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商品説明
深海に忍びよる不穏な気配—。アル中の鯨類学者が幻の巨大海獣を追う。太平洋マリアナ海域で米軍の攻撃型原潜が何者かに襲われた。小笠原海域の水深4000mでは新種らしきクジラの骨が盗まれた。「ハイドゥナン」の著者がおくる、海洋エンターテインメントの決定版。【「BOOK」データベースの商品解説】
太平洋マリアナ海域で米軍の攻撃型原潜が何者かに襲われた。小笠原海域の水深4000mでは、新種らしきクジラの骨が盗まれた。深海に忍びよる不穏な気配−。アル中の鯨類学者が幻の巨大海獣を追う。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
藤崎 慎吾
- 略歴
- 〈藤崎慎吾〉1962年東京都生まれ。科学雑誌の編集者等を経て99年に「クリスタルサイレンス」でデビュー、その年のベストSF(国内編)第一位を獲得。著書に「蛍女」「ハイドゥナン」など。
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紙の本
鯨をめぐる海洋冒険SF
2008/12/25 00:45
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
水圧と酸素の関係で、人間はこの地球上でも海の中のことは、(特に深海)
殆ど判っていないといっても過言ではありません。
ある意味、人智の及ばない海こそSFの舞台にうってつけかもしれません。
で、本書ですが、巨大な鯨、ダイマッコウをめぐる海洋冒険SFです。
米国海軍の攻撃型潜水艦が謎の巨大海洋生物に"音"
(この時点では、どんな攻撃かわからない)
で攻撃されるところから始まり、又日本では、巨大な鯨の骨が盗難されたりします。
その後、アメリカの企業の調査団、米国海軍、日本の調査チーム、イスラム系のテロリストまで絡み、何十メートルもある巨大な鯨、ダイマッコウとの壮絶な戦いとなっていきます。
前作の「ハイドゥナン」は、面白くしようとした反面ちょっと何でも取り込みすぎて、
その中に擬似科学みたいなものもあったので、
ちょっとハードSFのファンは後半ひいちゃった感もあったのですが、
今回は、あんまり突拍子もない設定はなく、設定としては、地に足がついている感じで
かなりリアルです。
話のキーとなるダイマッコウも、音による攻撃、
骨の中に空気を取り組み鳥類が持っているといわれる気嚢というシステムなど大変よく考えられています。
冒頭にメルヴィルの白鯨から引用がなされているのですが、最終的には、白鯨のような
海洋調査施設とダイマッコウ、潜水艦とダイマッコウ、壮絶な戦いへと発展していきます。
特に復讐に燃える潜水艦艦長は、壮絶です。
エンタメとしては、それこそ、一級の作品です。
ただ、やっぱりちょっと、人物への書き込みが少ないかなぁ、、と。
主人公の(恐らく)アル中で破天荒な鯨類学者も面白かったのですが、
もうちょっと人間を描き分け描き込んで欲しかったです。
巻末に本書の鯨類学者のネタ元となった鯨類学者の方と著者藤崎慎吾との対談も掲載されており
こちらも、かなり面白いです。
本書がそれほど、無理スジな設定でないことがよくわかります。
エンタメとしては、一級の作品です。