紙の本
ピアノ線で飛ぶビートル
2020/07/18 14:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
積読本消化。ウルトラマンの作り方の本。すなわち、ウルトラマンを作り上げた舞台裏の苦労話を中心に紹介した内容で、ウルトラマンやセブンで育った世代の方にはお勧めします。第1部では、ウルトラマン誕生秘話から始まり、各話の作り方を実相寺氏が監督した作品を例に解説。第2部では、監督、音声、ぬいぐるみと怪獣俳優等の苦労話等を現場の方たちへのインタビューを中心に構成。「日本の特撮は伝統芸能」、「手づくりの特撮は夢を手織っていくようなもの」。SFXが主流となった今だから、ピアノ線で飛ぶビートルは懐かしくてたまりません。
マンは2歳、セブンは3歳の時に初放映されていますから、覚えているのはおそらく再放送で観たマンやセブンだと思います。ビデオのない時代でしたから、この再放送はありがたかったですね。とにかく、この2作品は本当に夢中になって観ました。貧しかったけど、幸せな子供時代でした。
投稿元:
レビューを見る
表紙に惹かれて即購入。この「ウルトラマン誕生」は、以前発売されていた「ウルトラマンのできるまで」と「ウルトラマンに夢見た男たち」という2冊の本の合体版として刊行されたようだ。ウルトラマン・・ちょうど、幼年期は正義の味方にあこがれていた時代であり、1話も欠かさずに見ていた。ビデオの無かった時代なのにストーリーまでよく覚えているというのは、相当のめりこんでいた証拠なのだろう。この本を読むことで、今まで知らなかったウルトラマンの様々なエピソードが判明し、オレ的には非常にセンセーショナルだった(笑)例えば「ウルトラマン」は最初は「科学特捜隊ベムラー」、次に「レッドマン」というタイトルが候補だったことなんて、「へぇ〜」という感じである。そしてウルトラマンに登場する数々の怪獣たち、「シーボーズ」「スカイドン」「ガマクジラ」・・いずれも特撮を駆使して作られていることがわかり、もう一度見たくなってくる。平成ウルトラマンも色々と番組はあったけど、いまいちヒットしないみたいだな。何と言っても「ポケモン」をはじめとするアニメのほうが人気があるようだし。
しかし「ポケモン」もあと何十年もしたら「なつかしアニメ」などにもなるのだろうか?
投稿元:
レビューを見る
大人たちの情熱に夢を与えてもらった子どもたちはいま、どんな顔で暮らしているだろう。08.3.10再読。
投稿元:
レビューを見る
ウルトラマンを作る裏で職人たちが何をしていたのか?何を目指していたのか?を監督の一人が回想したもの。。彼らにとって、ウルトラマンとは試行錯誤の連続であった。 そして、円谷英二監督の心意気をやはりくみ取っている。。それこそが一番大切なのかもしれない。「特撮とは、観た後に夢を見ることができるものでなければならない。」
そういえば、実相寺 昭雄ってうちのOBなんだよねー。。
投稿元:
レビューを見る
高3の夏に、読書感想文を書いた本。
昭和ウルトラシリーズの裏側についての知識を得られた。挿絵が好き。
投稿元:
レビューを見る
2006年に他界した映画監督・実相寺昭雄氏による『ウルトラマン』制作秘話。
二部構成になっており、第一部は「ウルトラマンができるまで」で円谷プロダクションが産み出した『ウルトラQシリーズ』を題材に、特撮映像の制作方法から実相寺監督や脚本家が作品で何を訴えたかったかが語られている。一方、第二部「ウルトラマンに夢見た男たち」では、実際に『ウルトラQシリーズ』の制作に携わったスタッフに実相寺監督が話を聞きながら、苦労した思い出を語っている。
40年以上前の制作秘話ながら、今もって子どもたちから人気を集めるウルトラマンの誕生がいかに難しかったが伝わってくる。
投稿元:
レビューを見る
2月3日読了。ウルトラシリーズの巨匠、実相寺昭雄監督が語るウルトラシリーズにかけた男たちの夢と現場のあれこれ。著者自身が述べるとおり「誕生」とまでいうタイトルは大袈裟だが、これしかないタイトルだという気もする。着ぐるみで汗まみれ、火薬や水を張ったプールで死に掛け、大の大人が怪獣のネーミングや格闘演出を巡って激論を交わす・・・。ウルトラシリーズを愛し特撮を愛した男たちの奮闘振りはほほえましいし、目頭が熱くなるものがある。・・・ウルトラシリーズを喜んで見ていた子供たちもそうだが、作り手側にも大いに夢を見ていたのだなあ。樋口真嗣監督らによるイラストも、現場の必死さとどこか抜けた感じが伝わってきてよい。
投稿元:
レビューを見る
実相寺監督のメイキング 『ウルトラマン誕生』を読む。
文庫サイズで読みやすい
内容もボリュームがある。
特撮のメイキング物としては最高だろう。
実相寺監督のメイキング本としても面白い。
イラストもわかりやすい
投稿元:
レビューを見る
表紙のウルトラマンがカツコイイのであります。思はず手にとり購買すると、内容は『ウルトラマンのできるまで』『ウルトラマンに夢見た男たち』の合本でした。道理で分厚い本である。いづれも「ちくまプリマーブックス」として刊行されたものであります。
年少の読者を想定して書かれてゐるので、まことに丁寧な記述となつてゐます。
実相寺監督が亡くなつてもうすぐ4年になろうとしてゐますが、生前は私にとつてあまり関心のある存在ではありませんでした。ちよつと独りよがりが過ぎるといふか、観客が観たい映像よりも自分が作りたい映像を優先させる印象があつたのです。
本書からひとつ例をあげませう。
当時(1960年代)、特撮の世界に飛び込む人は、大なり小なり円谷英二に憧れを抱いてゐました。実相寺氏も同様で、円谷英二氏が常にスタッフに説いた言葉を紹介してゐます。
「きたならしいものはだめだよ。見ていてヘドの出るようなものや、残忍なものや、暴力だけがまかりとおるものや、気持ちのわるいものや、血まみれを売りものにするようなものはね」
「やはり見終わって夢が残るものじゃなきゃだめだよ。きたならしいもの、目をそむけちゃいけない現実、社会問題、......それは別のリアリズム映画がやってくれる。特撮っていうのはね、だれもが見たくても見られない光景や視点をつくりだすためにあるんだよ。どんな巨大な怪獣を出そうが、ミクロの細菌の世界に潜入しようが、日ごろ見られない夢を見せるようにしなきゃだめなんだよ」
すばらしい言葉。ところが円谷英二の薫陶を受けながら、実相寺氏は怪獣デザインに関して、成田亨氏に次のやうに依頼します。
「見るだにおぞましいもの。日曜の七時という一家団欒の時間に茶の間の受像器が怪獣をうつしたとき、思わず箸の手がとまるといった、生理的ないやらしさを表現してほしい」
全然分つてゐないではありませんか。ところが成田亨さんはさすがに円谷氏の思想を理解してゐたため、依頼通りには作らなかつたのであります。実相寺氏はそれを怨んでゐたとか。詮無い人だなあ。
と思つてゐたら、本書では自分の思ひ込みが間違つてゐたことに気づいたと語つてゐます。どうやら成田氏に説教(?)されたやうです。もつと早く気づいてゐたら、スペル星人の悲劇は避けられたかも知れません。
ま、さういふ感じで、本書は断片的ながら、一種の円谷英二論としても読むことが出来ませう。多分特撮に詳しすぎる人にとつては、物足りないでせうが、普通の人には1960-70年代の特撮事情が分つて面白く読めるでせう。
http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-164.html
投稿元:
レビューを見る
ウルトラマン、巨人の星、天才バカボン。これが私の幼少期、3大アニメ(ウルトラマンは実写ですが)です。特にウルトラマン、ウルトラセブンは子どものころの人格形成に大きく影響しました。この本はその裏側、制作者の熱い思い、そして苦悩をしっかりと伝えてくれます。中でも「ああ、あれが実相寺作品か」とい回にはいろんな共通点があります。そう、それを実感してください。
投稿元:
レビューを見る
CGなど全くない時代に、あれだけのクオリティーの作品を(しかも毎週)作り続けた男たちのドキュメント。一昔前までは大人は子供になるべく、ではなく、絶対にいいものを与えようと真剣だったということがはっきり分かる。
投稿元:
レビューを見る
何故特撮が面白いかわかった。背景や構図一つ取ってもたゆまぬスタッフの努力が見られるからだ。それが今や伝統芸能になってしまっているのは何故か。円谷プロがディズニーになれなかったのは何故か。
投稿元:
レビューを見る
実相寺本2冊を1冊にまとめたお徳用。前半は樋口さんの挿絵共々面白い内容。演出論とかもあるし。後半は、円谷作品のメイキング取材をまとめたもので、わざわざ実相寺さんが書くような内容じゃない。
投稿元:
レビューを見る
ウルトラマンで4作、ウルトラセブンで2作監督した著者の、ウルトラマン及び円谷プロ、特撮に関する熱いお話。
特撮における手法について、これでもかってくらい細かく熱く語られています。これを読んだら特撮を見る目が変わること請け合いですわ。
エンターテイメント映像ってものは大抵その目的として珍しい映像を提供したがることとなります。
そして映像がスペクタクルを志向するとき、特撮っていう手法はとても自然な流れとして使われるものでありますね。
その特撮が大人の楽しみでなく、子供に対して強烈なアピールをするというのが個人的に面白い流れであって、
これを読んで、作り手側が子供向けを強く考えて作っていることがわかって良かったです。
子供だましとして作るとかじゃなく、自らの幼児性の発現欲求として特撮を作っていたんですな。
投稿元:
レビューを見る
『ウルトラマンのできるまで』(1988年1月)『ウルトラマンに夢見た男たち(1990年3月)の合本改題。前半は監督としての経験談,後半は関係者からのインタビューを中心として,ウルトラマンやウルトラセブン製作の内側を紹介する内容。特撮現場を知るには良い一冊。