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失われた時を求めて 完訳版 6 第三篇 ゲルマントの方 2 (集英社文庫 ヘリテージシリーズ)
発作を起こした祖母が、まるでうら若い娘のような姿で息を引きとる(第三篇2 第一章)。パリのアパルトマンに、以前とくらべて明らかに変化し成熟したアルベルチーヌが、不意に語り...
失われた時を求めて 完訳版 6 第三篇 ゲルマントの方 2 (集英社文庫 ヘリテージシリーズ)
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商品説明
発作を起こした祖母が、まるでうら若い娘のような姿で息を引きとる(第三篇2 第一章)。パリのアパルトマンに、以前とくらべて明らかに変化し成熟したアルベルチーヌが、不意に語り手を訪ねて来る。このころ、語り手は夜会でゲルマント公爵夫人と言葉を交したり、また夕食に招かれたりするようになる。こうして、パリの社交界で最も輝かしい存在に近づいた語り手に、華やかだが滑稽で醜い上流社会の人たちの生態が見えてくる(第三篇2 第二章)。【「BOOK」データベースの商品解説】
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ゲルマント家のサロン
2010/07/05 22:56
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:king - この投稿者のレビュー一覧を見る
第六巻。だいたい真ん中くらい。全篇中最長の第三篇の後半になっていて、冒頭で前巻の最後で発作に倒れた語り手の祖母の末期の様子が描かれる。
その後、語り手はバルベックで出会ったことのあるステルマリア夫人に入れ込んで、なんとか会おうと画策していたとき、とつぜんアルベルチーヌの訪問を受ける。アルベルチーヌは以前出会ったときとは様子が変わっていて、以前拒まれたことが今は受け入れられそうになっている。そこにフランソワーズが入ってきて邪魔をされるあたりは漫画みたいな展開だ。アルベルチーヌが去ったあと、ステルマリア夫人との約束を取り付けるのだけれど当日になって反故にされてしまう。ここのあたり、以前拒まれたアルベルチーヌが受け入れる姿勢をみせながらも、語り手の関心はステルマリア夫人にあり、しかし、ステルマリア夫人から拒まれる、という入れ構造になった構成はおもしろい。
そして後半、ゲルマント家のサロンに招かれ、そこでの人々のやりとりが延々語られるのだけれど、これが結構うんざりするところかも知れない。当代最高ともいわれる社交界での、鼻持ちならないコミュニケーションを皮肉にそして丹念に描いているわけで、これが丹念かつ丁寧なだけに読んでいる方のうんざり感も相当なものになる。しかもそういうやりとりが数百ページにわたってつづくわけで、挫折ポイントといわれるのもわかる。
まあ、ここを乗り越えてしまえば、シャルリュス男爵と語り手の対面場面で語り手がぶち切れる下りとかの面白いやりとりがあるので、頑張ってください、と。
しかし、前巻につづいて名前ネタだけど、ユダヤ人「ブロック」をあえて「ブロッホ」と違う発音で呼ぶ場面があるのだけど、これを読んで、ドイツのヘルマン・ブロッホの「ブロッホ」というのもユダヤ系の名前だったのか、と気がついた。
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