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商品説明
「告!栗橋北中学校・三年A組卒業生の選ばれ死君たち」と記された奇妙な手紙が、十年前、タイムカプセルを埋めたメンバーのもとに、つぎつぎ届く。消し去りたいあの日の記憶。不安にとらわれる六人の男女。タイムカプセルを開ける日まであとわずか…。巧みなストーリーテリングと皮膚感覚の恐怖で魅了する異色の物語。【「BOOK」データベースの商品解説】
ある奇妙な手紙が、10年前タイムカプセルを埋めたメンバーのもとにつぎつぎ届く。消し去りたいあの日の記憶。不安にとらわれる6人の男女。巧みなストーリーテリングと皮膚感覚の恐怖で魅了する異色の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
折原 一
- 略歴
- 〈折原一〉1951年埼玉県生まれ。旅行雑誌の編集者を経て、88年「五つの棺」でデビュー。「沈黙の教室」で日本推理作家協会賞を受賞。ほかの作品に「グッドバイ」「行方不明者」など。
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紙の本
児童向けだからって、子供が主人公である必要はないし、中学生向けの話だからって14歳ばかりが語り手である決まりがあるわけじゃあないんです。設定が上手いですよ、折原さん
2007/07/14 18:50
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
やっぱり、児童向けじゃあないミステリは面白い、それを再認識させる一冊でした。なにがって、この折原の一冊。確かにこのミステリーYA!シリーズ、対象は小学校高学年から中学生になっています。だから主人公をその年代にする、それが一つの考え方。格好の例が同じミステリーYA!篠田真由美『王国は星空の下』。
でも、素直すぎて少しも面白くないという。だって、こんなお話、コミックスに溢れてるんだから。同じ子供を主人公にしても、現実に目を向け、少女たちのリアルな心を描いたのが山田正紀『雨の恐竜』、さすが天才の誉れを欲しいままにする山田らしい答えでした。でも、小中学生向けだからって、登場人物がその年齢である必要はない、と捻りを加えたのが折原一のこれ。
タイトルこそ『タイムカプセル』と、どこかで聞いたことのあるような児童書らしいものですが、中身が違います。学校の卒業行事としてかなりありふれた感のある「タイムカプセル」ですが、そこからなんとも不気味なお話になっていきます。主人公たちは25歳、社会人になっているもののまだ染まってはいない、そこがミソです。
そういう年齢の大人の視点で見るために、話から甘さが消えます。でも事件のキーになるのは中学生時代。その捻りがいい。しかも、主人公たちは、最近のミステリの主流をしめる大学生探偵たちの大人になることを拒否したような現実離れをした子供大人的行動をとりません。口をつぐみ、視線をそらす。そして怯える。学生時代と今が対比されることで、変わったこと変わらなかったことが浮かび上がる。
はっきり書いてしまえば、これはミステリーYA!と銘打たれる必要が全くない、読者を選ばない物語です。感動、という点では『雨の恐竜』には及ばないかもしれません。でも、殺人事件がないのに、ラストの不気味さときたら、どうでしょう。私たちの身の回りで実際に起きている様々な事件と見比べた時、もしかして、って思うはずです。さすが、ひねりの折原一。
ついでに書いておけば、カバー画がいいです。シリーズとしての装丁のよさについては、篠田真由美『王国は星空の下』で触れましたが、雰囲気としては今回の装画 トヨクラタケル・ブックデザイン 守先行のコンビのほうが上でしょう。地の白もいいですが、ちょっと松尾たいこ、を思わせる色合いと雰囲気が、大人が手にしても少しも違和感がありません。しかも、袋綴じ本ですから。
かのホリエモンがTV番組の中で、部下が示した提案書のなかの「ターゲット」という言葉に激怒し、いいかげんに「ターゲット」という発想をやめろ、と言っていましたが、至言です。対象を安易に絞り込んだ結果が、中身の薄い児童向けミステリだったら、子供だって怒るはず。それは内容もですが、装幀についてだって言えること。そういう意味で、この本などは好例といえるでしょう。最後にデータ編。
カバー折り返しの案内は
「「告!」栗橋来た中学校・
三年A組卒業の選ばれ死君たち」
と記された奇妙な手紙が、
十年前、タイムカプセルを埋めた
メンバーのもとに、つぎつぎ届く。
消し去りたいあの日の記憶。
不安にとらわれる6人の男女。
タイムカプセルを開ける日まで
あとわずか・・・・・・。
巧みなストーリーテリングと
皮膚感覚の恐怖で魅了する異色の物語。」
目次ですが
プロローグ
第一部 再会
幕間 ホール
第二部 時の穴道
第三部 懐かしき友よ
エピローグ
あとがき
となっています。登場人物は
・石原綾香 中学時代の転校生。25歳 フリーのカメラマン、写真事務所に勤務したものの所長と喧嘩、独立したものの仕事はなく練馬の実家に居候しながら、出版社に企画を持ち込んだりしてなんとか食べている状態
・三輪美和 中学時代は男勝り、そのため「ミワ・ヨシカズ」と男子にからかわれ、本人もそれを受け入れていた少女。今は女性らしくなったOL。でも一皮剥けば地が出る。
・鶴巻賢太郎 銀行務めの父親の教えか、中学時代から株をやり、小遣いを稼いでいた、若干がさつな男。会社務めをすることもなく、そのまま株を扱い、現在は自分で事務所を経営
・湯浅孝介 学級委員。成績も優秀だがルックスもいい。学校中の憧れのまと。商社マン。
・富永ユミ 副委員長。成績も優秀で、クォーターゆえかスタイルもルックスもいい。ただし性格が強い。現在、出版社の編集部勤務。
・佐々倉文雄 医者の息子で、成績はそこそこ、高校進学も裏口と噂される。性格は臆病。
・不破勇 不登校児。そのため転校してきたものの、学校にこないまま卒業。タイムカプセルに小説を寄せる。
・大河原修作 有名な洋館に住む。教育熱心な両親のせいか成績も悪くはない。本人に言わせれば、苛めにあって引きこもってしまったといわれる。
・武田亮二 45歳。担任。デブ、家族持ち。娘二人。
紙の本
懐かしい趣のある表紙。でも、内容は、ちょっぴりホラー、しっかりミステリー!
2007/05/30 22:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る
うまく仕掛けられたミステリーである。内容もそうだが、本の装丁やデザインにも仕掛けがある。
たとえば、お話の一つの山場となる、ある人の部屋の「ドア」を開ける場面では、本の紙1枚をまるまるドアに見立てている。読む者は、登場人物といっしょにドアを開き、中に入ることになるのだ。そして、いよいよタイムカプセルを開ける場面は、なんと袋とじになっているのである。そこをまさに「開けて」、何が起こるか確かめるべく、読み進めなければならないのだ。
中学校の卒業記念にクラスの有志8人と担任の先生が埋めた「タイムカプセル」。それを開ける約束をした10年後、タイムカプセルを開ける会への案内状が、次々とメンバーに届く。しかも、何かを予告するかのような奇妙な文面で。
物語は、導入から、何が起こるのかと引き付ける。次々と、ありえない時間と場所に「郵便」の声とともに届けられる案内状が、恐怖をあおる。その奇妙な手紙に怯える仲間たち…。
主人公の駆け出しカメラマン綾香は、当時ケガで入院中で、卒業式も、タイムカプセルを埋める儀式にも参加していない。彼女は、このタイムカプセルにからめて、「仲間たちの10年後」という企画で、作品にまとめようと取材を始めるが、ある疑問を抱くようになる。仲間たちが、なぜか口をつぐみ、語らないでいることがあるが、それはどうしてなのか。自分の入院中に何があったのか…。そうするうちに、仲間の一人、孝介が行方不明になる…。
謎また謎。仕掛けた者は誰なのか。姿が見えない犯人は、どこにいるのか。仲間がしたことは何か。謎の言葉「ホール」とは?
最後まで、一気に読ませる力のある展開。そして、少し甘く、せつなく、でも、希望の持てる結末であるのがうれしい。
紙の本
なんだそりゃ
2018/10/31 19:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後がなんだそりゃ だったな。
なんか盛り上がらなかった、私的に。
10年間いろんな人生があらあな。
姉妹編あり。