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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2005.12
- 出版社: 飛鳥新社
- サイズ:20cm/349p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-87031-685-4
紙の本
読んだ、飲んだ、論じた 鼎談書評二十三夜
著者 鹿島 茂 (著),福田 和也 (著),松原 隆一郎 (著)
歴史・風俗、文学・政治、経済・社会をそれぞれ専門とする現代屈指の書評の達人3人が、問題作・話題作を俎上にのせ、熟読玩味、談論風発、美酒・美肴を心ゆくまで味わいつつ繰り広げ...
読んだ、飲んだ、論じた 鼎談書評二十三夜
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商品説明
歴史・風俗、文学・政治、経済・社会をそれぞれ専門とする現代屈指の書評の達人3人が、問題作・話題作を俎上にのせ、熟読玩味、談論風発、美酒・美肴を心ゆくまで味わいつつ繰り広げる、「知」の饗宴。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
鹿島 茂
- 略歴
- 〈鹿島茂〉1949年横浜市生まれ。フランス文学者、共立女子大学文芸学部教授。
〈福田和也〉1960年東京生まれ。文芸評論家、慶応義塾大学環境情報学部教授。
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紙の本
本をネタに、飲んだ、食った、三人吉三
2006/08/29 18:23
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
夜ごと、読んだ本を三冊、二十三夜で、計69冊、シックスナインで乱れ飛んで面白く、蘊蓄傾け、ボケ役は鹿島茂、ツッコミは福田和也、調整役は松原隆一郎と、鹿島さんはあとがきに紹介しているが、三人の声が聞こえそうな臨場感溢れる鼎談トークで、読みながらくすくすと笑うことが多かったですね、
例えば戸田学編『六世笑福亭松鶴はなし』で松原さんが、《それにして、松鶴が酔って金魚鉢にゲロを吐いたら、古今亭志ん朝が「金魚迷惑」と返したのというのはさすが。》とか、岡田茂の『波瀾万丈の映画人生』で福田さんが、《僕も、映画プロデューサーの荒戸源次郎さんにチケットを売りつけられそうになった時、「ヤクザ映画しか観ませんから」と断ったら、「ヤクザ映画には、ヤクザを撮った映画と、ヤクザがつくった映画の二種類あるんだよと」スゴまれました。》何て、エピソードがふんだんに取り入られるもんだから、難しく、批評的な話も随所にあるのですが、妙に生々しいのです。
《福田 トッドやカプチャンに共通するのは、日本が対中国や対北朝鮮くらいは、アメリカの手を借りなくても抑えられる程度の自前の安全保障ができれば、アメリカからの自立性は相対的に高まるだろうという見方ですー第二夜エマニュエル・トッド『帝国以後』ー》
目次の次の見開きページに69冊の画像がアップされていますが、縮小立体画像でランダムに並んでいるものだから、一瞬、コレクターの懐かしいマッチ箱かなと思ってしまいました。
初出は雑誌『文藝春秋』に2003年7月号〜2005年5月号に掲載されたものです。毎夜、論じたあとは飲んだり、食ったりの「宴」が繰り広がれたのでしょう。三人の共通点はエピキュリアンですからね。悦楽の二十三夜だったのでしょう。
これは芸談ならず文芸談、時評談、って言うのでしょうか、このトリオはハーモニーがあります。本当に三人の口舌で未読でありながら読みたい気にさせられた本が沢山ありました。
レビュー対象の本だけではなく鼎談中に言及された参照本も読みたくなる。ナンシー関の『ナンシー関大全』で、鹿島さんが《ナンシーの面白さはフローベルの『紋切型辞典』(岩波文庫)に近い。ブルジョワを深く憎むがゆえの愛、テレビを嫌悪するがゆえの愛というものがあります。これはテレビというものに捧げられた、一種の愛の書でしょう》と言われれば古典を繙いてみようかなと思ってしまう。
最後に三人がそれぞれ選んだベスト3を掲げていますが、僕がこの本でそそられたベスト3は『ラーゲリのフランス人』(ジャック・ロッシュ&ミシェル・サルド著)、伊原弘編『「清明上河図」をよむ』、『マネー・ボール』(マイケルルイス)です。
この本は一気に読むのではなく時たま本棚から出して「本の本」として適当なページをめくって愉しむ本だと思うのですが、時間がかかりましたが(何せ350ページなのです)、浮気しないで熟読しました。
僕が読んでいた本でオススメは第十九夜森富子の『森敦との対話』、第八夜の『田中小実昌エッセイ・コレクション6(自伝)』です。
しかし、松岡正剛の『千夜千冊』の千夜と比べるとラジオ深夜便の気安さ、聴きやすさ、読みやすさがありますね、それを思うと、松岡さんの『千夜〜』は圧倒的な仕事だったんだと改めて思ってしまう。
歩行と記憶