紙の本
自分を救うのは、何よりも自分自身であると、やはり思う
2009/03/09 11:09
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去から逃げるように東京にいった恵(めぐむ)は、やはり何かから逃げているような不思議な少女、いずみ、と出会う。
整体師合田力先生のシリーズ。
読後、立原道造の詩が浮かんできた。正確には、三善晃作曲の「三つの抒情」の中の立原道造の詩による「ふるさとの夜に寄す」
<やさしいひとらよ たずねるな。
なにをおまへはして来たかと 私に>
ここに描かれているのは、やさしいがゆえに過ちをおかし、迷い、傷ついた人たちだ。派手な事件はおこらない。むしろ、起こらないゆえに、閉塞感がつのる。
人は、閉じた世界では生きられない。
けれど、自分を守るためという錯覚で、世界を拒絶してしまう。
そんなコリをほぐしてくれるのが、合田先生だ。
が、本人が自分の閉塞に気づき、治療を受け入れるようにならなければ、効果はない。手をさしのばさなければ、自分を救いあげる手には届かない。
結局、自分を救うのは自分自身なのだ。
そんな単純で明快なことを、簡単に忘れていることに気付かされる。
<いまは 嘆きも 叫びも ささやきも
暗い碧の闇のなかに
私のためには 花となれ
咲くように にほふように>
すべては、自分の中で昇華され美しいものになると信じていたい。
電子書籍
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2023/04/30 14:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
旅行中に保護した謎の美少女。失踪したタレントが彼女?なかなか先が読めない展開は著者らしい一冊と言える。今回も一気に読めて楽しめた
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\" 人はなぜ、最も大切な人をいちばん傷つけてしまうのだろう?\"これ以上、妹を傷つけたくないと過去から逃れるように東京に来た江藤恵は、いずみと名乗る謎めいた少女と出会う。「殺されるかもしれない」とすがってくる少女にいつしか妹の面影を重ね…。愛し合い傷つけ合う若者の心に染みいる異色のミステリー。
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旅先で少女を拾った姉。
旅行に行く、としか聞いていなかったその妹。
姉はどこに行ったのか。
拾った少女は何なのか。
先生を訪ねてきた男は?
あちらとこちらで進む話は別なのか、と思いきや
がっちりとひとつの道になってしまいました。
どうもこの前に2冊分話があるらしいのですが
これだけでも充分面白いです。
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整体師探偵三作目。今回ミステリ的要素は薄めなのだけれど、このシリーズとしての魅力は最大。というのも、ついに江藤姉妹の過去が明らかになるのだから。これは一作目、二作目読んでるときも気になっていたものなあ。
さらに恵が主体になっている部分が多く、前作までではいまいち掴みきれなかった恵のキャラクターが分かってきた感じ。読み終わってみると今まで持っていたイメージががらっと変わって、恵がかなり好きになった。前二作も再読したい気分。
その他の部分も、このシリーズの特色である「優しさ」に満ちている。もちろんシビアな現実の部分もあるのだけど、だから一層「優しさ」が効く。タイトル「シェルター」の意味も趣深い。都会の喧騒の中で生きることに疲れた人にぜひともお薦めしたい一冊。
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★あらすじ★整体師シリーズ第三弾。旅行に行くと言って姿を消した江藤恵は、東京のコーヒーショップで一人の少女と出会う。帰る場所がないという少女を放っておけず、恵は自分の泊まっているホテルに連れて帰る。少女は複雑な事情を抱えているらしい…一方、姉の失踪で情緒不安定ぎみの歩を見て、恋人の小松崎は心配でならなかった。そんな中、小松崎は新人女優が失踪したという噂の真相を確かめるため訪れた東京で、偶然恵の姿を目撃する…
★感想★この最新刊では、恵・歩姉妹の事情や合田の過去など、今まで語られなかった背景も明らかになります。ストーリー展開は読めてしまったものの、合田先生の語りには感動しました。今まであまりクローズアップされなかった恵姉さんも素敵な女性でした。それぞれが抱えている心の闇は深刻でも、きちんと受け止めてくれる人がいれば、いつかは越えていけるんだと思います。
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カナリアシリーズ第3弾。
シリーズを通して、『心に傷持つ女性たち』が登場し、
その傷たるや、現代社会の発展に伴い近年ことに取りざたされる問題が根底にあり、かなり「イタい」ものだった。
元来が楽天家なわたしには、共感し難い傷なのだが、
そこは同じ女性・・・わからなくもない登場人物たちの心身の辛さに
読みたい気持ちが逸るものだった。
合田のような人物のいる治療院があれば、すぐにでも行きたいのに・・・と思わせるキャラ、取り巻くキャラはそれぞれに変わり者だが、ひきつけられる。
恵&歩姉妹については、過去をきっぱり清算することは、難しいだろうが、時間と合田と小笠原とが、いつか心の重しをなくしてくれんことを祈りたい。
シリーズ最終章としては、やや物足りない終わり方だったのが残念。
【“人はなぜ、最も大切な人をいちばん傷つけてしまうのだろう?”これ以上、妹を傷つけたくないと過去から逃れるように東京に来た江藤恵は、いずみと名乗る謎めいた少女と出会う。「殺されるかもしれない」とすがってくる少女にいつしか妹の面影を重ね…。愛し合い傷つけ合う若者の心に染みいる異色のミステリー。 】
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このシリーズは前後して読んでしまったため衝撃が少なかったかも。順に読んだ方がおもしろかったはず。こういう設定が好きなので興味深いが純真な男キャラに感情移入できん。姉が好き
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過去から逃げるように東京にいった恵(めぐむ)は、やはり何かから逃げているような不思議な少女、いずみ、と出会う。
整体師合田力先生のシリーズ。
読後、立原道造の詩が浮かんできた。正確には、三善晃作曲の「三つの抒情」の中の立原道造の詩による「ふるさとの夜に寄す」
<やさしいひとらよ たずねるな。
なにをおまへはして来たかと 私に>
ここに描かれているのは、やさしいがゆえに過ちをおかし、迷い、傷ついた人たちだ。派手な事件はおこらない。むしろ、起こらないゆえに、閉塞感がつのる。
人は、閉じた世界では生きられない。
けれど、自分を守るためという錯覚で、世界を拒絶してしまう。
そんなコリをほぐしてくれるのが、合田先生だ。
が、本人が自分の閉塞に気づき、治療を受け入れるようにならなければ、効果はない。手をさしのばさなければ、自分を救いあげる手には届かない。
結局、自分を救うのは自分自身なのだ。
そんな単純で明快なことを、簡単に忘れていることに気付かされる。
<いまは 嘆きも 叫びも ささやきも
暗い碧の闇のなかに
私のためには 花となれ
咲くように にほふように>
すべては、自分の中で昇華され美しいものになると信じていたい。
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カナリアシリーズ第三弾。キャラクターはおなじみの布陣。
恵、歩の姉妹の過去が明かされるなど、ますます感情移入してしまう。
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整体師:合田力シリーズ第3弾
今回も良かった。
合田先生みたいな整体師がホントにいたらいいのに。
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前の2冊を最近、読みなおして続きはないのか!って探したらあった(笑)(今さら)
前の2冊がとても面白かっただけに、パンチがなかったな〜。
三部作とか言われてるからもう書かないのか?無理にまとめた感じもしました。
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大阪から東京に逃げ出してきた恵はいずみという名の少女と出会う。彼女が何かに脅え何かから逃げているのを感じ取った恵はしばらく行動を共にする。
また大阪に残された恵の妹、歩。彼女と付き合っている小松崎は消沈する歩の力になれるよう恵の足取りを追うが・・
まあ無難におもしろい・・・けどところどころいろいろ伏線めいたものがあるんだけど、どれもスルーしてあっさりと終わっちゃった・・・なんか解決はしているけど消化不良感が・・・
と思ったらこれは合田接骨院シリーズの第○作とかなんですね。今回のでシリーズの全貌がわかるとかそういうつくりだそうで。そうか。じゃあ他のも読んでみようかな。。
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まずは、シリーズ物の第3作だと知らずに読んでしまって、しまったなぁ・・・と。
全体的に暗い雰囲気が漂っていて、精神的な傷を扱ったものだけに、合わない人は合わないと思います。
それで、深いところに踏み込んでいくのかな?と思ったら、そこまでは深く書いていないような感じがしたと思ったら、3作目。
なので、もしかしたら、前2作を読んだら、もっとそれぞれの人物像が掴めて、よりしっかりと読むことが出来るのかな?と思うと、しまったなぁ・・・とw
単体で読んだという感想になると、読み進むのはどんどん読めるけど、特筆するほどのストーリーでもないという印象。
というか、こういった問題を描いた作品というのは、なんとなく「面白い」「面白くない」が言いづらい作品になってしまうことが多くて、やっぱり感想を書きづらいですね。
それぞれの登場人物が、ほとんど全て心に傷をもっていて、現代的といえば現代的のような、小説的のような。
そんな中で、主人公的?存在の小松崎さんが唯一暗くなりすぎる部分を支えているといった感じでしょうか。
私は失敗しましたが、まずは1作目を読んで、シリーズを気に入るかどうかで判断するのがよさそうです。
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カフェで隣り合わせた可愛い子を拾うことから始まるストーリー。兄弟家族、マフィア、相続絡みなど複雑に絡み合う話かと思ったけど普通だった。正直物足りない。