろう。
 ただし、過大な期待を抱いてはならない。本書は、講談社の読書案内誌『本』に連載されていたものを1冊にまとめたものである。そのため、どうしても書き下ろしの書物のようなまとまりに欠けるきらいがある。著者の専門である分子生物学の知見を、一般の人向けに分かりやすく書き連ねた、科学エッセイのような読後感を与える。それ以上でも以下でもないのである。
 だからといって、本書の価値が損なわれているかと言えばそうではない。すぐれた科学者は世にたくさんいることだろう。しかし、同時に、科学の世界から遠い人でも、苦労せずにすらすら読めるほどのこなれた文章を書く力を兼ね備えた人は少ない。
 本書の著者は、その数少ない人のひとりに数え上げられるだろう。「理科離れ」が言われて久しいが、すっかり理科や科学といった分野のことに疎くなってしまった人を、あらためて、その世界に引き込む力が本書にはある。それが、多くの書評で賛辞を送られている理由ではないかと思う。
 本書は、生命科学の分野における意外なエピソードを数多く盛り込んだ、知的好奇心をくすぐる本である。野口英世と言えば、日本ではお札の肖像にもなっているほどの偉人である。しかし、野口英世が籍を置いていた米国の研究所では、振り返られることもないほど評価が低いという。野口の当時の業績は、上司にあたる人の後ろ盾があってこそ成り立っていた。当時の技術水準では不可能な「発見」を次々に成し遂げながら、それに疑念が差し挟まれなかったのは、大御所の存在があったればこそであるという。
 このように、科学の分野に人間的な要素が影を落としている例が他にも紹介されている。例えば、あまりにも有名なワトソン-クリックによるDNAの二重らせん構造の解明。そこには、ノーベル賞授賞式には姿のなかったある研究者のデータが、決定的な鍵を握っていたことが描かれている。しかも、そのデータが、公正なルートでクリックにわたったわけではないことに嘆息を覚えてしまう。
 いかなる科学的発見とて、所詮は人間による実験と考察の結果である。そこには、知られざる「人間的要素」が常に介在することを本書は教えてくれる。
 さて、著者が本書を通じて言いたかったことは、「生命とは動的平衡状態にある流れ」ということである。脳細胞も含めて、人を構成する細胞、いや分子のレベルから、常に新たなものに置き換わっていく流れの中に我々はいる。半年、一年後に会う人は、一見して変化がないようでも、すっかり新しい分子から出来上がっているのである。それを同じ人として認知できるのは、動的平衡状態が保たれているからである。
 この動的平衡状態のシステムの利点は、ぜひ本書を読んで理解してもらいたい。本書の魅力の核心部分にふれるのは、読書の楽しみを奪ってしまうおそれがある。著者はたくさんの比喩を用いながら、よき導き手となって読者を分子生物学の世界へと誘ってくれるはずだ。

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紙の本

これが教科書だったらきっともっと生物に対して興味をもてたと思います

2008/02/17 11:46

12人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さあちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 高校の時生物を選択した。3年間学んだはずだが内容は既に霧散しており恩師の顔や名前すら思い出せない。(先生ごめんなさい)そんな私だからこの本を読み通すのは大変だった。読んだことが一回では頭にはいっていかないのだ。そんな私ーが興味惹かれるところは例えば日本ではお札にまでなった野口英世の業績は世界の中ではあまり評価されていないとか研究者同士による熾烈な一番争いの現実とか一般的には名前をしられてないような研究者の地道な努力だとか所謂サイドストーリー的なエピソードだ。そんな話が散りばめられていたからこそ読み通すことができたのだと思う。
 本筋は分子生物学というあまり馴染みのない話である。遺伝子の働きを解明していくものらしい。その中で印象に残っているのは今生きている生物の姿は無駄がないということだ。一つ何かが欠けていたとしても補うことができる。生きているということは奇跡であるということだ。様々な命溢れる中で生きている不思議さと美しさを思った。
 筆者は幼いころから自然に対して興味をもっていた人らしい。幼い頃体験した生物とのかかわりも記されている。3つ子の魂100までというがまさにその通り。幼い頃の体験は貴重なものだ。私の住んでいる所はどちらかといえば田舎に属すると思う。でも川岸はコンクリートで覆われ土はアスファルトで固められてきているように思う。蛙やカタツムリの姿も久しく見なくなった。でも本棚の片隅に置かれたこの本がいつか筆者の幼い頃体験した感動を誰かに与えてくれるようになればいいなと思う。

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