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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.6
- 出版社: 新潮社
- サイズ:20cm/298p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-10-539303-0
紙の本
ビッグバン宇宙論 上
宇宙はどうやって生まれたのか? 人類最大の謎に迫る有名無名の天才たちの苦闘を描く科学ノンフィクション。上巻は創世神話からプトレマイオス、コペルニクスにケプラー、ガリレオら...
ビッグバン宇宙論 上
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商品説明
宇宙はどうやって生まれたのか? 人類最大の謎に迫る有名無名の天才たちの苦闘を描く科学ノンフィクション。上巻は創世神話からプトレマイオス、コペルニクスにケプラー、ガリレオらを経て、アインシュタインなどを収録。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
サイモン・シン
- 略歴
- 〈サイモン・シン〉1967年イングランド生まれ。ケンブリッジ大学大学院で素粒子物理学の博士号を取得。ジュネーブの研究センター勤務後、テレビ局BBCに転職。著書に「フェルマーの最終定理」など。
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紙の本
宇宙を理解する。人類が太古から抱いてきた野望の終着点を屈指のストーリーテラーが料理する
2008/05/14 00:01
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Skywriter - この投稿者のレビュー一覧を見る
サイモン・シンには『暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで』ですっかり魅了された。一般人に馴染みの無い世界、それも数学を扱った本でありながら、抜群に面白いのである。興味深い歴史上のエピソードや人物の来歴を交えることで本に引き込む力を持つ人だと思ったものだ。
続けて読んだ『フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで』も圧巻。フェルマーの悪戯としか思えない定理が解かれるまでを、これまた魅力的なストーリーに仕立て上げた彼の才能には恐れ入った。
でも、この本を手に取るのには躊躇があった。宇宙論ならそれなりに本を読んできたので、今更な感じがあったのだ。
暗号にしてもフェルマーの最終定理にしても、数学を使っていて、しかも多くの人が興味の無かったであろう分野を取り上げたから抜群に面白かったのであって、少なからぬ人が関心を持つ宇宙論に取り組んでも二番煎じになってしまうのではないか。そう危惧していたのだ。
だが、私の危惧は、完全な杞憂に終わった。面白い。とにかくひたすら面白いのである。
ビッグバン宇宙論に辿り着くまでに、人類が宇宙についてどう理解してきたかが懇切丁寧に描かれている。それは、ビッグバン宇宙論がどのような意味を持っているかを説明する上で欠かせないためである。おかげで神話がどのように科学へと進んできたか、よく分かるようになっている。この、ビッグバン以前の宇宙論については上巻が丸々当てられているほどの力の入れよう、と言えば凄さが伝わるだろうか。
下巻はいよいよビッグバン宇宙論を取り巻く論争へと移っていく。ここはやはり圧巻だ。アインシュタインの相対性理論、銀河までの距離と銀河が離れていく速度の関係を見出したハッブル、型破りでジョークを愛したジョージ・ガモフ、強硬なビッグバン理論の反対論者でビッグバンの名付け親であるフレッド・ホイル。科学界の巨星達が縦横に活躍する様を追体験する様は、見ているだけで心が躍る。
話題がビッグバンから離れたかと思うと、意外なルートを辿ってビッグバンへの理解を深めるのに役立つ話へ帰結する。登場する科学者たちの発見を、その魅力的な人物像やエピソードと共に語るので読者の興味を逸らさない。専門的な話をしながら難しくはならない、絶妙な持っていきかたには今回もまた感嘆させられた。
宇宙論に僅かでも興味がある方は、是非手に取ってみて欲しい。後悔することは絶対にないと思う。
紙の本
何が真実かを教えるのは現実世界だ
2007/05/29 20:03
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルが「ビッグバン宇宙論」とあるので、最新のビッグバン説理論が展開されているのかと読み始めたが、これが予想外に面白い。ビックバン説に至る歴史的事実が物語り風に書かれながら、ビックバン説の確信へと徐々に接近していく。
天動説から地動説が受け入れられるまでに、どれほどの時間と犠牲があったことだろうか。真実の究明を阻害した宗教と政治。その影響力の大きさがどれほどの犠牲と真実の究明を遅らせたことか。
また科学界の「権威」「権威者」が、科学の新しい理論を受け入れることを阻害したか。アインシュタインでさえ、「宇宙定数」という誤った理論で宇宙の解明を遅らせた。
運動するという宇宙観を人々が認めるまでにどれほどの時間がかかったことか。いかに現実世界から真実を認めるということを阻害するものが多いかということさえ考えさせてくれる。
下巻でいよいよビックバン説が人々に受け入れられるまでの過程が描かれるのだろうが、宗教、政治、権威、観念が真実の受け入れを遅れさす要因であるとの記述はとても興味深い。
運動する宇宙を認めるだけで、これだけの時間がかかったということは、他のことでも同じだろうことは容易に推測できる。
それは別の機会に論じるべき問題だとしても、そうした考えを呼び起こしてくれる本として楽しく読んだ。
紙の本
わかりやすいけど・・・
2006/08/04 22:01
12人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紙魚太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙論がビッグバン宇宙にたどり着き、検証されるまでが非常にわかりやすく書いてある点においては、さすがサイモン・シンというべきである。しかし、インパクトというか、掘り下げの深さに関して言えば、全2作に比べかなり見劣りがする。ビッグバン宇宙論は現在、かなりポピュラーな宇宙論であり、優れた解説書も多い。その成立までの歴史をたどるだけでは、この方面に多少なりとも興味を持っている読者が思わず唸るような展開は期待しにくいだろうと思ったのだが、まさにその通りであった。パラダイムの変遷に関して言えば、最近でも「磁力と重力の発見」(みすず書房)や「空間の謎・時間の謎」(中公新書)など深みや切り口などに驚かされる本が日本人によって書かれている。宇宙論の発展に関する人間ドラマについて言えば「宇宙はこうして始まりこう終わりを告げる」(白揚社)に、大変詳しく人間くさい科学者の姿が、ビッグバンモデル以降の宇宙論の発展にまで絡めて描かれているし、一般向け宇宙論全般解説書(読む人の主観にもよるろうが)でも、もう少し詳しく、さらに知的好奇心がかき立てられる書として「なぜビッグバンは起こったか」(早川書房)、「エレガントな宇宙」(草思社)、「宇宙 その始まりから終わりへ」(朝日新聞社)など、枚挙にいとまがない。各論(元素合成、星の進化など)の解説書に至っては言うまでもない。強いて言えば、ビッグバン宇宙論の提唱者としてルメートルがここまで詳しく取り上げられている点が目新しいぐらいか。今初めて「ビッグバンってなに?」と言う読者にはわかりやすいかなあという感じである。著者が著者だけに点数が辛くなるのは仕方ないか?