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商品説明
著者の「横浜市のまちづくり」の実践体験を通じて、「まちづくり」を実際にどのように挑戦し、それを実現していったか、またどのような困難や障害があり、どのようにして乗り越えられたのかという実態をまとめたもの。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
田村 明
- 略歴
- 〈田村明〉1926年生まれ。東京大学卒業。法政大学名誉教授、財団法人横浜市政調査会理事長、都市政策プランナー。著書に「都市を計画する」「都市の個性とはなにか」「まちづくりの実践」など。
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紙の本
都市のつくり方
2007/12/30 05:42
7人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代の巨大都市。天を貫く高層ビルが林立し、高速道路や鉄道が縦横無尽に駆け巡る。高架式による空中の高度利用や地下利用。エレベーターやエスカレーターが易々と大量の人間達を上下移動させる。
夜にはまばゆいほどのネオンが咲き乱れ、また、24時間働き続けるオフィスビルのライトは消えることがない。
これが、夢に見た“近代都市”なのか。
最先端の科学技術がふんだんに織り込まれ、人間生活の快適さがなによりも優先される。
「遅」「暗」「低」「小」「旧」「疎」は、とりあえず“悪”であり、「速」「明」「高」「大」「新」「密」は第一義的に“善”とされる。
幼い頃、多くの人が本やSF雑誌で見た「未来都市」の絵さながらの現代の都市。我々がずっと理想としてきたものを、現代の私達は、かなりの部分、すでに実現してしまった。
しかし、それは本当に、人間にとって、多くの生物にとって、地球にとって、自然にとって、良いことだったのであろうか。人間のしてきたことは本当に間違いはなかったのであろうか。
都市化と都市の発展は、われわれに多くのものをもたらした。個々人の便利さや生活の快適さは言うまでもなく、集積による効率化やスケールメリットを生かした産業の発展と経済成長も、現代の巨大都市なくしてはありえなかった。
人類の歴史の中で、ある意味、効率的な働きをしたことは決して否定できない。
しかし、そろそろわれわれは、少し考え方を改めるべきところにきているような気がする。
地球という星は、いま疲れ果てている。その疲労は限界に近づいており、かつてなら無制限に期待できたその絶大なる回復力もすでに弱りきっている。
地球温暖化や資源枯渇などの問題が、はっきりと眼に見えてきている。
それもこれも人間がなしたこと。
地球上のたった一種の生物でしかない人間が、多種多様な生物達と地球環境そのものを破壊しつくす権利なんて、あたりまえに、無い。
そしてまた、人間達もいまや疲れきっている。精神的にも肉体的にも多くの疲労者を抱えている。自然の流れに逆らって突っ走ってきたツケが、いま表出してきている。
人間がこれまでは価値を低く見てきた「遅」「暗」「低」「小」「旧」「疎」といったもの。これが実は地球や自然にとって、とても重要なものであったことに、気付くべきだ。そして、きっとそれらは、人間にとっても実は重要なものであったことに気付くべきだ。
本来、自然の一部である人間が、自然と相反する価値観を持って進んできた。少し無理があったようだ。
そろそろ、軌道修正。まだ、間に合う。