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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.7
- 出版社: 国書刊行会
- サイズ:22cm/318p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-336-04927-8
- 国内送料無料
紙の本
響鬼探究
人気特撮ドラマ「仮面ライダー響鬼」の本格的な研究読本。ジャパネスクな伝奇と怪異の魅力あふれる作品世界を、国文学、歴史学、民俗学、宗教学など多彩な分野のエキスパートと作家、...
響鬼探究
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商品説明
人気特撮ドラマ「仮面ライダー響鬼」の本格的な研究読本。ジャパネスクな伝奇と怪異の魅力あふれる作品世界を、国文学、歴史学、民俗学、宗教学など多彩な分野のエキスパートと作家、アーティストが一丸となって響き交わす。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
偽物ムカシバナシ | 京極夏彦 著 | 3-5 |
---|---|---|
新種妖怪大百科 | 日本物怪観光 編 | 7-16 |
われらが響鬼の日々 | 東雅夫 著 | 19-52 |
著者紹介
加門 七海
- 略歴
- 〈加門七海〉小説家、エッセイスト。著書に「うわさの人物」など。
〈東雅夫〉アンソロジスト、文芸評論家。著書に「百物語の怪談史」など。
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紙の本
「劇場版」「仮面ライダー響鬼」「七人の」「王子」
2007/09/26 03:49
19人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:仙人掌きのこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「仮面ライダー響鬼」(以下「響鬼」)のファンは屈折している。
自分の好きなものを好きとは言い切れない……そんな鬱屈した想いを抱いている。その原因は、番組中盤でのプロデューサー交代劇にある。作る人間が変われば内容が変わるのは当然の事だ。「響鬼」は連続した物語でありながら、ふたつのテイストを持ってしまった作品なのだ。
この『響鬼探求』はその交代前、29話までを対象にした本だ。30話以降は別物として考え批判はしない、というスタンスが貫かれている。最初にその構想を知った時、ずいぶん窮屈な本になるのではないかと心配した。しかし、読み進めるうち、なるほどそういう事かと得心が行った。
帯にはこう書いてある。……『いまでも、鍛えてます!』
この本は「響鬼」という番組を振り返るものではない。「響鬼」という作品に触発された人々が、それぞれの得意フィールドでの「鍛えの結果」を披露するものなのだ。他人の過去ではなく、自分の現在を語る本なのだ。
それはあたかも、番組中で「鬼たち」をサポートしていた“たちばな”のメンバーの活動を見るようだ。魔化魍(まかもう)を研究する者、鬼の秘密を探る者、修行方法を考察する者……番組終了後も続いているであろう彼らの研究発表会を覗いている、と考えると楽しくなってくる。「響鬼」は人間の善を描こうとした健やかな番組だった。『響鬼探求』のアプローチと読後感は、それに相応しいものである。
さて、ここからは書評から少し遠ざかってしまうが御容赦いただきたい。
この書評の題は「劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼」を意識したコラージュだ。省略せずに書くと「劇場版未来少年コナン」「七人の侍」「太陽の王子ホルスの大冒険」である。この3作は「途中で完成があやぶまれた、或いは違う形で完成せざるを得なかった」という点で「響鬼」と共通している。
まず「七人の侍」だが、言うまでもなく黒澤明の代表作である。当初の予算の五倍を要したという大作は、撮影半ばにして中断の危機をむかえた。この時、黒澤は映画会社の重役を前に撮影が済んだ部分だけの試写会を行った。中途半端に終了し「この続きは?」と問う重役に、黒澤は「これから撮ります」と答えて追加予算を得た。作品の面白さで説得したのである。
「太陽の王子ホルスの大冒険」は、現在ジブリを支える宮崎駿・高畑勲らが青春をつぎ込んだと言ってもいい長編アニメだ。製作期間8ヶ月の予定が2年以上かかり、上司は「君たちは会社がプレハブを作れと言っているのに、鉄筋コンクリートを建てているんだ」と叱ったという。発表時の評判は芳しくなかったが、今では日本長編アニメの金字塔と評されている。
「ホルス」にも参加していた宮崎駿が、初めてオリジナル作品に挑戦したのが『未来少年コナン』である。この作品の映画化が決まった時、宮崎は頭をかかえたという。もともとTVシリーズで13時間近くある作品を、2時間にまとめるのは不可能だと思われたからだ。思い余った宮崎は完全新作の「未来少年コナン2」の企画を提出した。(後の未来少年コナン2 タイガアドベンチャーとは別物)しかし、TVのダイジェスト版で十分と考えていた会社と折り合いがつかず、新作は却下された。「劇場版」は他の人間が担当し、似て非なる作品となった。もしこの時に英断があれば、ナウシカ以前に傑作が誕生していたかもしれない。
いずれの作品も予算や制作期間を超過したのは、その志の高さゆえだ。良いものを創ろうという情熱は、時として収まるべき器まで破壊してしまう。しかし、そうしたエネルギーを持たねば到達できない領域が確かに在るのだ。「響鬼」は間違いなくそれを秘めた作品だった。
「響鬼」が秘めていた情熱の「現在」の結実が『響鬼探求』であるならば、「未来」はどうだろうか。初心貫徹ならなかったスタッフが、将来また別の形で「鍛えの成果」を見せてくれるのを、私は期待して待ちたいと思う。
紙の本
加門さんだから
2021/08/03 17:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
加門七海氏の著書なのでゲット!…「仮面ライダー響鬼」の関連本なんだ…この番組を見ていない自分にはピンと来ないことが多かった。
機会があれば響鬼を見て再トライしたい。