紙の本
物語を軽やかにする一手
2008/12/21 12:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ第1巻では太宰治の「人間失格」を念頭においた様なストーリー構成がなされていましたが、シリーズ第2巻に当たる本作品でも同様に、過去の文芸作品をオマージュしたストーリー構成になっていますね。文学少女にふさわしく、今後もこの方針で進むのでしょう。
今回、天野遠子と井上心葉が事件に巻き込まれるきっかけは、妖怪ポストのように設置された、文芸部の恋の相談ポストに投函された、幽霊を暗示する手紙と数字の暗号。変な想像を迷走させ突っ走る遠子と、遠子と同居する櫻井流人に誘われ別ルートから事件に関わってしまう心葉。死んだはずの九條夏夜乃を名乗る雨宮蛍と、姫倉麻貴の登場を以って、事件は歪んだ人間関係を白日の下に晒す結果となる。
設定自体はとても暗く、愛憎渦巻く物語なのだけれど、作品全体として見たときには明るく、コメディのような軽さも感じるのは、天野遠子の存在なのだろう。彼女の手にかかれば、どんな作品でも美点を見出され、輝き始める気がする。
元になった作品を先に読んだ方がいいのかどうかには諸説あると思うが、読んだことがないのであれば、後で読んだ方が純粋にこの作品を楽しめるのではないかとボクは思う。
紙の本
強引な展開と無駄なミステリー
2006/09/01 19:00
14人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
「嵐が丘」へのオマージュ的作品なんでしょうか
ミステリー要素が増えていますが、あまり本筋とは関係ない感じがします
展開もかなり強引
途中途中に挟まれる短い描写も三人称だったり一人称だったりと一定でなく文章も安定しておらず、ミステリー的な特定の”誰か”の視点かと思っていたらただの作者の都合だけでした
ミステリーが書けないのなら、無理にミステリー仕立てにする必要がないように思います
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物語と現実が区別つかなくなる。そんな感じ。話の展開はかなりいいが、ちょっと説明文が長すぎる気もする。主人公は毎回道化を演じるのも読めてきたしなぁ〜。
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総評:中の中の下
「これは○○になぞられた事件だっ!」ってゆー、シリーズコンセプトからしてまず受け付けない。よーするに劣化コピーだしょ。
初作はそれなりに評判よかったみたいだケド、太宰を下敷きにしてりゃ、おもろいのは当たり前だ。初作は、太宰をまた読みたくなったってゆー点での評価はできるが、それ以上はない。今作はそれすらもなく、竹岡じゃなかったらまず買わない。
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文学少女シリーズ第2弾。憎くて、いとおしくて、許せなくて、自分だけを見てほしくて…今回はそんな人たちの登場する物語。読み進めるうち結末を知りたくない!もうやめて!と言いそうになるけれど、それでも最後まで読ませる本です。
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文学少女シリーズ二作目。
二作目ってことで、キャラの設定が細かくわかってきた点はよかった。
一作目同様文学が土台になっているけれど、一作目がダザイだったせいもあって、
二作目はちょっと物足りなかった感。
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はい。これもミステリーです。第2巻です。
多少コメディ要素があります。
本が好きな方におすすめできる作品です。
主人公の先輩、文芸部部長・天野遠子先輩。
本が大好きで、文字通り本を"食べてしまう"ある意味、妖怪なお姉さん。
元小説家であった主人公は彼女のおやつにせっせと小説を書く。
そんな文芸部の「恋の相談ポスト」に「憎い」「幽霊が」という文字や、
謎の数字を書き連ねた紙片が投げ込まれる。
手紙を出した人を探すため文芸部は動き出すが、
その手紙を出した人は”幽霊”だった・・・
主人公心葉と美羽の過去。いまだ明かされません。
次巻以降でじわじわ分かってくるのでしょうか。
前作では太宰治の『人間失格』が題材となっていましたが、
今作では、名作『嵐が丘』を題材にしています。
読んでたら、久しぶりに 『嵐が丘』が読みたくなりました。
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2冊目。
正直いって1冊目に比べたらちょっと勢いが落ちたかな、と。
1冊目はですね、私にしては珍しく「ああ、本を読むのは幸せだなぁ」なんて思ってしまったのですよ。いうならば、アレです。鴎外だの谷崎だのの領域に達してたわけです。私の中で。
ただ、今回はそれがあんまりでした。途中で放り投げそうになった。
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作中の小説を「食べ」ておなかが「いっぱいになる」とか「すく」とかいうような表現というのは本を結構読むような人なら理解できる表現だろうと思う。
この本をそういう表現で表すとすれば、これは「おなかがすく」本。『嵐が丘』が読みたくなりました。
憎しみもひとつの深い愛の表現のかたちなんだよね。ひとりの人間をずっと見つめ続けるということはそれだけでひとつの愛情の形。
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愛しています愛しています愛しています愛しています。
あなたを食べてしまいたいほどに。
あぁ、でもあなたを食べてしまってはあなたは消えてしまう。
だから私は我慢します。あなたのために我慢します。
お腹がすいたから、食べたいけれど。
喉が渇いたから、飲み干したいけれど。
我慢します。
だって何よりもあなたが大切だから。
そんな思いに囚われた幽霊が二人。
あぁ、この世のすべては私の手のひら。きっとこの指に触れる世界すら手中。
そんな思いを持ったお姫様が一人。
お話を食べているときは幸せ。だって味が感じられるんですもの。このすばらしい味があれば飢えることも渇くこともないわ。
そんな文学少女が一人。
この世界はなんて残酷なんだろう。こんな世界に対応していくためには心を殺さなくちゃ。
平穏を愛さなくちゃ。
そんな思いに執りつかれた少年が一人。
登場します。
たとえ時間を世界を巻き戻してでも手に入れたいものがあった幽霊が一人。
その妄執に駆られて物語を破壊します。
でもそれはきっと心と愛を繋ぐためには必要なもので。
この作品は嵐が丘を題材にしています。
でもこの作品の根幹にあるのは『憎しみっていうのは愛の裏返しで、憎しみが強いほど愛は続く』という台詞にあるのではないかと思います。
飢えて飢えて仕方が無くて、渇いて渇いて仕方が無いほどに何かを求めてしまった、そんな思いを持つ幽霊たちが登場するお話です。
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重たいし悲しいストーリーなんだけど、ただそれだけじゃなくて、ちゃんと暖かさや優しさも伝わってきます。全部ひっくるめても好きな終わり方でした。
今回の題材は「嵐が丘」なのですが、そっちよりも「昼の少年 夜の少女」の方が読んでみたいかも。でも遠子先輩が薦める本は全部読みたくなるから不思議^^
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「文学少女」シリーズ第2巻目。■
近作はお話のベースがエミリー・ブロンテの『嵐が丘』になっており、物語が結構複雑。
ベースがベースなだけに、悲しいお話です。■
けれどその中にふんわりとした暖かさがあり、ラストも私的には最高。■
1度サラリと読んだだけでは、あまり物語りの内容が伝わらないかもしれません。
2回3回と読み直していくと、だんだんと物語の深さを知ることができます。■
イラストとイメージがピッタリと合っていていいです。■
ライトノベルにしては内容が濃く、深いです。
この本は『嵐が丘』のことを少しでも知っているほうが楽しく読めると思いますよ。
『昼の少年 夜の少女』が気になる…v
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あからさまな異質が日常に同一化してるとことか、日常が異質に変質し、異質が日常に戻ってくる部分とか上手いなぁーとか思ってみたり。
分かりやすすぎるツンデレが、まったく描写されないのがむしろ良い。
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文学少女シリーズ第2弾。
今回のネタはエミリー・ブロンテ「嵐が丘」。
なんでまたそんな微妙な絶妙なとこを狙ってくるかなー。素敵。
登場人物みんな人間味溢れすぎてて素敵。
救いのない結末と言えばそうなのかもしれないけど、
でもなんとなく救われた気分になります。
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新幹線の暇つぶしにこのシリーズを読んだら、意外とおもしろかった。
文中に出てくる文学作品も気になる。
今回は「嵐ヶ丘」だった。バレエ作品にもなってるし、気になる…。