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紙の本
レタス・フライ 詩情溢れる、森ミステリィ (講談社ノベルス)
著者 森 博嗣 (著)
西之園萌絵が叔母らと訪れた白刀島の診療所をめぐる怪しい噂に迫る。(「刀之津診療所の怪」)長期の海外出張で訪れた某国の美術館で、“僕”が遭遇した不可思議な事件とは…?(「ラ...
レタス・フライ 詩情溢れる、森ミステリィ (講談社ノベルス)
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商品説明
西之園萌絵が叔母らと訪れた白刀島の診療所をめぐる怪しい噂に迫る。(「刀之津診療所の怪」)長期の海外出張で訪れた某国の美術館で、“僕”が遭遇した不可思議な事件とは…?(「ラジオの似合う夜」)ショート・ショート五編を含む透明感に満ちあふれた九編収録。【「BOOK」データベースの商品解説】
美女の幽霊、病気の子ども、黒ずくめの謎の男…。西之園萌絵が叔母らと訪れた白刀島の診療所をめぐる怪しい噂に迫る「刀之津診療所の怪」ほか、ショートショート5編を含む、繊細で透明感に満ちた9編を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
ラジオの似合う夜 | 7-88 | |
---|---|---|
檻とプリズム | 89-121 | |
証明可能な煙突掃除人 | 123-131 |
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幻想小説集というかファンタジー集としては高得点。なんで、無理矢理シリーズ物の人物を出してくるのか、それだけは分かりません。だって必然性、ないもん・・・
2006/03/11 17:26
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
量産作家・森博嗣の最新作は短篇を真中に、前後を人気シリーズの中編で挟みこむという、ちょっと面白い構成の作品集になっています。まず、カバーの文章を写せば
西之園萌絵が叔母らと訪れた白刀島の診療所をめぐる怪しい噂に迫る。(「刀之津診療所の怪」)
長期の海外出張で訪れた某国の美術館で、“僕”が遭遇した不可思議な事件とは・・・・・・?(「ラジオの似合う夜」)
ショート・ショート五編を含め透明感に満ちあふれた九編収録。
だそうです。
カバーの英語の入れ方や、黒と緑の活字の使い方の見事さは実物で確認してもらいますが、LETTUCE FRY というタイトルや、収録作品 の英字だけの羅列が心地いい。しかもで、その上にある小さなセピア色の写真のおき方・・・
それと、表記はありませんが本の扉と各編の扉頁にはカラー、モノクロの素敵なイラストがついています。我が家の長女は「あれって、もしかして森博嗣?」と言いますが、私もそんな気がします。人間は正直、上手ではありませんが、例えば191頁、「刀之津診療所の怪」の船の絵なんて見事です、誰のものなんでしょう。
一応、各編の日本語タイトルも書いておけば「ラジオの似合う夜」( A radiogenic night )、「檻とプリズム」( A prism in the cage) 、「証明可能な煙突掃除人」( Provable chimney sweeper ) 、「皇帝の夢」( The imperial dream ) 、「私を失望させて」( Drive me to despair ) 、「麗しき黒髪に種を」( Seedsfor her lovely tresses )、「コシジ君のこと」( My most unforgettable figure )、「砂の街」( The sandy town )、「刀之津診療所の怪」( Mysteries of Katanotsu clinic )です。
ちなみにショート・ショート五編は、「証明可能な煙突掃除人」 「皇帝の夢」「私を失望させて」 「麗しき黒髪に種を」「コシジ君のこと」なので、中編、短編、ショート・ショート五編、短編、中編という並びになっています。こういう対称的な配列は、まさに「刀之津診療所の怪」ではないでしょうか。
案内にない七作品について簡単に触れますと、檻に閉じ込められた少年の成長を描く「檻とプリズム」、父親の職業を引き継いだ男の「証明可能な煙突掃除人」、日本語の勉強のために街を案内したいという女性と出逢った私の「皇帝の夢」、桃太郎の話のようでいてどこか違う「私を失望させて」、小学生時代、ピクニックに引率してくれた女性への意地悪「麗しき黒髪に種を」、小学生時代の同級生でいつも苛められていた友人「コシジ君のこと」、父親のところに久しぶりにやってきた青年の前にあるのはどこかくすんで砂が舞う「砂の街」。
正直、「ラジオの似合う夜」なんか、なんであの連中を出す必要があったかな?なんて思います。むしろ全く関係のない独立した作品として読めるのに、またあの女か、と思った瞬間、私などは興醒めしてしまいました。そういう意味では「刀之津診療所の怪」は、逆にシリーズを読み込んでいないと意味が分からないかもしれません。ちなみに、ラストの一言、私も娘たちも意味不明、読解不能、チンプンカンプン、ワケワカンナイシ状態です。
森の詩人としてのいいところが出たのは、独立した短編です。どれも味わいが深いんですが、個人的には「砂の街」をベストに上げておきます。好きなんですね、こういうアニメにしたくなるような話が・・・