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商品説明
識者からジャーナリストまで、なぜころりと騙されてしまうのか? 「9.11テロ自作自演」説を検証し、陰謀論の背景とその捏造テクニックを解明するとともに、人々がなぜ受け入れてしまうのかを考察する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
奥菜 秀次
- 略歴
- 〈奥菜秀次〉1963年埼玉県生まれ。アメリカ現代史研究家。著書に「ケネディ暗殺隠蔽と陰謀」「落合信彦最後の真実」など。
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紙の本
感心しないところもあるが、さらなる論議の過程としての意義はあると思います
2007/08/28 10:44
7人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SeaMount - この投稿者のレビュー一覧を見る
9.11テロの「陰謀論」については、昨年の夏から秋にかけて、ベンジャミン・フルフォードの『9.11テロ捏造 日本と世界を騙し続ける独裁国家アメリカ』と『暴かれた9.11疑惑の真相』が出版されました。今春に出されたこの本は、ベンジャミン・フルフォードが『9.11真相究明国際会議 in Tokyo』で叫んだ言葉を揶揄するところから始まります。そして、「9.11テロ陰謀論」批判だけでなく、「陰謀論」一般への考察も行われます。
『「9.11テロは自作自演」を検証する』と題する前半は、あまり感心しませんでした。確かに、9.11の「陰謀論」にはいろいろと突っ込みどころはあると思います。不十分な情報に基づき、間違った憶測をしている部分もあるでしょう。しかし、それについては、より情報を多く持っているアメリカ政府側が誤解を解けばいいのです。
この本では、公式の報告書によってそれがなされているとし、それも引用しつつそれなりに説明もしていますが、十分とは思えません。また、飛行機が衝突していないWTC第7ビルについては、その崩壊の理由についてきちんとした報告書は出ていないはずです。著者は、「自由落下」ではなく「ほぼ自由落下」だから爆破ではないといいたいようですが、鉄骨の抵抗を受けながらそれが可能だとは考えにくいです。最後に書かれている、9.11陰謀論とホロコースト否定論の結びつけも、一部にそれがあるにせよ、本筋とは関係ないと思います。
後半は、『世界は陰謀に満ちているのか?』と題して、真珠湾攻撃やベトナム戦争のトンキン湾事件などを取り上げています。結論は、アメリカの情報機関は杜撰であり、このような組織を使って陰謀を企て実行することは不可能だというものです。これには反論も可能でしょうが、書かれていることは、資料も詳しく、なかなか読み応えがありました。
トンキン事件でも、それが“幻想”であったと、ほぼ確定するまでに30年がかかっているといいます。9.11テロについては、今後も議論が続いていくでしょう。自作自演で行われたのか、不手際が重なり防げなかったのか、こういったことについての情報は、簡単には出ないものも多いでしょう。しかし、9.11テロには、多くの映像も残されており、純粋に物理学や建築学の視点から検討することも可能です。陰謀論がホロコースト否定論と結び付けられるような状況のない日本での、専門的な見地を持つ人による議論が待たれます。
そんな中、今年も秋にかけて、いくつか本が出版されるようです。私自身は、学術書として出版されるという『「WTCビル崩壊」の徹底究明:破綻した米国政府の「9・11」公式説』に期待しています。